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新国立オペラ『夕鶴』。作曲は團伊玖磨。 日本の雪のしっとりたした情景が浮かぶ旋律、そこに“つう”を呼ぶ子供たちの唄う童謡が明るい陽射しのように射し込みます。 機織りの音色の楽器の組み合わせが聴く人の想像力を誘い、見えない鶴の辛く哀しい心情まで映し出していました。 物言わぬオペラの舞台で、最低限でいて最大の効果は舞台美術と照明です。 再演ですが、まだ観たことのない演劇に携わる方々に観ていただきたいと思いました。 既に日本オペラの代表作と言われているようですが、日本が誇る日本人のオペラですね。 指揮・高関 健 演出・栗山民也 美術・堀尾幸男 衣裳・植田いつ子 照明・勝柴治朗 ※公演の詳細は、新国立劇場のサイトで。 (新国立劇場 オペラパレスにて)
えびす組劇場見聞録第36号が出来上がりました。メンバー4人がそれぞれ選んだ作品と評をお楽しみください。 こちらをクリックすると、「えびす組」のホームページに跳んで、お読みいただくことができます。 「えびす組劇場見聞録」第36号は、下記の劇場に設置される予定です。 (劇場への直接のお問い合わせはご遠慮下さい。) ◆世田谷パブリックシアター◆シアタートラム ◆相鉄本多劇場◆テアトルフォンテ ◆シアターサンモール◆タイニイ・アリス ◆駅前劇場◆こまばアゴラ劇場◆シアターX ◆STスポット◆カメリアホール ◆みどり会館◆シンフォニア岩国 ◆山口情報芸術センター◆文学座アトリエ ◆北九州芸術劇場◆七ツ寺演劇情報センター ◆山手ゲーテ座◆にしすがも創造舎 ◆シアターZOO◆横浜赤レンガ倉庫1号館 ◆急な坂スタジオ ◆まつもと市民芸術館◆画廊Full Moon ◆吉祥寺シアター◆川崎市アートセンター ◆王子小劇場◆サイスタジオ◆d-倉庫 ◆アトリエS-pace◆アトリエセンティオ ◆三鷹市芸術文化センター星のホール ◆京都芸術センター◆BankART Studio NYK ◆バサラブックス◆福山市民劇場 ◆神奈川芸術劇場◆水天宮ピット (順不同) 「えびす組劇場見聞録」ホームページ掲載演劇作品一覧も、演劇に興味がありましたらご覧ください。過去に取り上げた作品を掲載しています。 あとがきは、【2010年の一本】 ・・・愛情を込めて、書いています。 劇場に置かせていただいているのは、B5サイズ縦書きの瓦版。 見かけたら、手に取ってみてください。 ※写真は、神奈川芸術劇場2階のチケットインフォメーションエリアに置いていただいた「えびす組劇場見聞録第36号」。 今号はイエローです。お隣は「因幡屋通信」。
帝国劇場100周年記念公演のオープニングは『新春 滝沢革命』。滝沢座長の公演を、初めて観ました。 凄い! 日本のエンターテイメントの最新技術が集結していると思うほどの舞台です。 気付いたら頭上でフライングなど、観客の度肝を抜きつつ、アクロバティックな動きに魅了されます。 15トンの水を使った演出も、どこまでも観客の意表をついて、大満足なエンターテイメントショーが繰り広げられました。 それでいて、スタッフも出演者も息を合わせて人力でやりきる技もあり、温もりのある作品という印象です。 芝居あり、歌あり、ベテランが全体を締めて、クオリティの高がクセになります。 写真のように入場口では、帝国劇場開場100周年を祝う花のアーチをくぐってロビーへ。 劇場へ行くと何かが起きる、予感をさせる演出もお見事でした。 ※公演の詳細は、公式サイトで。 (帝国劇場にて)
最近はツイッターばかりで、こちらのサイトのアップがありませんでした。にもかかわらず、日々見ていただいてありがとうございました。 さて、今年の初芝居観劇は、やはり国立劇場から。 昨年も国立劇場の歌舞伎観劇から始まりました。 出し物は、『四天王御江戸鏑(してんおうおえどのかぶらや)』。 3日初日の国立劇場の様子はNHKで生中継されるため、テレビでご覧になった方も多いと思います。 そのせいか、劇場ロビーはより華やいでいるように見えました。 国立劇場では、初日の出演者挨拶、そして鏡開きの後、開演前に太神楽曲芸協会による「曲芸」が披露されます。 期間ごとの行事が満載で、7日までは獅子舞も披露されていました。 写真のように、取り巻く観客の輪の中で舞っています。 来年こそはご祝儀を持参して、頭を噛んでもらおうと思います。 舞台では菊之助の優美な宙乗りもあり、最後は毎日撒かれる手拭いを飛びつくようにいただき、正月気分を味わいました。 ※『通し狂言 四天王御江戸鏑』公演の詳細は、国立劇場のサイトで。 ※こちらは、初日の鏡開きやロビーの様子。
