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智志(satoshi1994)@ なんという俺ホイホイ >恐竜が好きか、陣取りが好きか、ハイレ…

 

はじめに――このブログの概要

 筆者の目的は、プレイしたゲームの個人的感想や、ルールを翻訳したゲームの第一印象などを心のままに書き殴ることです。勝利のためには、異なる感想を持つ閲覧者に気を遣う余裕はないでしょう。しかし安心してください。たとえゲームの感想が否定的であったとしても、それはそのゲームをプレイした閲覧者やその友人、そのゲームのデザイナー、パブリッシャー、販売ショップその他を否定するものではないのです。

 閲覧者の目的はさまざまです。閲覧者はアクションポイントを消費したり、ワーカーを置いたりすることなく、自分と同じ感想に同意したり、異なる感想に反感を持ったり、まだ日本で発売されていないゲームの(かたよった)情報を仕入れたりすることができます。勝利条件は2つです――このブログを見て楽しむか、この楽しめないブログを二度と見ないかです。コメント欄を荒らしたり、巨大掲示板で陰口をたたいたりすると、一時的には優位に立つことができますが、最終的には損害を被るでしょう。ワレスゲー以外で借金するようなものです。

 それでは筆者の書き込みから始めて、閲覧者は任意の順番で日記を読みましょう。

[全202件]

2013.06.11
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【ゲーム紹介】ファントム・ソサエティー(The Phantom Society)  

カテゴリ:和訳

ボックスアート
ファントム・ソサエティーボックスアート.jpg

ゲームボード類
ファントム・ソサエティーゲームボード1.jpg
 デザイナーはFrédéric ColombierとHervé Marly。Frédéricはこれがデビュー作で、Hervéは「髑髏と薔薇」や「ミラーズホロウの人狼」の作者。どうもブラフ要素や推理要素の入ったゲームが得意なようで、今作は2チームに分かれての推理ゲームとなってる。パブリッシャーは「東海道」を出したフランスのFunforge。

 舞台はスコットランドの邸宅ホテル(貴族の邸宅を宿泊施設に改装したもの)。この邸宅、古いウィスキー醸造所跡の上に建っているのだが、どうもそれが癇に障るらしく、4人の幽霊たちが夜な夜な部屋を荒らし回っていた。これじゃ商売にならないので、オーナーはゴーストハンター組織の「ファントム・ソサエティー」に幽霊退治を依頼した……のだが、基本的にこいつら脳筋なので、幽霊退治のために幽霊と同じくらいに部屋を破壊してしまうというw
 プレイヤーは幽霊チームとゴーストハンターチームに分かれ、部屋を破壊しまくって規定額の損害を与えたら幽霊チームの勝ち。そうなる前に4人の幽霊を発見したらゴーストハンターチームの勝ち。

 ゲームボードはボード4枚からなる組み立て式で、上図のように穴だらけになってる。各プレイヤーは4色9枚の部屋タイルを1色持ち、ボード上に1枚ずつ置いていく。

C:\fakepath\ファントム・ソサエティー部屋タイル.jpg
 部屋タイル。左下の数字は部屋の価値(単位:1000£)を表している。

 全部の部屋タイルを置いたら、ハンター側のプレイヤーは目を閉じる。幽霊側プレイヤーはそれぞれ2人の幽霊を担当し、その幽霊タイルを部屋タイルの下に隠す。幽霊タイルの色は部屋タイルの色に対応しており、同じ色の部屋タイルの下にしか置けない。

C:\fakepath\ファントム・ソサエティー幽霊タイル.jpg
 幽霊タイル。色違いなだけでなく、ちゃんと描き分けてるところが細かい。

C:\fakepath\ファントム・ソサエティー幽霊タイル2.jpg
 こんな感じで、秘密裏に同色の部屋タイルの下に隠す。

ファントム・ソサエティーゲームボード2.jpg
 幽霊タイルを隠してる途中。場所を忘れるとゲームにならないのでご注意w

 4枚の幽霊タイルを隠し終わったらゲーム開始。まずは幽霊側プレイヤーの1人が、自分が担当してる幽霊の1人(どちらでもよい)に隣接(斜め可)してる部屋タイル1枚を破壊する。その部屋タイルは脇によけておき、その数字分の損害が邸宅ホテルに与えられたことになる。

