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テーマ:救急の現場より(9)
カテゴリ:救急救命
先週の木曜の夜の救命当直日誌を遅くなりましたが書き綴ります。 というのも、昨日の大学の授業のスライドの作成等々で日記を書く時間が無かったのです 昨日は実習の授業で、急性薬物中毒についての講義を私がするのです。 みなさん信じられますか 講義をした後は、各班に分かれて想定訓練を行うのです。 学生が3人1組で救急隊を組み、模擬患者さんを前にして観察、処置を行い、現場到着から病院へ搬送するというところまでするのです。 薬物中毒の人は病院にいると高い割合で搬送されてくる 木曜日にも薬中のひとが運ばれてきましたとも・・・ うつ病の30代の女性。来て早々車椅子の車輪をパンクさせてしまったという大物。睡眠薬を大量に服用していて、意識がないというよりは「爆睡中」 態度もでかいし、体型もでかい!推定100kgオーバー!勘弁してください。 旦那さんが付き添いで来ていて、見ると普通の人。 そのまま入院になることに・・・ 薬中の患者さんの99%といっていいほど、精神科の病気をもった人で重症例では死に至ることもあるんですよね。 こういう人たちの活動時間は人様が寝静まった頃に活動を始めてしまうんですよね。 こういう時間にいっぱい飲んじゃうんです。 よって搬送されてくるのは夜中。 勘弁してください そういうちょっとご迷惑な患者さんもいたりするけど、救命はドラマのように感動の場でもあるんですよね。 この日心肺停止で運ばれてきて蘇生し、入院した50代後半の男性がいたんですよね。 癌で脳にまで転移している患者さんが。 蘇生はしたのですが、家族がもうこれ以上積極的には治療しないで下さいというDNARの患者さんでした。 この患者さんの脈拍がどんどん遅くなってきて、ついに心拍がなくなりモニターがフラットになってしまったのです。 息子さんと奥さんが患者さんのところに呼ばれ、蘇生処置をするか否かの確認をしたところ、もう一人家族が来るまで蘇生処置をしてくださいとのことです。 そこに私を含め、消防の方で研修に来ている人達が呼ばれました。心マ隊です なんともう一人の家族が来るまで1時間はかかるとのことです。 正直1時間の心マはハードです。しかし、最後に家族に会わせてあげるというのも我々の使命であるのだと思います。 たとえ、社会復帰できないにしても、一時的に蘇生をして、最後の時間を家族と一緒に過ごしてもらうのも大切であると思います。 この1時間の心マの間にドラマのような光景が・・・ 「お父さん頑張って!」 「あなた大好きよ」 「また一緒になりたわ」 「またお父さんの子で生まれてくるよ」 「楽しい時間をありがとう」 「一緒に孫の顔を見よう」 「ありがとう」 もう一人の家族が来るまで家族の優しい言葉が続きます 心マをしながら目から涙が・・・ でも家族の前で涙は見せられません そこにもう一人のご家族が到着 到着したところで家族が「ありがとうございました、感謝します」とおっしゃり、心マを止め死亡確認となりました 患者様のご冥福をお祈りいたします もう一人の家族が来るまで家族の優しい言葉が続きます 心マをしながら目から涙が・・・ 汗も何_出たことか・・・ でも家族の前で涙は見せられません そこにもう一人の家族が到着 到着したところで家族が「ありがとうございました、感謝します」とおっしゃり、心マを止め死亡確認となりました この方のご冥福をお祈りいたします でも、この患者さんの最後に立ち会えて、よかったと思う この患者さんは幸せな人だと強く思った 家族にホントに愛されていたんだと その人が生前どんな人だったかというのは、亡くなった時に伝わってくる。 そんな悲しみの中、感動の中、同じ部屋の隣に寝ているのは、、、 冒頭に書いた、巨漢の薬中 勘弁してください いびきをかいて寝ています。 カーテンを引いて隣は見えないようにしたのですが、いびきが・・・ もう台無しです あとは、意識障害で脳梗塞疑いの70代男性 と 心肺停止の80代男性がきました。 まあ、忙しい1日でしたね 救命当直日誌 其の1はこちらから 救命当直日誌 其の2はこちらから ※患者様のプライバシーの保護にあたり年齢等一部変更している箇所があります。 ご了承ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.06.26 01:28:29
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