「エデンの東」を最初に見たのは学生時代であった。
そのときの感想は、「この映画のラストには全く共感できない」
であった。
あの父親との和解を示すラストが全く嫌なのであった。
あんなひどい許されざる人間と和解する必要などどこにあるの
かという不快感であった。
「エデンの東」が名作と評価されていることは知っており、周
辺にもこの映画を好きな人々も多かったのであるが、この「エ
デンの東」が好きになることはなかった。
そのうち、人生経験を重ねていき、社会の中で生きていきなが
ら視野を広げていけば、この映画の良さも判ってくるのではな
いか、父親との和解も理解できるのではないかと思った。
こうして、あれからN年(敢えてその年数は書かないが)、
「午前十時の映画祭」で「エデンの東」と対面することになっ
た。あの頃から比べると人生経験も重ねてきたし、映画の知識
でも「赤狩り」やそこでのエリア・カザンのことも知った。
この映画を観る視点は、あの頃からは多くなった。
さて、内容である。
父親、兄、その婚約者には今回も全く共感を持てないし、学生
時代に観たとき以上の嫌悪感を抱いた。
父親の愛を得たことである種のハッピーエンドを示したことな
ど不快以外のなにものでもない。後味悪いのである。
このような結末にしたこと自体、エリア・カザンの転向、変節
ではないのかと思ってしまった。
私が、この「エデンの東」を好きになることはないのだろう。
僕は初めて観た時、ジミーがどうとかと言うより婚約者(ジュリー・ハリス)が父親(レイモンド・マッセイ)に、「愛されない者の気持ちも理解して下さい」と訴える姿に感動してしまったのですが・・・。
あの親父さんは十分「罰」を受けてしまったような気もしましたし。
ちなみにDVDに入っているテレビ放映時の吹替え版は、ジミーの声は先頃亡くなった野沢那智でしたが、
父親を鈴木瑞穂・婚約者を香野百合子と大好きな役者さんが当てていたので、即購入したものです。
スタインベックの原作は長くて複雑らしいので、映画の問題点も決着が付いているかもしれませんね。
未読のままなのですが。(2010年11月04日 00時21分53秒)
スタインベックの原作は二家族の大河ドラマとのことです。
映画化されたのはほんの一部なわけです。
全体はどうなっているのか、読んでみたい気持ちもあり
ますが・・・。(2010年11月05日 19時44分31秒)