対抗意識思えば、出会った頃は敵同士。どういうわけだか、終戦になった折、一緒に話すようになって・・・そんなに悪い奴じゃないと思ってきたんだけど・・・ こうして一緒にいるからこそ、どうしても感じてしまう。 なんかこう・・・何かあるごとに僕につっかかってくるし・・・時々睨むし、鼻で笑ったりするし・・・。 「もしかして、僕はイザークに嫌われてるのかな。」 思わず僕がつぶやいた台詞を偶然聞いたのはアスランだった。 けど、不思議とアスランは笑っていた。 「そんなわけないだろ。あれはキラをライバル視してるだけだよ。」 場所は変わって・・・テーマパーク、『ファニーシティー』。 再建されたオーブについ最近出来たアミューズメントパークである。 「へぇ~・・・ここ、衣装をレンタルして着れるんだって~!」 第一声はミリィ。昔からこうしたテーマパークが大好きだ。 色々と見て周りながら僕を毎回ひっぱり振り回す。 「ほら!これなんかキラに似合いそう~w」 ・・・別にミリィと一緒に居ることは嫌じゃない・・・それよりも・・・ なんで似合いそうって言ってる衣装がドレス(女物)なわけ????? 「いいじゃねぇか?似合いそうだし。」 そう言ったのはディアッカだ。その顔は笑っている。 確実に面白がっている。 「似合うわけないだろう!!」 そう言ってディアッカの手をはらうと、 「そろそろ自覚しなよ。キラは女顔だって事に」と、いう声が僕の頭の中に響き渡る。 声の主は・・・アスラン。 アスランまで、面白がっている・・・。僕は何だか悲しくなってきた。 「そうだな。似合うんじゃないの?」 カガリまでもがそんな事を言い出す始末。何故か不機嫌そうに。 「ほら~~~!皆が似合うって言ってるんだから~!」 ミリィが僕にドレスを勧める。 しかもそのドレス、既にレンタル手続き完了していたりする。 皆が僕にドレスを着させようとしている・・・(滝汗) こうなったら逃げるかな・・・そう思った矢先、ドレスを奪った奴がいた。 「ふん・・・・。」 それは、イザークだった。 そういえば、こいつはさっきから何も発言していないが・・・・? やっぱり僕を鋭く睨んでいる。僕が何をしたっていうんだ・・・? 「いいか・・・貴様だけだと思うなよ・・・!」 だから何が?そう問いただした後、 ・・・・・とんでもない発言を耳にしてしまうことに・・・。 「このドレスが似合うのは貴様だけではないと証明してやる!!!!」 は? 「いや~・・・。イザークさんは似合わないと思いますよ・・・目つきが・・・。」と、ミリィ。 「お前さんには無理だろう。その目つきじゃあな。」と、ディアッカ。 「う~~~~~~ん。もう少し柔らかい目つきだったらまだマシかもな。」と、アスラン。 ねぇ・・・皆・・・「目つきが悪い」って理由だけなのか・・・。 もっと根本的な問題があるだろう!なぁ! と、僕は思ったがここでこの発言をするのは得策では無いと思い、諦めた。 「そうね・・・・。」ぽつり、とカガリ。 「その白髪にドレスはちょっとその色は似合わないわね~。あと顔の傷も少しマイナスかな。」 ・・・・・・・・だから・・・・・。 ・・・他に問題あるでしょ?ねぇ・・・? 全員から「似合わない」と批評を受け、流石にたじろぐイザーク。 「くっ・・・。」と、苦渋の表情を浮かべて、僕にドレスを投げ返した。 「いいか!これで勝ったと思うなよ!!次こそは貴様に勝ってやるからな!!」 そのまま、どこかへ走り去っていった。 一体、この勝負は何だったんだ・・・? その答えは分からない。ってか分かりたくない。 「はぁ~・・・相変わらずあいつの対抗意識は強いな~。」 「でも、こうしてライバル同士、これから切磋琢磨に過ごすんだな。」 アスランとカガリの発言が頭の中を通りすぎていく。 つまり・・・極論、またさっきみたいな訳のわからない勝負事に付き合わされるって事だろ・・・。 そう悟って・・・僕は泣きたくなってきた・・・・。 END ジャンル別一覧
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