![]() モーツァルトに扮するのは、右の写真が初演から務めている井上芳雄さん、左が今回初参加の山崎育三郎さんです。 初日は今年デビュー10周年を迎えた井上芳雄さんの日でした。 話は変わりますが、1000文字エッセイを書いています。 原稿用紙にすると、2枚と10行に収まる程度で。 今回は、一観客の目線でその成長を見てきた井上芳雄さんについて書いてみました。 タイトルは、 「プリンスからプリンシパルへ」 「ルドルフが良いらしい」ミュージカル『エリザベート』を観劇した友人の間で噂になった日から、もう10年。初代ルドルフを演じたのは、藝大在学中の学生だった井上芳雄である。今や押しも押されもせぬミュージカル界のスターとなり、長身で細身の可憐な風貌から‘プリンス’と称されている。 当時のミュージカル界では、有名なポピュラー歌手や既にスターとなった俳優が主演を務めることが常であり、若くしてクラシックの経歴を持つ無名の俳優の登用は珍しかった。実力で注目された彼は、デビューから2年後には、音楽の神童とも異端児とも言われたモーツァルトの生涯を描いたミュージカル『モーツァルト!』、初演のタイトルロールに抜擢されていた。初日の観劇者として、瑞々しく新鮮な衝撃を受けたことが忘れられない。 さらに躍進は続く。翌年の2003年には蜷川幸雄演出の『ハムレット』に、レアティーズとして出演を果たした。 経歴だけを見れば、順風満帆な歩みに見える。ところが、ストレート・プレイの『ハムレット』では、演技で定評のある藤原竜也のハムレットを相手に得意の歌声を封じられ、舞台という土俵の上で少々心細そうに映った。 数々のミュージカルの主役、そしてリーディングなど様々な経験を積んだ彼が、時を経て、ついに観客を唸らせた。2009年、井上ひさしの最後の戯曲となった『組曲虐殺』で、彼は主人公の小林多喜二を演じきった。 音楽劇であるが、本質的には演技中心の作品である。警察による拷問で死に至った小林多喜二。虐げられた人々の代弁をし、体を張り、命をかけて主張を続けた芯の強さを見事に表した。カーテンコールでは観客だけでなく、舞台の上の出演者も涙を流して感動を分かちあうほどに素晴らしい出来だった。 そしてデビュー10周年の今年9月、記念コンサートが行われた。彼の代表作が歌で綴られ、その歌に込められた想いが伝わる。井上芳雄は言葉で作品を伝えられるほどの表現者として成長していた。バレエで言うところ同様に、彼にしかできない唯一の最上級の演じ手、という意味の‘プリンシパル’が相応しいエンターテイナーなったのだ。 さて、この11月にミュージカル『モーツァルト!』4度目の幕が開いた。新鮮さから成熟味のある役柄と作品へと、期待が高まっている。
えびす組劇場見聞録第35号が出来上がりました。 メンバー4人がそれぞれ選んだ作品と評をお楽しみください。 こちらをクリックすると、「えびす組」のホームページに跳んで、お読みいただくことができます。 「えびす組劇場見聞録」第35号は、下記の劇場に設置される予定です。 (劇場への直接のお問い合わせはご遠慮下さい。) ◆世田谷パブリックシアター◆シアタートラム ◆相鉄本多劇場◆テアトルフォンテ ◆シアターサンモール◆タイニイ・アリス ◆駅前劇場◆こまばアゴラ劇場◆シアターX ◆STスポット◆カメリアホール ◆みどり会館◆シンフォニア岩国 ◆山口情報芸術センター◆文学座アトリエ ◆北九州芸術劇場◆七ツ寺演劇情報センター ◆山手ゲーテ座◆にしすがも創造舎 ◆シアターZOO◆横浜赤レンガ倉庫1号館 ◆急な坂スタジオ ◆まつもと市民芸術館◆画廊Full Moon ◆吉祥寺シアター◆川崎市アートセンター ◆王子小劇場◆サイスタジオ◆d-倉庫 ◆アトリエS-pace◆アトリエセンティオ ◆三鷹市芸術文化センター星のホール ◆京都芸術センター (順不同) 「えびす組劇場見聞録」ホームページ掲載演劇作品一覧も、演劇に興味がありましたらご覧ください。過去に取り上げた作品を掲載しています。 あとがきは、【納得のいかない一本】 ・・・愛情を込めて、書いています。 劇場に置かせていただいているのは、B5サイズ縦書きの瓦版。 見かけたら、手に取ってみてください。
![]() ◎2010年9月29日(水)~10月3日(日)、相鉄本多劇場にて。 作・演出・椎名泉水 今やその活動から目が離せないのがこの studio salt(スタジオソルト)です。 座付き作家で演出家の椎名泉水、彼女の描く問題の本質から目を逸らさない視点には、潔さ、そして温さを感じます。 そして、毎回この期待が裏切られることはありません。 ここでは、studio salt公式サイトに掲載されている 過去の公演がダイジェストで公開されているサイトをご紹介しましょう。 http://salt4040.seesaa.net/article/163621809.html 最近では、『中嶋正人』『天気のいい日はボラを釣る』が秀作でした。 ※次回公演詳細は、studio saltの公式サイトで。(以下、公式サイトからの転載です) ●スケジュール 2010年9月29日(水)~10月3日(日) 全8ステージ 9月29日(水)19:30 9月30日(木)14:00★/19:30★ 10月1日(金)14:00/19:30 10月2日(土)14:00/19:00 10月3日(日)14:00 ※受付開始は開演時間の60分前、開場は開演時間の30分前です。 ※2日(土)は夜の回の開演時間が他の公演日と異なりますのでご注意下さい。 ★9月30日(木)は昼の回、夜の回共に月末割引 2,500円です。 ☆彼らの舞台裏や、日々の活動がUPされている「塩日記」。 注目のページ欄に掲載しています。
