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2001年の2月21日に開店したサンク・オ・ピエも間もなく9周年を迎えます。これもひとえにご支援いただいたお客様のお陰です。ありがとうございます。 先日50歳になったときと同じく、もう10年目に入るのかと思うとあまり実感はないですね。日々夢中でやってきましたから、、、。私たちの仕事は細かい事を一つ一つ積み重ねてゆくので、瞬間瞬間が真剣勝負ですから、実のところ去年の記念コースの詳細も調べなくては解らないほどです。 毎年のこの記念コースでは、続けて行くうちに3つのテーマが自然に出来上がってきました。まず一つは、原価がかかりすぎたり手間がかかりすぎたりして普段ではなかなかできないクラッシックな料理を作ること。2つ目は、三つ星やその他有名シェフの名作料理を再現すること。もう一つは、ユニークなデザートを作ること。 今回、デザートにAOCのレンズ豆を使ったフレンチ風のあんみつなども考えていたのですが、とある素材の魅力に抗しきれずデザートは結構オーソドックスになりましたが、、、、。
サンク・オ・ピエ9周年記念コース 2月20日より3月20日ごろまで 2~3日前までにご予約ください。 2名様より(お一人様¥9,000) Menu Amuse お楽しみアミューズ Cote de Cochon d'Iberico de bellota fume et lardo avec Salade シェフの手作りイベリコ豚ベジョータのスモークハムとラルド 自家菜園の有機野菜のサラダ添え Consomme de Homard et poulet de TOKIMEKI queue de homard farinee オマール海老とときめき鶏のコンソメ オマール海老の葛たたき入り Etouffee de aile de raie au chou vert beurre de vinaigre de vin de xeres,Bernard Pacoud 三ツ星シェフ・ベルナール・パコー風 エイヒレとキャベツのシェリー酒ヴィネガー風味 Cote de chvreuil ,foie gras et truffe Rossini エゾシカの背肉,フォアグラ、トリュフのロッシーニ風 Sorbet de citron et yuzu 自家菜園の有機レモンと柚子のソルベ 2 Desserts de2 Chocolat de VALONA フランス最高級クーベルチュールショコラ、ヴァローナ社の 2種類のショコラによる2種類のデザート Cafe de SAKMOTO ou the 2 pains さかもとこーひー又は紅茶、2種類のパン アレルギーや苦手な食材がございましたら、メニュー変更もできます。 お気軽にお申し付けください。 以上のような内容となります。 まずはアミューズ。これは何が出るかお楽しみ。続く、前菜はスペイン産のイベリコ豚の最高級ベジョータの肩ロースを使ったシェフの手作りスモークハムと脂の旨味たっぷりのバラ肉のラルドのサラダ添えです。イベリコ豚ベジョータの肩ロースはサンク・オ・ピエ初登場です。 続くスープは、オマール海老とときめき鶏のコンソメにオマールの葛たたき入り。まず、ときめき鶏のフォン・ブランを仕込みます。ときめき鶏のガラと手羽先と野菜でだしをとります。あくを徹底的に取って綺麗な出汁にします。これがフォン・ブラン。翌日そこにときめき鶏の胸肉のミンチと野菜、それにオマール海老の尻尾以外の身や殻やみそなどもすべて細かくしてたくさん加えて、あく取りのための卵白も加えてコンソメをとります。浮き実にオマール海老の葛たたきを入れます。 葛たたきというのは、和食の技法でオマール海老のの尻尾を適当な大きさに切って、下味をつけ葛粉や片栗粉またはコーンスターチなどをまぶしてからスープで軽く火を通すのだ。ツルンとした触感が出るし、粉が皮膜となって旨味も逃がさない。 これは、オマール海老のほとんどを出汁に使ってしまうという贅沢なスープ。