 次にハンター側プレイヤーの1人が、任意の部屋タイルをめくって幽霊を見つけようとする。見つかった場合、その幽霊は捕獲されたことになり、それ以降はもう部屋を破壊することはできない。このときは「部屋は壊れちゃったけど、幽霊を見つけるためには仕方のないことだった」ということになり、その部屋タイルの分は損害に加えられない。しかし幽霊が見つからなかった場合、その部屋タイルの分も損害に加えられてしまう。そりゃそうだ、壊したのが幽霊だろうがゴーストハンターだろうが、壊れたことには変わりないしなw

 基本的にはこれを繰り返すだけ。幽霊は移動しないので、これだけだとあっという間に見つかってしまい、ゲームにならない。そこでゴーストハンター側の記憶を混乱させるためのルールが1つ用意されてる。幽霊は隣接する部屋タイルのほか、「空きマスだけを通過して一直線に到達できる部屋タイル」も破壊できるのだ。

C:\fakepath\ファントム・ソサエティー破壊1.jpg
 部屋の破壊の例。赤の幽霊が右上隅の部屋の下に隠れてる場合、最初は矢印で示された3枚の部屋タイルしか破壊できない。幽霊の色は赤だが、破壊する部屋タイルの色は何でもいい。

C:\fakepath\ファントム・ソサエティー破壊2.jpg
 上から2段目、右から1列目の青のタイルを破壊したら、次の手番以降、赤の幽霊は矢印で示されている緑のタイルも破壊できるようになる。

 3、4人プレイでは幽霊側プレイヤーが2人おり、どちらがどの色の幽霊を担当しているかは分からない。手番ごとに同じ幽霊を連続して使ってみたり、逆に交互に使ってみたりすることで、ある程度は幽霊の位置を絞りにくくすることができるだろう。

 幽霊側が45000£分の部屋を(ゴーストハンター側が破壊した分も含めて)破壊したら幽霊側の勝ち。そうなる前に4人の幽霊の位置がすべて特定されたらゴーストハンター側の勝ち。

 上級ルールでは、まず最初にチームを決め、チームごとに幽霊側の目標額を提示して、より高額を提示した方が幽霊側プレイヤーとなる。ただし、実際の目標額はより低い額、つまり相手チームの提示額となるところがミソ。ハンター側になりたいからといってあまりに低すぎる額を提示すると、幽霊側となった相手チームに悠々と目標額を達成されてしまうわけだ。

ファントム・ソサエティー目標額カード.jpg
 目標額カード。数字が1桁のものは万の位のカードで、4桁のものは千の位のカード。この2種類を1枚ずつ出して5桁の目標額を提示する。たとえば左端のカード2枚を出した場合、目標額は52000£となる。目標額カードはチームごとに1セットずつあり、各セットの千の位が奇数と偶数に分かれているため、目標額が同値になることはない(上図は偶数カードのセット)。


 まあ、軽い。訳しといてなんだが、明らかにノットフォーミーw 幽霊側がかなりきつそうな気がする。だって幽霊は移動しないんだから、ハンター側は1手目に最低でも1/8の確率で幽霊見つけちゃうからねw とはいえ、もしかしたら45000£という目標額の設定が実に絶妙で、幽霊側にも充分な勝機があるのかもしれない。別に幽霊が3人見つかっても目標額に到達すればいいわけだし。部屋タイルの価値は1000~6000£だから、タイルの初期配置と幽霊の初期配置で知恵を絞り、5000と6000のタイルを4枚ずつ破壊できれば、あと1000£……意外にいけるかもw

 公称プレイ時間20分のチーム戦だから、相談しながら軽ーくプレイし、途中でぽろっと幽霊の位置をバラしちゃったりして「なにやってんだよお前!」「うっせーばーか、俺の方が価値の高い部屋破壊してんだから文句言うな!」とか、自信満々で価値の高い部屋に幽霊が潜んでると推理したのに外しちゃって「なにやってんだ(ry」「うっせーばー(ry」などと騒ぎながら遊ぶゲームなんだろうw そういうのがイケる口ならありかもね。IELLO扱いもあるので国内流通も望めそうだ。

