JEALOUSそれはある昼の出来事だった―・・・。jealous いつも通り、フェイト達一行はここペターニで休息をとっていた。 「それじゃあ、自由行動にしよう。クリエイションもよし、遊ぶのもよし、ただし、あんまりハメを外し過ぎないように。」 パーティのリーダーである、フェイト・ラインゴッド。 彼は仲間が(クリフやアルベル辺りが)色々とモメ事を起こしていてここ最近胃痛がしているとのこと。 そんな折―・・・ 「・・・ねぇ、フェイト。ちょっと買い物に付き合ってくれないかな?」 凛とした女性の声がする。パーティ随一の実力者、マリア・トレイター。 それに過敏に反応した1人の猫好き少女がいたとかいなかったとか。 「ああ。いいけど。」 そして現在―・・・ 「あ゛~~~~~!もうぅ!・・・あぁ~あ・・・フェイトと買い物したかったのになぁ~・・・マリアさんと何やってんのよ・・・フェイトの・・・バカ・・・。」ソフィアは結構落ち込んでいた。そんな時、 「全くもってそうだな。」 はい? 後ろを振り向いてみると、 「リ、リーベルさん!?!か、艦離れちゃってていいんですか!??」 「んあ?んなこたどうでもいいんだ・・・いいんだけどよ・・・。」 よく見るとリーベルの表情は修羅に近いものだった。 「行くぞ!ソフィア!」 「え”あ・・・あの・・・は、はい!」 もしかして私は、とんでもない事に巻き込まれる(た)かも・・・? その頃フェイトとマリアは道具屋へ入っていった。勿論、あの2人も建物の影で密談していた。 「いいか、ソフィア。2人の浮気現場をばっちりおさえて・・・!」 「お、おさえて・・・?」 「あのフェイトを狙撃するぞ。」 さらり、と悪びれもなく呟く。 「って・・・えええぇえ!?(フェイトだけぇ!?)」 「(ど、どうしよう。リーベルさん、目がマジだ・・・。なんとかしないと~;)」 「・・・・あのな・・・俺・・・実はリーダーに1度も・・・『好き』って言われた事がないんだ・・・。」 握りこぶしを作りながらリーベルは言う。 「(・・・何かいきなりシリアス・・・?)そ、そうなんですか。」 「リーダー・・・ってさ、そんな事口とかしないタイプだってこと・・・わかってたんだけどさ・・・本当は俺の事なんかどうでもいいかもしれない・・・俺の・・・『特別な日』ですら一緒に・・・いなく・・・って・・・!!」 リーベルの目にはうっすらと涙を浮かべていた。 「!あ・・・そんな!なんとも思ってないことなんてないですって!!それより『特別な日』って・・・?(あわわ;リーベルさん・・・泣いてる~!??!)」 「ありがとうございました~!」 店の方から楽しそうに出てくる2人組・・・。 「(あ~もう!何よ~!フェイトったらマリアさんにデレデレしちゃって・・・!あ!!)リ、リーベル・・・さん?」 プチン、と何かが切れた音がした。 いや、実際物が切れた訳ではないのだが。 「リーダー!!!!!!!!!!!!!!!」 リーベルの大声に驚く御参方。特に呼び声の相手である、マリアが。 「なんでリーダーは・・・!いっつもいっつもフェイトにばっか・・・・!俺の事なんか・・・どうでもいいんですか!!?」 いつになく情熱的なリーベル。顔はもう恥ずかしさと怒りと嫉妬で真っ赤である。 「え!??ちょ・・・ちょっとリーベル・・・!」 「俺の事が・・・もし・・・『好き』だったら・・・せめて・・・言葉でいいから・・・安心させて・・・ください・・・よ・・・。」 リーベルの目から大量の涙が零れ落ちてきている。 「・・・・リーベル・・・・。」 そんな時、ちょんちょんとマリアを指で呼んでいるフェイトが、マリアに対して少しからかいに満ちた笑みを見せて、そしてリーベルに対しこう言った。 「リーベル、これ。」 フェイトはマリアの持っていた、丁度プレゼントのような包みをリーベルに渡した。 「・・・え・・・・?」 驚きと疑問を隠しきれないリーベル。当のマリアはやや顔を赤らめさせていた。 「今日、リーベルの『誕生日』なんだよな。僕はプレゼント選びでも手伝ってただけだよ。マリアはちゃんと覚えてたよ。」 そしてフェイトはリーベルに耳うちして、 「(それって『好き』って事なんじゃないのか?)」 それまで俯いていたリーベルが顔をあげる。 「リーダー・・・。」 マリアは顔を赤らめさせながら、 「えと・・・何せ私・・・見ての通り不器用な性質(タチ)でね・・・言葉っていうのはもう少し・・・待ってくれる?」 「・・・リーダーぁ・・・。」 リーベルはペタン、と地に伏して泣きじゃくった。 「それに・・・。」 「?」 「もう・・・『リーダー』じゃなくて、『マリア』でいいわよ。クォークも解散したんだし。」 「・・・え!あ・・・は、はい!!!」 喜びをあらわにするリーベルであった。 「(・・・ってあ・・・あれ!?私これで出番終わり!??!)」 この一件以来、フェイトはリーベルのいらぬ誤解を受けるのを防止する為、マリアとの買い物は極力避けるようになったという。 補足・・・ここ最近ペターニで若い男女がイチャイチャしてたとかしていなかったとか・・・。 END ジャンル別一覧
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