音楽劇『ガラスの仮面』。'08の第1作を見逃したことが悔やまれるほど、3Dならぬどっぷりと作品の渦中にいたような楽しみを味わいました。 まず開演直前のバックステージ見学に参加した時点で、舞台との壁がなくなりました。 その間にも客席から稽古着で舞台に上がる役者たちを見て、観客はこれから彼らによって芝居が作られるということを認識します。 作品(劇画の「ガラスの仮面」)を知る者にとっての楽しみは、劇画の人物の魂をこの目で見て感じられたことでしょうか。 それにしても卓越した原作に甘んじない脚本と演出の素晴らしさ! 私は原作の劇画を知る観客です。 (上の写真のように、芸術劇場のガレリアにて前作、そして劇画と登場人物の紹介がされています) 何の予備知識もなく、この作品に接した観客からは、どう見えるのでしょうか? あまりに具体的に登場人物を知りすぎているあまり、そんな疑問が付きまといます。 ただ一つ言えることは、今日が劇場デビューの女の子は、芝居と舞台が好きになるのに違いない、と思えること。 彩の国ファミリーシアターと銘打ったこの作品は、劇場全体で観客を歓迎しているような演出が施されています。 今回のサブタイトルは~二人のヘレン~ 北島マヤ(大和田美帆)と姫川亜弓(奥村佳恵)の劇中のヘレン・ケラーとしての競演だけでなく、様々な作品が劇中劇として上演される、その芝居も手を抜かない演出と俳優の熱演が見所でもあります。 ※公演の詳細は、彩の国さいたま芸術劇場のサイトで。 原作・美内すずえ、脚本・青木豪、演出・蜷川幸雄、 音楽・寺嶋民哉、美術・中越司、照明・室伏生大、衣裳・宮本宣子 (彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて) ☆作・美内すずえ「ガラスの仮面」(文庫版)白水社 文庫版の最新は第24巻
トム・ストッパード作の、『コースト・オブ・ユートピア』(2009年9月に観劇)同様に、政治色の濃い国で時代に翻弄される人々の生き様を、こちらはロックン・ロールを織り混ぜた戯曲で見せています。私の感覚的にはロックが自由と主張の象徴とされる少し前、の1968年から始まります。 チェコ生まれの作者の想いがヤン(武田真治)に込められているのでしょうか。 時代に飛び込むようなヤンの生き方ですが、特権に甘んじず、流れに身を委ねるように見えて、その実、信念を貫いている姿は、彼の中にある「魂の叫び」を感じずにはいられません。 政府の方針に従わないことで職を失ったヤン。 不器用な生き方かもしれませんが、内に秘める彼の信念、その生き方が観客の心を捉えます。 無念の想いを感じながら黙々と自身の置かれた状況下で生きるヤン、そんな彼の生き様を魅力的に武田真治が好演。 外見にとらわれない大人の内面が滲み出ているようです。 この魂の叫び、生き方、その結果に自由が存在する、これがロックンロールなのでしょうか。 場面の節目にかかる音楽がいいですね。 年号が表示されて流れる音楽に、あの時自分は幾つだった、こんな世の中があったのか、と感慨深く想い馳せました。 20数年に渡る物語は、信念を持つ人々の魂の精神が継がれていくように見えます。 だからこの作品はロックンロールなのだと、その言葉の意味を考えずにいられませんでした。 余談となりますが、ロシア生まれのピアニストであり偉大な指揮者のウラディーミル・アシュケナージ。 6月に彼のトークを聴く機会がありました。 政府による音楽の規制があった若かりし頃、演奏旅行で西側に行った折にレコードを大量に買って帰ったというエピソードが語られたことを思い出しました。 西側にある自由がなぜ自国には無いのか、と、手も足も出ない中、人々はそういう想いを抱いていたことでしょう。そんな時代があったということを忘れてはならないのです。 作・トム・ストッパード、演出・栗山民也、翻訳・小田島恒志、 美術・松井るみ、照明・勝柴次朗、衣裳・前田文子 (世田谷パブリックシアターにて) ※公演の詳細は、ホリプロのサイトで。 ☆「トム・ストッパード(2)ロックンロール」 ハヤカワ演劇文庫
☆「悲劇喜劇 2010年8月号」 『ロックンロール』の戯曲が掲載されています。
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