BGGの和訳ルール






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Last updated  2013.06.19 00:01:36
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2013.06.09

【ゲーム紹介】ギアワールド:ボーダーランド(Gearworld: The Borderlands)

カテゴリ:和訳

ボックスアート
ギアワールドボックスアート.jpg

ゲームボード
ギアワールドゲームボード.jpg
 デザイナーはBill Eberle、Jack Kittredge、Peter Olotkaの3人。70年代からおおむねこの3人で一緒に活動してるようで、代表作は「デューン」「コズミック・エンカウンター」「クァークス」など。近年再評価されてるのか(それとも別の理由があるのか)、これらの古い作品が再版されている(「デューン」は「レックス:帝国最後の日」となって「トワイライト・インペリウム」世界に組み込まれた)。パブリッシャーはこれらの再販を行ったFantasy Flight Games。今作もそのようなゲームの1つで、1982年に発売された「Borderlands」のリメイク。旧版は架空の大陸を舞台とした中世風の設定だったが、今作では最近の流行り(だと思うが)であるスチームパンク風世界観を取り入れ、いくつかの追加要素が付加されている。

 昔々、地上には石炭と歯車ベースの超大型機械があふれかえり、文明は繁栄していた。しかし、やがて大気汚染が深刻となり、一部の人々は雲の上に飛行都市を造ってそこに避難。逆に地面を掘り進んで地下世界に逃げた人々もいた。割を食うのはいつだって行動を起こさない連中で、地上(ここが“ボーダーランド”と呼ばれるようになる)に残った人々は文明崩壊後の世界で動かなくなった機械から屑鉄を集め、頭上の飛行都市から投下される食べ残しの食料や乏しい必需品で生きながらえてた。
 しかし飛行都市の連中(“スカイ・ピープル”と呼ばれる)も安泰ではなく、都市建造時に蓄えてた莫大なエネルギーがいよいよ底をつき始め、ケツに火がついた。知恵を絞って彼らが思いついた対策は「エネルギーがないなら地下から持ってくればいいじゃない」というもの。地下の炎(たぶんマグマとかのことだろう)からエネルギーを取りだして飛行都市まで運ぶシステム、その名も「スカイワーク」を作ることにしたのだ。とはいえ自分たちで作るのはダルいので、「お前らこれ作れよ。そしたら俺たちスカイワークの近くに集まって、そこから食料とか投下してやるからさあ、俺たちによし、お前たちによしでWIN-WINじゃん?」という感じでボーダーランド人に設計図だけ与えることにした。まさに上から目線w しかしスカイ・ピープルのいう通り、ボーダーランド人としては自分たちの頭上にスカイ・ピープルが集まってくれるならありがたい限りなので、競ってスカイワークの建造に乗り出したのだ。

 ……てな感じの背景設定で始まるのだが、ゲーム自体はいたって普通な陣取り&生産/建設&殴り合いゲーム。地域を支配して、その地域が生産するものを得て、それを他プレイヤーと交易したり、他の地域に輸送したりして、さまざまなものを建設する。地域の支配は殴り合いによって奪ったり奪われたりする。各ラウンド終了時にスカイワークを3基以上支配しているプレイヤーがいたらそのプレイヤーの勝ち(引き分けありかなしかはゲーム開始時に決めておき、なしならスカイワーク数が単独最多プレイヤーの勝ち)。

 このゲームでは、ゲーム開始前に全プレイヤーが任意の地域に支配マーカー(プラスチック製フィギュア)を1個ずつ置いていく。なんとこの手順を“すべての地域”が埋まるまで繰り返す。つまり、このゲームに“空いている地域”というものは存在しないのだ。これは陣取り要素のあるゲームとしては珍しいんじゃないかな。デザイナーによる「これから皆さんに殺し合いをしてもらいます」という明確な意志が感じられるw

