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2006年05月18日 楽天プロフィール Add to Google XML

『スラブ・ボーイズ』(5/18-6/4)
[ 演劇、観劇 ]    

スコットランドの画家、ジョン・バートンの自伝的作品です。
主人公は、スコットランドのグラスゴー近郊の絨毯製造会社で、低賃金で働く少年たち。

舞台にはスラブルーム一部屋のみ。舞台前方が廊下という設定で、部屋を出入りする人々が、右へ行くか左へ行くかで、観客は部屋を出た彼らがこれから何をするかを想像することができます。
デザイナーのための絵の具を作るスラブルーム(顔料から絵の具をつくる作業部屋)で働く3人の少年たち、スラブ・ボーイズ。
朝から晩まで金属のヘラのようなものを使って顔料と水とガムをこねて、発注された絵の具を作るのが彼らの仕事です。
彼らの上司もかつてはスラブルームにいました。いわば、誰でも一度は通る修行の場、というところでしょうか。
当の彼ら3人は、どう観ていても仕事の成果物より、おしゃべり、喫煙、そして席をはずす用事の方が多いのです。

昨日は母親がまた自殺未遂騒動で警察まで来て大変だったよと語るフィル(山崎雄介)、フィルといつも戯れているスパンキー(進藤健太郎)、2人の会話から取り残されているヘクター(倉本朋幸)。
ある日、どこから見てもエリートの好青年アラン(河合龍之介)が、この会社の新入りとしてやってきます。案内人の都合で、しばらくスラブルームに置き去りにされた彼。そこでスラブ・ボーイズの面々から、仕事、だけでなく彼らにとって今何が一番の重要な問題であるのか、何が大切なのかを思い知らされることになります。

彼らはなんて不器用で、屈折した友情の表現しかできないのだろう!

面白いのは、アランが彼らの仕事に関心を示し、彼らの境遇をアランなりに理解しようとする姿勢の人間であること。
そして、スラブ・ボーイズが各々部屋に一人になったとき、彼らのちらりと見せる人物像が、実はストーリーの展開に大きく影響しているということです。
彼らの若いエネルギーが作り出し、積み重ねて来た過去があって存在する、今日一日の出来事。
彼らと一緒に人生のターニングポイントに立って、自分自身の生き方を見つめ直してしまいます。
帰り道、そんなことを考えていました。

13年前にパルコ劇場で、ロバート・アラン・アッカーマンの演出により男闘呼組の主演で上演された作品でもあります。
ジャニーズにも明るいえびす組のコンスタンツェは、さすが。ちゃんと観ていました。
当時スパンキーを演じた高橋和也も、客席から見守っていました。(今回のメンバーと彼の交流の模様が、台本付きプログラムに掲載されています)
この作品には、舞台経験のある俳優から、映像で人気の俳優まで、オーディションで選ばれた若手の俳優が挑んでいます。
若手のエネルギーと行き場のない寂しさが、ここベニサンピットに、ぎゅっと詰まっています。

作・ジョン・バーン、演出・千葉哲也(初演出!)、美術・萩野 緑、照明・深瀬元喜、音響・木暮拓矢、衣裳・原まさみ

T.P.T.
(ベニサンピットにて)



最終更新日  2006年05月20日 00時23分12秒
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