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未熟な作家の気まぐれファンタジー小説blog

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2007.07.20
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カテゴリ:落雷疾風記
ヴァンスが居なくなったあの出来事以来、僕は6月23日以降、日記を書くのをぱったりと止めてしまった。日記を書き始めてから1週間も満たない事である。ヴァンスと出会ってから、1週間も満たず・・・・・・
僕達はその事から離れ、残された磁力の指輪の事について考えている所であった。
「しかしこの1週間は実にハードだったなぁ・・・・・・山行ったり都市行ったりジタバタして・・・・・・」
ジンが自分の書いた日記を黙読しながらそういうと、実体化していたガウセルがさりげなく相槌(あいづち)を打つ。
「そうですな。しかしそれらの経験があったからこそ、アルメさん達や私と会えたはず。今までの事を放棄していたら、多分・・・・・・」
ガウセルが続きを言おうとすると、ヴァルスィンも実体化してきた。
「私にも話を交(まじ)わらせてもらおうか・・・・・・。」
ガウセルが軽く頷(うなず)くと、続きを話し始めた。
「多分、クローヴィス殿は平凡な暮らしをしていたでしょうな。それでも良かったのかも知れぬが、それなら今のレヴェナスは無いと考えればよかろう。しかし今の状況が良いと考えれるならば、今までの行いは全て・・・・・・正解と言えるでしょう。」
僕は悩み、ヴァルスィンは腕を組み、ジンはココアを軽く啜(すす)り、ガウセルは大きくため息を吐いた。
「しかし問題はここからだ・・・・・・。重要な鍵を握る人物がいなくなった今、残された鍵は、知るところ後1つ。」
ジンの言葉を耳にしたガウセルは、自分の指にはめていた磁力の指輪を抜き、テーブルの上へ置いた。
「この指輪の内側に記された、『カイラマ&セライ』という文字だけですな。」
僕達はそのカイラマとセライの意味は分かっていて、場所も知っている。しかし本当の問題は『交通手段』だ。
カイラマ島とセライ島の周りは邪悪な結界が張ってあると聞いたことがあり、迂闊(うかつ)に近寄れないのが現状だ。船ではもちろん襲撃され、海上では馬車の移動もできない。それにヴィルム島からも距離があり、帰って来られるかどうかも危(あや)うい島々だ。
「まぁ焦ることは無いです。向こうから襲撃が来ることは、前以(まえもっ)てクローヴィス殿が知らせてくれる様ですし、こちらには元産業都市がついているようですしな。地道に策を練りましょうぞ。」
・・・・・・その後僕達は考え続け、1週間、また1週間と経ち、ついに1ヵ月後を迎えた。

「・・・・・・さて、あれから何十日と経っただろうか。」
僕達は、ハァ~と、魂が抜けたかと思うぐらい、重いため息を吐いた。ため息を吐けば幸福が逃げるとはこの事だ。
「あ、そうだクローヴィス。7月24日の今日、何の日か知ってるか?」
僕は無頓着に首を横に振ると、ジンがまたもやため息を吐いて口にした。
「・・・・・・今日は・・・・・・ヴァンス・ラールの誕生日だ。」
僕達の中に広がっていた閑静な空気が、どよめきと驚きが混ざったような空気が、疾風の如(ごと)く、目の前を通り過ぎる。
「そうだったのか・・・・・・そういえば聞いたことあるなぁ・・・・・・。そうだ!もう一度、エージニア渓谷へ行ってみないかい?もしかしたら・・・・・・」
僕が最後まで言わなくても、皆は理解してくれた。誰も賛成か反対かの声もなく、全員外に出て、ナパイヤー家の馬車へと乗った。
どこにでもあるこの馬車は、何人でも乗ることのできる優れ物で、人数が多くなるたびに車両を足せばいいし、その車両も、倉庫にしまえる位に小さくできる為、余分なスペースを必要としない。なので、やたらと便利であるが故(ゆえ)に、動力(どうりょく)も馬型の精霊で進むことができるので、石炭や電気とやらも必要ない。もちろん、精霊は『死亡という現象が無い』ので、永遠運行が可能だ。
「ジン殿、スピードを出すために、二頭立てか四頭立てにすればよいのでは?」
ガウセルの指示を受け、ジンは普段なら一頭立てのところ、二頭立てにした。
ジンは全員乗り込んだところを見計らい、馬車回しに寄せて簡単な伝言メモを残した。そして間も無く出発の暗示を精霊にかけ、僕達はナパイヤー家から再びエージニア渓谷に向けて出発した。まだ朝方で少し冷えており、少し空には雲がかかっていた。
精霊は快調に走り、渓谷に向けて行くにつれて雲の間から日差しが覗き、美しい朝を迎えた。周りには川が通り、ヴィルム島で一番大きく、僕もこの前訪れたロイドランゲイス湖に繋(つな)がっているに違いない。
と、ふと僕はあることに疑問を持った。
「ねぇガウセル。なぜ悪の心を持った人がやられると炎がたつのだろう・・・・・・」
ガウセルは眉間(みけん)にしわを寄せながら答えた。
「それは違うぞ。あれは自分がやられた時にたてる合図だろう。まぁ昔で言う狼煙(のろし)ですな。烽火(ほうか)とも言われるものだが、それで遠距離から味方にでも合図を送っていたのではないか?まぁ実際に自分の身体を生贄(いけにえ)に発火し、味方に知らせる魔法があるが、大抵自分の化身を燃やすことが多いとよく知られている魔法だ。『レストディアー』というのだが、魔法文が短くてすぐ唱えられる。まぁ敢(あ)えて言うが、もしも火霊か雷霊がこの魔法を取得していれば大変な事になる。まぁ聞き流してくれるだけでいい。『我が身を合図に』だ。」
僕は言葉通り聞き流し、とりあえずガウセルにお礼を言うと、少し窓の情景を眺めた。
馬車にカタンコトンと優しく揺られながら見る風景は少しずつ流れる。空には鳥型の精霊が数体飛び交(か)い、草木の葉は微(かす)かに揺れ、近くを流れる川には魚型の精霊も少なくない。
と、僕が大自然の美しい風景に見惚(みと)れていくうちにだんだん眠くなり、僕は少しの間眠った。丁度2時頃で、昼寝にはピッタリの時間帯だ。
柔らかな日差しが心地良かったので、馬を操っているジン以外は、僕と同様、少しの間眠った。実は昨日、ミルイが大事にしていた指輪が突然無くなり、徹夜までして探したという大騒ぎになったのだ。その指輪は先週の20年目結婚記念日にセルヴォイからもらった指輪らしく、世にも珍しい『ブルーローズコランダム』と言われるサファイアの1種といわれていた宝石を司(つかさど)った指輪なのだが、色は青紫と言うか赤紫と言うか、とりあえず紫っぽい色をしているのが特徴だ。しかしその値段は聞いただけで目を瞠(みは)った。輪に2つ付いていたのだがその値段はなんと約30ガルン。ヴィルム島から一番近く、ロリヤックが主に生息するウォンバー島で採取できる物だが、これはあまりにも高すぎる品であった。一応見つかったのは良かったのだがミルイが鬼のようになっていたのは、夜の12時を過ぎても治まらなかったので、当然僕達は寝不足だった。
そうやって少しうとうとしていると、もうエージニア渓谷に着いた。寝起きのような顔を擦りながら降りると、思わずあくびをしてしまう。
「おい、早く隠れろ!誰かいるぞ。」





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Last updated  2007.09.19 23:24:38
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