ギアワールドフィギュア.jpg
 支配マーカーとして使うフィギュア。ボード上を動くことはないのでトークンで充分なのに、フィギュア。無駄に高いクオリティw

 各ラウンドは製造フェイズから始まる。1ラウンド目は何も製造できないが、2ラウンド目以降は各地域にある資源を使って武器、スカイワーク、川舟、船、橋(まとめて“開発物”と呼ぶ)を作ることができる。武器は移動できないが、その地域(および隣接地域)での戦闘にボーナスがつく。川舟と船はそれぞれ川と海しか移動できないが、資源を輸送して隣接する陸地に運んだり、隣接地域での戦闘にボーナスを与えたりできる。橋は大陸と島をつなぎ、輸送路として使うことができる。スカイワークは勝利条件である上に、周辺地域での資源生産力を増す。
 スカイワークの建造が最終目標なのは言うまでもないが、他の開発物を無視してゲームに勝つことはできないだろう。次の生産フェイズで生み出される資源はプレイヤーの手元ではなく、その資源を生み出した地域に置かれるので、製造したい地域に必要な資源を輸送する必要があるからだ。そしてもちろん、勝利を目前にしているプレイヤーのスカイワークは他プレイヤーの標的となる。充分に守りを固めなければ簡単にスカイワークを奪われ、勝つのは他プレイヤーということになるだろう。

ギアワールド開発物トークン.jpg
 開発物トークン。左上から船、武器、橋、川舟、スカイワーク。数値は戦闘時の戦力ボーナス。スカイワークの建造には屑鉄1、鉄1、石炭1、金1のセットか金4が必要になる。各地域が生産する資源は最大で1種類なので、さまざまな地域から必要な資源を輸送してくる必要がある。

 次は生産フェイズ。生産トークンがある地域は、対応した資源を生産する。さして難しいところはないが、すでに対応する資源が置かれている地域では生産できないので、おおむね毎ラウンドごとに輸送したり、消費したりしないと効率が悪い.特別な資源である馬だけは別の地域に置くこともできるが、詳細は割愛。

ギアワールド生産トークン.jpg
ギアワールド資源トークン.jpg
 生産トークンと資源トークン。上の炭鉱、金鉱山、馬牧場、鉄鉱山、屑鉄置き場トークンが置かれている地域は、それぞれ石炭、金、馬、鉄、屑鉄を生産する。生産トークンはゲーム開始時にボード上にランダムに置かれるので、ゲームごとに各地域の地理的価値が異なるようになっている。

 続いて交易フェイズ。支配地域が1カ所でも接していれば、プレイヤー同士でボード上にあるすべての資源をやりとりすることができる。受け取った資源は任意の支配地域に置けるため、同じ資源を交換して必要な地域に置くことで輸送の手間を省くこともできる。

 そのあと輸送フェイズ。徒歩だと隣接してる支配地域にしか資源を輸送できないが、馬、川舟、船を使えばかなり遠くまで輸送可。さらに、馬がある地域を連続して支配していれば、それを“補給路”と見なしてかなりトリッキーな輸送をすることもできる。馬は資源の一種だが、1戦力にもなるし補給路も形成するので、他の資源とはちょっと使い道が違う感じかな。

 最後に戦闘フェイズ。基本的にある地域から隣接する他プレイヤーの地域を攻撃する。その地域にある武器と馬、さらに隣接してる川舟、船、橋の戦力を合計して数値を比較して、攻撃側戦力が防御側戦力以上なら攻撃側の勝ちで支配権を奪える。防御側が勝ったら何もなし。

 これだけじゃ盛り上がらないので、戦力を変更するルールが他に2つある。まずは同盟。攻撃された地域に隣接してる他プレイヤーは、攻撃側か防御側にその地域の戦力を貸すことができるのだ。勝敗の結果から直接利益を得ることはないが、もちろん交渉によって「そこの防衛に手を貸すから、次ラウンドの交易でちょっと色つけてくれよ」とか「お互い協力して攻撃して、そっちのスカイワークはお前のもの、こっちのスカイワークは俺のものでどうよ」とか取り決めることはできる……もちろん口約束だけどなw

 さらに攻撃プレイヤーに限り、遠くにある馬、川舟、船を遠征軍として2つまで目標地域に持ってくることができる(移動のルールには従う)。こいつらに武器や馬を積んでくることもできるので、攻撃側が相当有利だ。ただし1エリアに置ける川舟/船の数には限りがあるし、戦闘終了時に1地域に複数の武器/馬があると1つを残して全部除去されてしまうので、ちゃんと考えて遠征させないと得るものより失うものの方が多くなるかもしれない。

