テーマ:おすすめ映画(4019)
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今月はいままで以上に忙しくてなかなかこのページも更新できずにいますが、恐らく来月はもっと忙しくなってしまうと思いますので、こうしたちょっとした時間をも無駄にせず、更新に励みたいと思います。
と言う訳で、本日の映画は「バートン・フィンク」です。 まずはストーリーです。 1941年、ニューヨーク。社会派劇作家バートン・フィンク(ジョン・タトゥーロ)は、庶民を祝福した芝居の成功により一躍有名人となり、ハリウッドからも映画のシナリオ依頼として招かれることとなります。そしてロサンゼルスへやってきたバートンは、仕事場としてさっそくホテル「アール」にチェックインするのですが、そこは薄暗くて不気味な雰囲気が漂っており、あまり居心地の良いホテルではありませんでした。さらに部屋の中は暑苦しくて蚊まで飛んでおり、いくらバートンがタイプライターに向かっても、なかなか思うようには集中できませんでした。そんな中、隣室からは不気味な笑い声が聞こえてきて………、と言った感じです。 この映画はカンヌ映画祭で3冠(グランプリ、監督賞、ジョン・タトゥーロの主演男優賞)を獲得した秀作で、もともと実力のあったコーエン兄弟が、その名を一気に世界へ知らしめる事となった作品でもあるのです。 まあ内容的にはシュールな作りとなっており、かなり個性の強い作品ではありますが、ストーリー運びがとても丁寧(ていねい)に作られていますので、誰にでも呑み込めて楽しめる物語となっています。 とくにこの映画はそのシュールな映像が素晴らしく、映像がセリフ以上に色々な物事を物語っているのです。中でも、人の気配が感じられないホテルの廊下に大量の靴が並んでいたり、壁紙がゆっくりと剥れてくる様子などは、まさに何かのメッセージ性を感じてしまうでしょう。 登場する人物たちもみんな灰汁(あく)が強く、人の話を聞かないキャピトル映画の社長リプニック(マイケル・ラーナー)や保険セールスマンのチャーリー(ジョン・グッドマン)とのやり取りなどはひじょうにコミカルで、間違いなく笑えるはずです。 世の中にはシュールで詰まらない映画は数多くあり、そのほとんどは製作者たちの勝手な思い込み(「理解できる人にだけ理解してもらえれば良い」と言った考え方や、単なる自己陶酔(とうすい)の世界)によって作られており、見る側の気持ちなどは蔑(ないがし)ろにされてしまっていますが、この映画はシュールでありながらもきちんと見る側のことは考慮(こうりょ)されていますので、シュールな作品が苦手だと言う方でも楽しめると思います。 この映画でしか味わえない独特の映像美はそれだけでも必見の価値がありますので、未見の方にはとくにお勧めしたい作品です。 監督・脚本 ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン 制作年 1991年 制作国 アメリカ 上映時間 116分 ジャンル ドラマ 出演 ジョン・タートゥーロ/ジョン・グッドマン/ジュディ・デイヴィス/マイケル・ラーナー/ジョン・マホーニー/トニー・シャルーブ/ジョン・ポリト/スティーヴ・ブシェミ/ミーガン・フェイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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