|
カテゴリ:演劇、観劇
泉鏡花作品の上演は、7月の歌舞伎座だけではありません。
6月には新橋演舞場では昼の部で『婦系図』が新派120年の記念公演の一つとして上演されています。 新派の舞台を初めて観ました。(公式サイトに「新派の誕生」が掲載されています) そのきっかけは、歌舞伎から。 昼の部には歌舞伎俳優の片岡仁左衛門が、そして夜の部の『鹿鳴館』には市川團十郎が出演しています。 新派については不勉強ですが、現代劇を様式にのっとって演じるところが歌舞伎と同様の印象を抱きました。 それもそのはずで、プログラムによると、新派とは‘旧派(歌舞伎)に対する言葉で、明治に生まれた新演劇のことである。明治30年代からこうした呼び方が生まれた’そうです。 新派という組織に属する俳優だけで演じられる様も、似ています。 プロフィールによると、「幹部昇進」という言葉があり、役が芸と結び付いているのを感じました。 大きな役の役者には、大向こうさんから声がかかります。 仁左衛門は「まつしまや!」ですが、波野久里子には、「なみの!」と、名字で声がかけられていました。 そういえば先日観た『ヤマトタケル』に歌舞伎俳優とともに金田龍之介も出演していて、「かねだ!」という声が聞かれました。 さて、この『婦系図』で仁左衛門が演じるのは、早瀬主税。 恩師に隠れて、元芸者のお蔦(波野久里子)と暮らしています。 恩師の娘の身元調査に腹を立て、その縁談を認めない早瀬。 早瀬とお蔦の関係を根底に、今を生きる男女の運命を、タイトルにもあるように登場する女性の系図=過去が彼らを捉えて、その生き方を左右しているように見えました。 様式美あふれる舞台には、粋なセリフと人々の潔い振る舞いが心地良く感じられます。 作・泉鏡花、演出・大場正昭、補綴・齋藤雅文 ※公演詳細は、公式サイトで。 (新橋演舞場にて) ☆作・泉鏡花「婦系図」新潮文庫 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.10 00:03:10
[演劇、観劇] カテゴリの最新記事
|