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cms@ebisu

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2006.11.05
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昨年12月1日に作品の全貌を公開する記者発表に参加して受けた印象とは想像を絶する作品を目の当たりにしました。
形式としてはまるでオペラを観ているようでした。場面が一曲の歌で綴られて物語が進行して行きます。
このキャストがいかにこだわりを持って選ばれたのかをよく理解できました。

あまりにも有名なフランス王妃であったマリー・アントワネット(涼風真世)と、貧しい市民マルグリット・アルノー(Wキャスト・11/5新妻聖子)。
栗山演出は、感情の伏線があって、要所要所でその人物の持つ溢れ出る感情をミュージカルナンバーで一気に爆発させ、それが時の流れを象徴しているように見えます。
※「100万のキャンドル」というナンバー、世界を動かすことのできない貧しい市民の叫びを、マルグリットが地面に這いつくばって歌う場面があります。彼女のどん底の野良犬よりも低いところで生きている姿に心が揺さぶられました。
その後、マルグリットは※「心の声」を歌い立ち上がります。貴族に踏み付けにされた市民を従えて。(※ミュージカルナンバーは、東宝のサイトで視聴できます)
しかし、彼女は革命の象徴というわけではありません。
時代こそ革命という大きな流れの中にありますが、マルグリットがマリーを一人の女性として見つめた時、ただの歴史物語や華やかな王妃の物語ではない、彼女の葛藤の物語が始まったように思いました。

王妃の愛人と言われるフェルセン(井上芳雄)、国王ルイ16世(石川禅)、国王の座を狙うオルレアン公(高嶋政宏)、王政に意義を唱えるロベス・ピエール(福井貴一)、彼らの発する言葉は多くありませんが、時と世の流れをその存在が代弁しています。
錬金術師として怪しい魅力を放つカリオストロ(山口祐一郎)。残念ながらマリーとマルグリットとの絡みでその存在の価値が今一つはっきりしなかった感がありました。

この作品は、遠藤周作の「王妃マリー・アントワネット」を原作にしています。
正直言って、3時間10分という上演時間は、原作を表現するにはあまりに短いものでした。
しかし日本の大規模な商業演劇としてのミュージカルに、徹底した芸術性を持って臨んだ作品の登場という点で、この業界に一石を投じる存在になることでしょう。
作詞・作曲はウィーンミュージカルの巨匠が手掛けていますが、日本初演の作品を栗山民也が演出、その他日本のスタッフで構成されています。
斬新な舞台美術をはじめ、いい意味で日本の舞台を感じさせるものがありました。

---以下、少々ネタバレコメントです。---
一幕では二人の境遇がそれぞれの視点から描かれていたものが、二幕では断頭台への道を急な坂道を転がるようにして落ちて行くマリーに対して、貧しい市民を人間として扱っていなかったからその報いだ、と憎しみはそのままに、マルグリットがマリーを一人の女性の視点で見つめるように描かれていることに興味を持って観ました。
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原作・遠藤周作、脚本・歌詞・ミヒャエル・クンツェ、音楽・シルヴェスター・リーヴァイ、
演出・栗山民也、美術・島 次郎、照明・勝柴次朗、衣裳・有村 淳

(帝国劇場にて)
2007年福岡、大阪公演の後、4月、5月に再び帝劇に作品が帰ってきます。
詳細は東宝のサイトで。

☆遠藤周作・原作『王妃マリー・アントワネット』新潮社
王妃マリー・アントワネット(上巻)  王妃マリー・アントワネット(下巻)





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最終更新日  2006.11.07 01:59:01
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