041885 ランダム
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クライムアンドペナルティ

クライムアンドペナルティ

JEALOUS

それはある昼の出来事だった―・・・。





jealous



いつも通り、フェイト達一行はここペターニで休息をとっていた。
「それじゃあ、自由行動にしよう。クリエイションもよし、遊ぶのもよし、ただし、あんまりハメを外し過ぎないように。」
パーティのリーダーである、フェイト・ラインゴッド。
彼は仲間が(クリフやアルベル辺りが)色々とモメ事を起こしていてここ最近胃痛がしているとのこと。
そんな折―・・・
「・・・ねぇ、フェイト。ちょっと買い物に付き合ってくれないかな?」
凛とした女性の声がする。パーティ随一の実力者、マリア・トレイター。
それに過敏に反応した1人の猫好き少女がいたとかいなかったとか。
「ああ。いいけど。」
そして現在―・・・



「あ゛~~~~~!もうぅ!・・・あぁ~あ・・・フェイトと買い物したかったのになぁ~・・・マリアさんと何やってんのよ・・・フェイトの・・・バカ・・・。」ソフィアは結構落ち込んでいた。そんな時、



「全くもってそうだな。」




はい?


後ろを振り向いてみると、
「リ、リーベルさん!?!か、艦離れちゃってていいんですか!??」
「んあ?んなこたどうでもいいんだ・・・いいんだけどよ・・・。」
よく見るとリーベルの表情は修羅に近いものだった。
「行くぞ!ソフィア!」
「え”あ・・・あの・・・は、はい!」



もしかして私は、とんでもない事に巻き込まれる(た)かも・・・?



その頃フェイトとマリアは道具屋へ入っていった。勿論、あの2人も建物の影で密談していた。
「いいか、ソフィア。2人の浮気現場をばっちりおさえて・・・!」
「お、おさえて・・・?」



「あのフェイトを狙撃するぞ。」
さらり、と悪びれもなく呟く。
「って・・・えええぇえ!?(フェイトだけぇ!?)」


「(ど、どうしよう。リーベルさん、目がマジだ・・・。なんとかしないと~;)」


「・・・・あのな・・・俺・・・実はリーダーに1度も・・・『好き』って言われた事がないんだ・・・。」
握りこぶしを作りながらリーベルは言う。
「(・・・何かいきなりシリアス・・・?)そ、そうなんですか。」
「リーダー・・・ってさ、そんな事口とかしないタイプだってこと・・・わかってたんだけどさ・・・本当は俺の事なんかどうでもいいかもしれない・・・俺の・・・『特別な日』ですら一緒に・・・いなく・・・って・・・!!」
リーベルの目にはうっすらと涙を浮かべていた。
「!あ・・・そんな!なんとも思ってないことなんてないですって!!それより『特別な日』って・・・?(あわわ;リーベルさん・・・泣いてる~!??!)」


「ありがとうございました~!」
店の方から楽しそうに出てくる2人組・・・。
「(あ~もう!何よ~!フェイトったらマリアさんにデレデレしちゃって・・・!あ!!)リ、リーベル・・・さん?」




プチン、と何かが切れた音がした。
いや、実際物が切れた訳ではないのだが。



「リーダー!!!!!!!!!!!!!!!」


リーベルの大声に驚く御参方。特に呼び声の相手である、マリアが。
「なんでリーダーは・・・!いっつもいっつもフェイトにばっか・・・・!俺の事なんか・・・どうでもいいんですか!!?」
いつになく情熱的なリーベル。顔はもう恥ずかしさと怒りと嫉妬で真っ赤である。
「え!??ちょ・・・ちょっとリーベル・・・!」

「俺の事が・・・もし・・・『好き』だったら・・・せめて・・・言葉でいいから・・・安心させて・・・ください・・・よ・・・。」
リーベルの目から大量の涙が零れ落ちてきている。

「・・・・リーベル・・・・。」
そんな時、ちょんちょんとマリアを指で呼んでいるフェイトが、マリアに対して少しからかいに満ちた笑みを見せて、そしてリーベルに対しこう言った。
「リーベル、これ。」
フェイトはマリアの持っていた、丁度プレゼントのような包みをリーベルに渡した。
「・・・え・・・・?」
驚きと疑問を隠しきれないリーベル。当のマリアはやや顔を赤らめさせていた。

「今日、リーベルの『誕生日』なんだよな。僕はプレゼント選びでも手伝ってただけだよ。マリアはちゃんと覚えてたよ。」

そしてフェイトはリーベルに耳うちして、
「(それって『好き』って事なんじゃないのか?)」
それまで俯いていたリーベルが顔をあげる。
「リーダー・・・。」
マリアは顔を赤らめさせながら、
「えと・・・何せ私・・・見ての通り不器用な性質(タチ)でね・・・言葉っていうのはもう少し・・・待ってくれる?」

「・・・リーダーぁ・・・。」
リーベルはペタン、と地に伏して泣きじゃくった。






「それに・・・。」
「?」
「もう・・・『リーダー』じゃなくて、『マリア』でいいわよ。クォークも解散したんだし。」
「・・・え!あ・・・は、はい!!!」
喜びをあらわにするリーベルであった。



「(・・・ってあ・・・あれ!?私これで出番終わり!??!)」



この一件以来、フェイトはリーベルのいらぬ誤解を受けるのを防止する為、マリアとの買い物は極力避けるようになったという。



補足・・・ここ最近ペターニで若い男女がイチャイチャしてたとかしていなかったとか・・・。








END






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