 さて、このゲーム最大の特徴は、「生産/交易/輸送フェイズは必ずしも発生するとは限らない」というところだ。各フェイズ開始時にスタートプレイヤーがダイスを振り、1~4が出れば通常通りプレイするのだが、5が出たらそのフェイズはまるまる省略となり、6が出たらスタートプレイヤーが発生するかどうかを決めるのだ。このため、他プレイヤーの動きに応じて防御を固めようとしてたのに生産フェイズが飛ばされたりとか、交易で得られる資源をあてにしてたのに交易フェイズが飛ばされ、さらに戦闘フェイズで隣接地域を他プレイヤーに奪われて交易できなくなったりといったハプニングが生まれるだろう。

 これを繰り返し、スカイワークを3基以上支配したプレイヤーがいたらそのプレイヤーの勝ち。


 テーマを流行りのものにして、遠征軍ルールで戦闘をちょっとダイナミックにした以外は昔のままだそうで、まあ古いタイプのマルチゲームだ。ルールブックに堂々と「全地域を失ったプレイヤーはゲームから脱落」って書かれてるくらいw なのでマルチ駄目な人は駄目だわな。テーマもかぶせてあるだけで、ゲーム的に大きな意味を持ってはいない。なにせスカイ・ピープルも地下世界に逃げた人たちも出てこないしw

 そのへんに目をつぶれば、マルチの醍醐味が充分楽しめそうなゲームと言えるだろう。各種開発物の能力を利用して乏しい資源をやりくりし、全体のバランスを睨みながら、他プレイヤーよりほんのわずかだけ先んじて勝利する。そういうマルチ的ヒリヒリ感が好きな人にはお勧めだと思うよ。

 BGGの和訳ルール






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Last updated  2013.06.17 11:07:23
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2013.06.04

【プレイ日記】アフター・ザ・フラッド会&ビッグバントーナメント第五十四夜  

カテゴリ:ボードゲーム

 キックスターターでまとめ買いしてもらってた「Goblins Drool, Fairies Rule!」が届いたとのことだったので、受け取りついでに前回お流れになった「アフター・ザ・フラッド」をやることに。

 この日の詳しい様子はこちら↓
海長とオビ湾のカジノロワイヤル:ビッグバントーナメント第五十四夜~スターウォーズLCG~キル領主~キル赤ずきん

●アフター・ザ・フラッド
20130604アフター・ザ・フラッド1.jpg
 詳しくはこちら↓
ふうかのボードゲーム日記:アフター・ザ・フラッド(洪水の後で)
 なんと☆5つ!

 和訳ルールはこちら

 半休取ってきたオビ湾さんが隣で黙々と和訳シール貼りを進める中、いたるさん、タムラさん、私の3人でこれ。

 テーマは文明の曙の時代で、舞台はシュメール。プレイヤーの立ち位置がよく分からないのは、少し前のワレスゲーのいくつかに見られる特徴。シュメール内部のいくつかの都市国家と、シュメール外部の帝国を同時に担当する。神様……は別にいるので、それに近い立場で文明全体を俯瞰してる感じかな。

 ゲーム中の得点手段は「シュメールの都市を大きくする」と「シュメール外部の帝国を拡大する」の2つ。何をするにも資源が必要なので、ラウンド開始時にどれだけ多くの資源を得られるようにするかと、ラウンド中にどれだけうまく交易して資源の価値を高めるかが肝要。マップはかなり狭く、ラウンドごとにさまざまな帝国を発生させることができるので、基本的に殴り合いになる。他プレイヤーの都市を破壊して拡大の機会を奪い、他プレイヤーの労働者がいるところに軍隊を派遣して交易を阻止したりと、非常に殺伐としてるw 

 この「戦闘するのが大前提」のシステムと「3人専用」というのが素晴らしくマッチしてる。3人ゲーで2人が殴り合いしてるともう1人が有利になるので、普通はできるだけ殴り合いたくない。でも殴り合う以外ほとんどすることがない。となったら、殴られたとき(そして殴ったとき)の損害をいかに減らすか、そしてどうやってうまいこと第三者となるかに終始頭を使わなきゃならない。この日は実プレイ4時間くらいの熱戦となったが、途中でだれるようなことはまったくなかった。3人専用では確かにプレイ機会は限られるだろうが、今流通させても全然問題ない出来だと思うなあ。日本語版とか出したらいいんじゃないかなあ(チラッ

