午後の紅茶「ご苦労様、ネル。どうだった?」「まぁまぁだね・・・。」 「少しでもゆっくりしていくといいわ。」 彼らは今、アリアスの村にいた。 戦争が星の船の襲撃以来、停戦状態となってからほどない頃。 シーハーツとアーリグリフの両国は星の船を撃退すべく、これからクロセルに会いにいくところである。 「・・・で、彼は一体?」 会議室には見なれない男がいた。 「・・・ネルの彼氏?」 ニヤついてるクレア。 「バカ!!なんでそうなるんだよ!」 「違うの?」 「違うに決まってるだろ!コイツが今回の件で同行する、歪のアルベルさ。」 「え!??!?」クレアはじーっと彼を見やる。 「・・・確かに歪んでらっしゃるわね。」 「だろ?」 「・・・・何見てんだ阿呆ども。」 「いえ、こちらの話。それで、その歪のアルベルさんがここに何の用かしら?」 にこやかに微笑むクレア。 「フン。クリムゾンブレイドとやらの面を拝みたかっただけだ。」 「あら、光栄ね。」 クレアは傍にいた兵士に何か命令をしている模様。 「まあ、折角ですし、お茶でもいかがですか?」 「・・・別に・・・。」 立ち去らないところを見るとどうやら肯定している様子。 「どちらか選んでいただけます?」 ドン!っとテーブルの中央に2つのジャムを置いた。 「・・・・おい・・・このラベル・・・。」 「あ、これですか。イラスト付きでわかりやすいでしょう?プリンジャムと唐辛子ジャムがあるんですが・・・どちらで?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 無言になるアルベルと必死に笑いを堪えているネル。 「・・・失礼する。」 扉へ向かうアルベル。しかしノブが回らない。 「先程の兵士に鍵をかけさせました。是非、ジャムティーをw」 「ふざけるな!」 「いいから座れよ。歪のアルベルさんw」 ネルが横からひっぱり強引に座らせる。 「ジャムは希望がおありで?」 既に三つの紅茶にはもうカップに注がれていた。 「・・・・・プ、プリンを・・・・。」 彼には珍しく照れた表情で呟く。 「あら、あんた・・・。」 ネルが口を開く。 「・・・・共食いする気かい?」 「阿呆!くだらねえ事言ってんじゃねえ!」 クレアは最初ネルの言った冗談の意味がわからなかったが、アルベルの頭を見て、ポンとうなずいた。 「すみません。私ったら・・・・共食いなんて事を薦めてしまって・・・!じゃあ唐辛子ジャムにしましょうね。」 「・・・・最悪だ・・・・。」 アルベルは「これはもう嫌がらせか?」と思う始末 差し出されたお茶は文字通り「紅」茶であった。 アルベルはそれを一気に飲み干した! 「・・・・まぁまぁだな・・・・。」 そう言って扉の鍵をもらうアルベル。そそくさと立ち去っていった。 「・・・辛く・・・なかったのか・・・?」 「・・・そんなはずは・・・何せビン一杯に唐辛子を入れたのに・・・?」 後日、フェイトの証言によると、 「ネルさん。この間何があったんです? アルベルが貴方達の屋敷から猛スピードで走っていった挙句、噴水に頭から突っ込んで3分ぐらい動かなかったんですけど・・・・ で、顔を挙げたら『覚えてろよ・・・あの女・・・!』とか・・・どうしたんでしょう?」 ネルは再度笑いを堪えたのは言うまでもない。 END 感想は掲示板までwww ジャンル別一覧
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