お互いの故郷への旅-オーストラリア編ー

香港で乗り換えもして、着きました、オーストラリア、ブリスベン空港。さ、彼は、と。。。
いない。。。あれえ？何で？ここで待っててくれるはず。と、きょろきょろしていると、一人の外人が近づいて来て、私の名前を呼んだ。で、自己紹介をした。ああ、彼の友達だとかで会う予定だった彼だ。名前は聞いてたけど。なぜ？なぜ？聞いてみると、

「彼はバリ島で食あたりになってベットから起きれないので、飛行機に乗れなかったそうだ。来るのはあと３日後になるから、僕に君の世話をして欲しいと電話があったんだよ」

と言う。え、どうしよう、と思ったけど、他に知り合いも誰もいないし仕方が無い。彼と連絡取れるまでこの人のお世話になるしかないようだ、と思ってお願いした。
ゴールドコーストの綺麗で安めのモーテルまで送ってくれて、とりあえず今日は休んで、もしどこか歩いて行きたかったらどこどこは安全だから、明日また来るから、とその友達は帰っていった。
と、しばらくして、モーテルのおばさんが、電話だよ、という。
バリ島で病気の彼からで、謝り、なんとか３日後の便には乗って行くから、どうか友達と楽しんで欲しい、という。心細い。。。

彼の友達はすごくいいひとで、テーマパークやらいろいろ観光場所に連れて行ってくれた。なんせ英語はまだまだわからないので、目的地に行くまでどこにいくのかわからず、ってこともざらにあったけど。一度など、夜にご飯を食べた後、どこかに行こうと言ってるのは分かったけど何か分からず、なんか懐中電灯持ってるなあ、と思ったら、実はコウモリが何百匹といる洞穴だったということもあった。全身鳥肌。。。

３日待っても彼は来ない。飛行機に空きがなかったと言う。お金もなくなってきてたので、彼の友達が自分のユニットの客間に泊めてくれることになった。私の休みは１週間なのに。。。

やっと彼が着いたのは５日目の朝。直接友達の家に来た姿を見たときは、本当に嬉しかった。残り二日だけどレンタカーでユーノスロードスターも借りたし、楽しもう、ということになった。

その日、彼が両親に電話して着いたと言うと、会いにくると言う。友達は仕事だけど、妹も来るからご飯を食べようということになった。ああ、何を着よう、カジノ用に持って来てたちょっと気取ったワンピ？と悩んでいると、友達と彼は、

「何悩んでるの？こいつの両親に気を遣うこと無いよ」
「そうだよ。俺の両親はワーキングクラスだよ」

という。普通目のコットンのワンピにした。
この日，後に姑と舅になる彼の両親に初体面した。ママは息子をキツくキツく抱きしめて、一年ぶりの再会を喜んでいた。
よかったよ、二人ともジーンズだし、派手目のワンピースを着てる女の子を、あれは売春婦なのだと教えてもくれたし。。。
妹もやってきて、レストランへ。

妹が

「今日も朝から××で、疲れちゃった」

と話すけど、××の意味が分からない。彼に聞くと、

「今ね、妹は『今日も朝からエッチしまくって疲れた』って言ったんだよ」

と言い、妹にも訳して聞かせた。妹は大笑いで、

「そうそう、いつもしてますうー、さっきもしたのー」

と言う。絶対嘘。。。
まあ、からかわれたわけだけど、なんかいい感じだったし、兄妹や親子でこういう話が開けっぴろげにできる関係っていいなあ、と思った。

オーストラリアは、お酒を出せないレストランが結構あって、そのときは近くの酒屋で買って持ち込む。そのレストランもそうで、酒屋はボトルショップと呼ばれる。で、ボトルショップにママが行くと言うと、彼が私に一緒に行ったらどうだ、と言う。ついていって、緊張しながら会話とも言えない会話を交わした。でも、私はママがすごくいい感じのひとだなあ、と思った。後で聞いたら、彼が、

「うちのママが、君のことをすごくいい子だって言ってた。いったい何話したの？」

と不思議がってたから、お互い相性がよかったんだろうな、と思う。

さて、名残は尽きないけどもう帰る予定の日。でも、当時彼は日本で病院にかかったことがなく、バリで起こした食中毒もあるし、病院で検査してもらってから行くことにした。結果は問題なかったけど、思ったよりも時間が。。。だいたい医者とのアポの時間も遅かったし。その前に彼が

「恋人のペアの指輪を買おう」

って言ってくれて買ってくれたのに舞い上がってしまっていたのもあったんだけど。
友達が車で全速力で送ってくれたのだが。。
キャセイパシフィックのカウンターに着いたら、５分前に閉めたという。そんな、そんなー、とダダをこねたけど、こういうとき強い中国人（当時はまだ香港人）。

「ダメです。でも特別に２日後の便を予約してあげるわ」

嘘でしょ。オーバーブッキングだったのね！だから何も追加とらずに後のが予約できるのね！と思ったけど後の祭り。
言われるままに２日後の便を予約して。
国際電話で会社の後輩と親に電話。

二つとも大怒り。。。。ああ、どうしよう。