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cms@ebisu

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2007.07.27
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カテゴリ:演劇、観劇
役者が変わって、ロンドンバージョンも残すところわずか29日までの上演です。
こちらも日本バージョン同様に、立ち見が出るほど盛況でした。

さて、脚本の大筋は同じですが、セットが大きく異なります。
日本のが隠し、壊すセットだとすると、ロンドンのは見える、見せるセットです。
人の出入りや壁の向こう側まで、時には透かして見せてしまいます。

このロンドンバージョンは全編英語のセリフで、ステージの両側に字幕が出ます。
自宅に脱獄犯が押し入った家の主人、男性の会社員ですが、演じるのは女性(キャサリン・ハンター)であり、逆に井戸に家を占拠される脱獄犯の妻には男性(野田秀樹)が扮しています。

言語も性別も、英語に長けていない観客にしてみれば、抽象的に物語が受け取れてしまうのですが、その分、聴覚、特に視覚に訴えるものが多く感じられました。
野田の扮するストリッパーの女性は、日本バージョンの秋山菜津子がさばさばと演じていたのとは異なる、「女性」を様式的に捉えた佇まいが印象的です。
体格はどう見ても‘そそられる’ことからはほど遠いはずなのですが、座り方、手の動き、目線、表情、それらが艶めかしく映ります。
例えるならば、歌舞伎の女形のような様式でしょうか。

多くを語らない野田のその姿から得たのは、女性の悲哀と母性。

一方、井戸に扮したキャサリン・ハンター。
犯人への報復のつもりが互いに仕返しをしあう状況となる哀しみを表情で見せる、その一瞬のインパクトの強さに胸が締め付けられるようでした。

この2作の上演に関連を持たせるならば、日本バージョンが暴力的な悪夢だとすると、ロンドンバージョンはそこから生じた哀しみの悪夢のようでした。

ロンドンバージョンの主演者は、キャサリン・ハンター、トニー・ベル、グリン・プリチャード、野田秀樹

NODA・MAP番外公演/世田谷パブリックシアター提携公演
原作・筒井康隆、脚本・野田秀樹&コリン・ティーバン、演出・野田秀樹
美術・衣裳・ミリアム・ブーター、照明・リック・フィッシャー、音響・ポール・アルデイッティ、制作協力・SOHO THEATRE

※公演詳細は、世田谷パブリックシアターのサイトで。

(シアター・トラムにて)※写真はシアタートラム概観

☆著者・筒井康隆「傾いた世界 」新潮文庫
 この作品の原作、「毟りあい」を収録。
 

☆「新潮 2007年7月号」、戯曲『THE BEE』を掲載。
 詳細はAmazonのサイトで。
 劇場ロビーで販売しています。





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最終更新日  2007.07.28 11:06:51
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