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演劇、観劇のカフェ

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cms@ebisu

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2006.06.16
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いよいよ初日。
実はプレビューで、かなり出来上がっていた作品です。
マッドネスの楽曲を聴き込んで観る、ということをしました。作・ティム・ファースの作品だけでも興味深いストーリーです。

ロンドンの下町に住むジョー(中川晃教)は、16才の誕生日に恋人のサラ(池田有希子)と特別なデートをしようとカムデン運河の眺めの良い工事現場に出かけます。入れば不法侵入。意を決した彼は、柵を破りサラを招き入れるのですが、そこへ警察が!
犯罪を犯し、後悔した父親の亡霊(今井清隆)が、そんなジョーに2つの生き方を歩ませます。
素直に警察に捕まったジョーと、逃げ延びたジョー。
彼の5年余りの生き方が綴られます。
この対極の選択が、彼の人生にどんな影響をもたらすのでしょうか?

ジョーの人生が、同時に2パターン交互に披露されていく。これぞ舞台の醍醐味!
捕まったジョーは、周囲の人々からも厳しい仕打ちを受け、一方逃げ延びたジョーは、世を渡るための汚いやり方にも目をつぶることができる人間へと変貌を遂げ・・・。

ストーリーはこれくらいにして、見所を。
ジョーの周囲の人々の接し方が興味深いです。
演出は、ミュージカル初演出のG2。芝居の部分で魅せてくれます。
二人の、いえ、2パターンのジョーに対して、家族や親友の接し方が「微妙」に違うのが、リアリティがあっていいですね。

それからサラ。
どちらのジョーに対しても注がれる愛情に説得力を感じます。
想いを語るサラを演じる池田有希子のその秀でた歌唱は、聴くものの度肝を抜かれるくらいに切なさ、真剣さを歌い上げます。

ワルのリーシーも、どちらのジョーにもアプローチしてきます。でも憎めない、というか、その登場が楽しみでならないのは、16才から演じる池田成志の思い切りの良さと存在感でしょうか。
ジョーが彼を受け入れるか、拒否するかで、運命は大きく変わっていく。そんな重要な役所ですが、あっという間に観客を虜にしていきます。

そしてなんと言ってもジョーの二役。あんなに早く変わるのに、前の顔を引きずらない中川の芝居心に魅力を感じます。
ジョーとサラの心が通い合ったと感じる場面、「IT MUST BE LOVE」の歌にのせて。観客の心まで通ったような感動。もう一歩踏み込んで観たい方には、やはりマッドネスの楽曲を聴いてから観ることをオススメします。

プレビュー公演時より、メインキャストもアンサンブルも、遥かに表情豊かにメリハリのある舞台になりました。
更に伸び伸びと演じられた時、筋書き以上のドラマが生まれそうな作品です。
その変化を楽しみに、終演後のロビーではリピーター割り引きチケットの販売に、観客が鈴なりになっていました。

作・ティム・ファース、音楽・マッドネス、演出・翻訳・G2

(新国立劇場 中劇場にて)

プレビュー公演の時に紹介した、
◆出演者による公式ブログ「アワ・ブログ
◆出演者のミュージカル俳優 小西のりゆき によるブログ「One Voice
まだまだ更新されています。


☆このミュージカルの元となる楽曲、マッドネスの「OUR HOUSE」の曲を収録。
(劇場でも、このCDとは異なりますが、マッドネスの「OUR HOUSE」CDを販売しています。)
【Rock/Pops:マ】マッドネスMadness / Millennium Collection (CD) (Aポイント付)





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最終更新日  2006.06.17 12:08:21
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