■ボクシング×レスリング÷2=亀田大毅(?)
挑戦者・亀田大毅 VS 王者・内藤大助ダイジェストでしか観てないんだが,いやはや,大変な内容だったね。王者の内藤大助。いじめられっ子だった彼は,それが嫌でボクシングを始める。22歳でプロデビュー。苦節10年三度目の挑戦の末,この夏に王者に。夫婦で月収12万円の時もあったという。そんな彼は,今回の初防衛戦で国内最高齢防衛記録を樹立。ほんとうにシビれたね。ちょっと潤んだね。一方の亀田大毅。試合前から「ゴキブリ」などと散々王者をコケ下ろし,「負けたら切腹する」とまで挑発。三兄弟で常にスポットライト浴びながら歩んできた道。18歳にして勝てば世界王者。最年少記録更新がかかる檜舞台。そんな彼は,今回初の敗北,しかも試合は反則のオンパレード。ちょっとがっかりだったね。ブーイングも,まぁやむをえんのかも。「腹切れ!!」「礼儀を知れ」「切腹しろ~~!!」ものすごい批判が飛び交ってるね。普段からの感情も入り混じっての,野次みたいなものも。亀田家,日本人初対決ってことで,“この試合で大毅の真価が問われる”なんてメディアは言ってた。けど,俺はそうは思わないね。本当に亀田大毅の真価が問われるのは むしろこれから今まで弱い奴ばかり選んできたとか,挑発的なパフォーマンスとか,礼儀がなってないとか。いろいろツッコミ所はあるだろうし,それでもって,あれだけ大口叩いておいて今回負けたとなれば,文句を言いたい連中はさんざんに言える。スッキリ・サッパリ・言いたい放題。大ブーイング祭りだ。でもさ。たしかに彼は生意気だし,礼儀は知らないし,今回イラついて反則はやったかもしれないけど,奴はたかだか18歳の少年だよ。日本中の大の大人が,目くじら立てて感情ぶつけてどうすんだよ。18歳の人格なんてのはサ,彼自身がどうこうっていうよりは,ハッキリいってほとんど親の責任だよ。あのバカ親のね。それに今まで大毅の相手が弱い奴ばかりだったのも,一家の挑発的なパフォーマンスも,みんな周囲のいろんな大人の思惑あってのことでしょ?本人は小さいころから世界目指してさ,「めちゃくちゃ練習やってるから,俺は自信があるんだ」って胸張って言えるほどにさ。死ぬほど練習してきてさ,本人は周りの言葉を信じて死に物狂いでやってきてるんだよ。周囲で文句言ってる大人の中に,そこまで必死に生きてる奴が果たして何人いるよ?そんな18歳の少年が,世界王者が目前っていう檜舞台に立ってるんだよ。それだけでも大変なことだよ。そんなところすら認めてあげようとしない奴等が,「対戦相手のことを敬うべきだ」とかなんとか言ってちゃダメだって。もっと自分をわきまえようぜ。そんな18歳の少年がさ,王者との歴然とした実力差を目の当たりにして焦り,憤ってやってしまった行為。たしかに反則っちゃあ反則だけどさ。ただ,大毅の今までの努力とか,今まで積み重ねた練習とか,これまでに流した汗の量とか,彼のパンチの強さとか,そういう事実は変わらないわけで。今回のことでそういうのが全部吹っ飛んじゃう訳じゃまったくないと思うんだよね。試合内容もたしかにサイテーだよ。「ボクシングじゃない」って言われても仕方がない。でもさ,大口叩いた手前にこのザマで,これ以上ないほどに世間からさんざん言われて,実力差をはっきりと見せ付けられて,本人を落ち込ませる状況としてはこれ以上ないっていうのが今だよ。その中でこれから,強いってことがどういうことなのかを考えて,どうすれば勝てるかを必死に考えて,それを目指して必死に練習して,周囲の雑音などは無視し,すべてをはね返して,このどん底から這い上がってくる奴なのかどうか。そして這い上がったその時に今の彼とどのように変わっているのか。俺はそっちの方が楽しみで仕方がないんだよね。消えていくなら消えていくで,それもまた人生。どん底から登り詰めたら登り詰めたで,本人はもちろん,それを見てる人間まで感動させてくれると思うな。世間を賑わす大ブーイング祭りの真ん中で踊ってるあいだに,せっかくの楽しみを見失っちゃあ損だよね。まだまだ これからだろ(by 海マスター)