042031 ランダム
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クライムアンドペナルティ

クライムアンドペナルティ

午後の紅茶

「ご苦労様、ネル。どうだった?」
「まぁまぁだね・・・。」
「少しでもゆっくりしていくといいわ。」
彼らは今、アリアスの村にいた。
戦争が星の船の襲撃以来、停戦状態となってからほどない頃。
シーハーツとアーリグリフの両国は星の船を撃退すべく、これからクロセルに会いにいくところである。



「・・・で、彼は一体?」
会議室には見なれない男がいた。
「・・・ネルの彼氏?」
ニヤついてるクレア。
「バカ!!なんでそうなるんだよ!」
「違うの?」
「違うに決まってるだろ!コイツが今回の件で同行する、歪のアルベルさ。」
「え!??!?」クレアはじーっと彼を見やる。

「・・・確かに歪んでらっしゃるわね。」
「だろ?」
「・・・・何見てんだ阿呆ども。」
「いえ、こちらの話。それで、その歪のアルベルさんがここに何の用かしら?」
にこやかに微笑むクレア。
「フン。クリムゾンブレイドとやらの面を拝みたかっただけだ。」
「あら、光栄ね。」


クレアは傍にいた兵士に何か命令をしている模様。
「まあ、折角ですし、お茶でもいかがですか?」
「・・・別に・・・。」
立ち去らないところを見るとどうやら肯定している様子。
「どちらか選んでいただけます?」
ドン!っとテーブルの中央に2つのジャムを置いた。
「・・・・おい・・・このラベル・・・。」
「あ、これですか。イラスト付きでわかりやすいでしょう?プリンジャムと唐辛子ジャムがあるんですが・・・どちらで?」











「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


無言になるアルベルと必死に笑いを堪えているネル。

「・・・失礼する。」
扉へ向かうアルベル。しかしノブが回らない。
「先程の兵士に鍵をかけさせました。是非、ジャムティーをw」
「ふざけるな!」
「いいから座れよ。歪のアルベルさんw」
ネルが横からひっぱり強引に座らせる。
「ジャムは希望がおありで?」
既に三つの紅茶にはもうカップに注がれていた。
「・・・・・プ、プリンを・・・・。」
彼には珍しく照れた表情で呟く。
「あら、あんた・・・。」
ネルが口を開く。
「・・・・共食いする気かい?」
「阿呆!くだらねえ事言ってんじゃねえ!」
クレアは最初ネルの言った冗談の意味がわからなかったが、アルベルの頭を見て、ポンとうなずいた。
「すみません。私ったら・・・・共食いなんて事を薦めてしまって・・・!じゃあ唐辛子ジャムにしましょうね。」
「・・・・最悪だ・・・・。」
アルベルは「これはもう嫌がらせか?」と思う始末
差し出されたお茶は文字通り「紅」茶であった。
アルベルはそれを一気に飲み干した!
「・・・・まぁまぁだな・・・・。」
そう言って扉の鍵をもらうアルベル。そそくさと立ち去っていった。
「・・・辛く・・・なかったのか・・・?」
「・・・そんなはずは・・・何せビン一杯に唐辛子を入れたのに・・・?」





後日、フェイトの証言によると、
「ネルさん。この間何があったんです?
アルベルが貴方達の屋敷から猛スピードで走っていった挙句、噴水に頭から突っ込んで3分ぐらい動かなかったんですけど・・・・
で、顔を挙げたら『覚えてろよ・・・あの女・・・!』とか・・・どうしたんでしょう?」
ネルは再度笑いを堪えたのは言うまでもない。







       

                   END

                
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