カテゴリ:シェフの雑記帳
先日のさかもこーひーのブログ、http://plaza.rakuten.co.jp/sakamotocoffee/diary/201202070000/ http://plaza.rakuten.co.jp/sakamotocoffee/diary/201202080000/ http://plaza.rakuten.co.jp/sakamotocoffee/diary/201202090000/ さかもとこーひーの入れ方に関する話なんですが、普通のこーひーとはかなり違うんですね。まあ、言ってしまえば、沸いたお湯をぶっかけるだけ!というシンプルなものです。数年前にワイン会にさかもとさんがコーヒーとカフェプレスを持ってきて「これで入れてください」と渡された時に、正直「エー!これで淹れるの!??」と内心思いました。もちろん、お客様ですから、口には出しませんが、、、。 というのは、普通コーヒーというものには、必ずいやな味が含まれています。その嫌味を出さないように、喫茶店のオヤジなんかが、技術を駆使してドリップなりサイフォンなりで、いかに美味しいところだけを抽出するかという事が、肝要なわけです。そのためにお湯の温度もやや低くするのが普通です。ですから、カフェプレスにコーヒーの粉を入れて、沸いたお湯をぶっかけるというのは、もっともやってはいけない入れ方なはずなんです。コーヒーの味の要らぬところまで全部出てしまいますからね! その時飲んだのは、コロンビアのカップオブエクセレンスでしたが、一口飲むと、「あれ!なんでこんなに綺麗なの?」全く信じられないような味だったんです。少し冷めてくるとさらに複雑で繊細な風味が出てきて、まるで上質なワインのようにテイスティング用語を使って表現したくなるような味わいでした。思わず、「もしコーヒーのロマネコンティというのがあるならこういうものかもしれませんね。」と言ってしまったくらいです。 飲みほして、カップの香りをかぐとまるでハバナの最高級のシガー(葉巻)みたいな香りがしました。それをさかもとさんに言うと、「僕はたばこ吸わないから、知らなかった。へー、これがよく言うシガーの香りなんですか、、、。」なんて。のんびりしたことを言ってました。私は、そのときに「このオヤジただのこーひー屋さんじゃないな。」と思いました。 それで、しばらく考えていたんですが、わかったのは、要するにさかもとこーひーの豆にはきっと欠点がないのだろうという事。栽培から収穫まで別格の扱いを受けるスペシャルティー・コーヒーは、ワインでいえばドメーヌ元詰め物に匹敵する。その豆のクオリティそのものがレベルが高いうえにそれを高い焙煎技術で仕上げてあるので、豆の持ち味をすべて抽出して問題がないという結論でした。なるほどなぁ!と思ったものです。つまり技術いらずのこーひーですから、家庭でも完全にさかもとこーひーの味が引き出せるわけです。だから通販中心のビーンズショップとして人気が高いわけですね。これが、いくらいいコーヒーでも、淹れ方が難しかったら、通販は厳しいですよね。さかもとさん自身が喫茶店のマスターになって、コーヒー淹れるしかないわけです。 けっきょく、沸いたお湯をぶっかけるというシンプルな淹れ方でできるさかもとこーひーは、技術いらずなので家庭向けこーひーになるわけですね。そのためには、焙煎やブレンドによって、豆のクオリティーを最高に高める必要があるわけです。その辺の技術が並みこーひー屋さんと違うところなんですね。料理だってやみくもに良い素材を使えばいいってもんじゃないですから、、、。つまり、辻静雄さんが言ったように「最高の料理には、最高の素材が必要だが、最高の素材が最高の料理になるとは限らない。」という事につきます。 このところ、さかもとこーひーには、サンク・オ・ピエの特別メニューのデザートに合わせるこーひーを作ってもらっていますが、毎回そのマリアージュには驚かされます。最初の画像のジビエ尽くしのコース用のブレンドにしても、普通はありえないコーヒーとカシスのソルベなんて組み合わせを軽々とクリアーしてしまいます。もうすぐ始まる11周年記念コース用のブレンドも作ってもらいました。きっとまた素晴らしい味わいが期待出るでしょう! そうそう、今日は開店記念日です。2001年の2月21日が開店日でした!もう11年もたったんですね、、、。はじめは経営も苦しかったんですけどね、、、。今はまあ、結構人気のお店になったのかなと思います。幕張本郷のほとんど住宅街で、フレンチのコース料理のみで、予約制なんて、強気なやりかたですが、味にこだわる良いお客様に恵まれて、おかげ様で何とかやってこれました。日頃よりご支持をいただくお客さまに感謝です!成田の自家菜園をやってくれたマダムの実家や忙しいと皿洗いに来てくれた息子や娘、もちろんパートナーのマダムにも感謝感謝です。これからもよろしくお願いします。
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Last updated
Feb 21, 2012 10:35:34 AM
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