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またまたスピルバーグ批判となってしまうようなこんな作品をわざわざ取りあげたくはなかったのですが、近日中に批評する予定の「シンドラーのリスト」を取りあげる前にはどうしても説明しておかなければならい映画なので、敢えて批評することにします。(恐らくまたこの批評に対する批判的なコメントが書き込まれるでしょうけど、それでも僕は自分の感じたことをそのまま書こうと思います。批判を恐れて嘘のコメントをするなんてのはまっぴらですからね)
と言う訳で本日批評する映画は「カラーパープル」です。 まずはストーリーです。 1909年。南部ジョージアの小さな町で、少女セリー(デスレタ・ジャクソン/のちにウーピー・ゴールドバーグ)は2人の子供を出産しますが、父親に引き離されてしまい、ミスター(ダニー・グローヴァー)という男のもとへ嫁がされます。そして奴隷のような生活を強いられ、セリーは辛い毎日を過ごすのです。心の支えであった妹ネッティ(アコスア・バシア)の消息も途絶えてしまい、苦悩は深まるばかりでした。そんなある日、セリーはブルース歌手、シャグ・アヴェリ(マーガレット・エイヴリー)の世話をすることになり………、と言った感じです。 この映画は、エンターテイメントの神様とまで言われたスティーヴン・スピルバーグ監督が、初めて手掛けた人間ドラマなのです。 この当時からアカデミー賞に強い関心を抱いていたスピルバーグ監督は、エンターテイメントではアカデミー賞を取れないと悟ったのか、いままで扱ったことのない人間ドラマに着手し始め、「カラーパープル」、「太陽の帝国」、「シンドラーのリスト」と次々に発表したのです。 この映画はその野心を満たそうとして作られた最初の作品で、一応思惑通りにアカデミー賞にノミネートされたのですが、そんな付け焼刃が通用するはずもなく、ものの見事に落選してしまいました。ちなみにこの年(1985年)のアカデミー賞は「愛と哀しみの果て」ですので、どう考えても適うはずはなかったのです。 まあ原作のピュリツアー賞を受賞したという同名小説は読んだことがないので、どのていど忠実に作られているのかよく分かりませんが、ストーリー的には何の魅力も感じられませんでした。 確かに主人公であるセリーの境遇は悲惨すぎて同情してしまうのですが、ただそれを延々と見せ付けるだけで、製作者側がそこにどんなメッセージを込めているのかその意図がまったく見出せませんでした。これでは「悲惨だろ、可愛そうだろ、だから感動しろ」と言われているようなものです。 それに主人公のセリーもいまいち何を考えて行動しているのか分からず、とても感情移入できるようなキャラクターではありませんでした。 ちなみに主演のセリーを演じるウーピー・ゴールドバーグはこの映画でデビューし、この年のゴールデン・グローブ賞の女優賞を獲得していますが、正直言って今現在に比べればそれほどの演技力は感じられません。むしろ今とは別人のように痩せていることに驚くでしょう。 スピルバーグらしさもというものがまるっきり排除されてしまっている映画なので、スピルバーグファンが見たらがっかりすることは間違いないでしょうね。 監督 スティーヴン・スピルバーグ 制作年 1985年 制作国 アメリカ 上映時間 153分 ジャンル ドラマ 出演 ウーピー・ゴールドバーグ/マーガレット・エイヴリー/ダニー・グローヴァー/オプラ・ウィンフリー/アドルフ・シーザー/ウィラード・ピュー/アコスア・バシア/デスレタ・ジャクソン/レイ・ドーン・チョン/ダナ・アイヴィ/ラリー・フィッシュバーン/カール・アンダーソン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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