原価と手間を考えるとそうそう滅多にできるものではないですね。 次の魚料理は、パリの三つ星の名店「ランブロワジー」のシェフ・ベルナール・パコー氏とその店の創成期の相棒だった現東京三田の「コート・ドール」のシェフ・斉須政雄氏の名作料理で、エイヒレとキャベツのシェリー酒ヴィネガー風味です。 北海道辺りではカスベとも言いますが、ガンギエイのヒレを使います。フランスでもよく食べます。白身でしっとりした感じの肉で、見た目は大きなヒラメの縁側のような感じです。これをクールブイヨン(ハーブや香味野菜と白ワインを入れたブイヨン)でポシェ(茹でる)します。冬の美味しいキャベツは、少しのバターでスエ(汗をかかすくらいに弱火で炒める)する。キャベツにエイヒレを乗せシェリー酒ヴィネガーとバターだけで作ったものすごく酸っぱいソースをかけ、シブレット(万能ネギでもOK)の細切りを散らし、強めの胡椒で仕上げる。 とてもシンプルな料理だが、食べるとちょっと忘れられないくらいのインパクトがある。20世紀フレンチ史上の名作といえる料理のひとつでしょう。斉須シェフのは一度食べたことがあるので、どこまで再現できるか?自分でも楽しみです! メインは、エゾシカのロッシーニ風です。エゾ鹿の背肉(牛でいえばサーロインの部分の芯)は、私得意の弱火の長時間ローストで柔らかく仕上げる。フォアグラのソテーを乗せ、トリュフのソースでまとめる。このトリュフはクリスマス後に取り寄せて冷凍しておいたものです。赤身の肉にフォアグラとトリュフという鉄壁の組み合わせですね! デザートは、自宅庭のレモンと柚子で作ったシャーベットを挟んで、フランス産の最高級クーベルチュールチョコレート、ヴァローナを使った2種のデザートです。 三ツ星レストランのシェフやカリスマパティシェ・ピエール・エルメなども愛用するチョコレートです。普段使っているベルギーのカレボーのチョコレートも王室御用達だし、あのゴディヴァの原料になっているくらいですから、とてもよいチョコレートなんですが、ヴァローナはちょっと格が違います。値段も倍近いですし、コーヒーでいえばブレンドものともいえる各地のカカオを配合した銘柄や、ストレートものに匹敵する一つの産地一種のカカオだけで作った製品など用途別に香りや苦みや酸味などが特化されたさまざまな製品があり使いこなすだけでもかなりの経験と知識が必要なんです。私も10数年前に使ったことがあったが、今思うと全く歯が立たなかった記憶があります。使いこなせませんでしたね。 最近、デザートに関しては焼き菓子とショコラにはまっています。焼き菓子はやはり原点的で、一番簡単ですが奥が深い。フィナンシェやパウンド系の生地などシンプルなんですが難しいです。それからショコラ。ヨーロッパでは、パティシェ(生菓子、焼き菓子)とブーランジェ(パン、焼き菓子、菓子パン)とは別にショコラティエ(チョコレート専門)と職業が分かれているくらいで、チョコだけで一生ものの仕事なのだ。 全く食の世界は奥が深く、経験を積むほどに知らないことばかりだと気づかされます。無知の知と言いますか、、、知るとは知らぬことを知るということなんですね。 学生時代は、物理をやっていたくらいですから物事を深く(必要以上に?)考えるのが好きなんです。去年から使わせてもらっているさかもとこーひー、さかもとさんの作る世界でもトップクラスのコーヒー豆を使ったスペシャリティ・コーヒーにも触発されてますね。あれだけのコーヒーを出すとなると、、、半端なデザートではねぇということになり、、。うちで食事をしたさかもとさんが、またすごいこーひーを作るというスパイラル。ソムリエの友人もこのワインに合わせて何か作ってと、挑戦してきます。良い意味で、容赦のない切磋琢磨の関係。楽しいですね。仕事が楽しいというのは、幸せなことですね!
Last updated
Feb 15, 2010 08:02:28 PM
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