20130604アフター・ザ・フラッド2.JPG
 1ラウンド目終了時。いたるさんが紫、タムラさんが緑、私が赤。特殊能力が強いバビロン、シッパル、シュルッパクを押さえ、アッカド帝国を沸かせて守りを固めて盤石。いたるさんがやや出遅れてるようにも見えるが、得点の大半は都市の拡大から入り、全員が20点ずつ得たので大差はついていない。

20130604アフター・ザ・フラッド3.JPG
 2ラウンド目終了時(軍隊駒取り除き済み)。まあ都市の配置から始めなきゃならず、初期資源を持ってる1ラウンド目は準備ラウンドみたいなもんで、ここからが本番。1ラウンド目でちょっぴり目立った私はフルボッコw 狙ってたアムル帝国は手番順が先だったいたるさんに取られたので、確かイシン帝国を興してニップルを落とし、軍隊駒をシュメール内にばらまいて(2体だけだけど)得点を稼いだ気がする。

20130604アフター・ザ・フラッド4.JPG
 3ラウンド目終了時。前ラウンドでの下準備と手番順超重要。またもいたるさんに最大のミッタニ帝国を取られ、北部を完全に支配されてラピスラズリが手に入らない状態に。仕方なくエジプト帝国を興したが、軍隊を増やす余裕はまるでなく、ユニット5体じゃシュメール内部に入るのが精一杯w ここで都市を拡大できなかったため、2人に大きく点差をつけられた。

20130604アフター・ザ・フラッド5.JPG
 4ラウンド目終了時。ウルをずっと押さえてるため、毎ラウンド織物駒を1個余分に入手するタムラさんが着々と力を蓄え、最終ラウンドに備える。このラウンドもエジプト帝国になってしまい、シュメールで都市を破壊するのは難しかったため、少しでも得点を減らすためにいたるさんの軍隊と全面衝突。ゲーム後半に南部の都市を破壊するのは難しいと分かったので、たまたま空いてたラガシュに都市を置いてみたが、これが必要だったかどうかは疑問。これ以上点差が開くとどうしようもないため、やむなく資源3個で効率悪く都市を拡大。この時点でいたるさんとは20点差以上あり、タムラさんとは1点差の3位だったが、タムラさんと私では資源数に差がありすぎた。

20130604アフター・ザ・フラッド6.JPG
 ゲーム終了時。まあね、4ラウンド目に3位になったのは狙ってのことですから!(ドヤァ 4ラウンド終了時に無理して資源を支払って1番手となり、アッシリア帝国を興してラピスラズリ地域を封鎖。タムラさんが他の2帝国の発生地域を押さえ、いたるさんに無駄な資源の支払いを強要。完全情報公開なのに細かい得点の目算をしない紳士プレイ、ニップルの都市を破壊しないというお目こぼし、そして灌漑ボックスと製織ボックスの得点を全員が忘れる(結局どちらも全員駒数同じで得点にならなかったが)といういくつもの要素が重なり、最終的にいたるさんをかわして勝利。やはりラウンド制ゲームは終了1つ前のラウンドでしゃがむに限るな! 計算通りだな!(再びドヤ顔)。

●ワールド・チャンピオンシップ・ドッジボール
20130604ワールド・チャンピオンシップ・ドッジボール.jpg
 お隣でhiroceanさんとオビ湾さんが、シール貼り終わった「スターウォーズLCG」をやってたので、3人でいたるさん持ち込みのこれ。

 ドッジボールがテーマ。他プレイヤーの手元にあるキャラクターカード(いろいろ特殊能力持ってる)を指定して、投げ方カードと共にボールカードを置く。投げ方カードには「カンフー・フォース・アタック・スロー」とか、まあいろいろあって、「○○という回避カードを使った場合のみ回避可」と指定されてる。相手はそのカードがあったらそれを使って回避できる。回避できなかったらアウトw これを繰り返して最後までキャラが残ってたプレイヤーの勝ち。

 なんとこれ、リアルタイムゲーだ。ボールを投げては手札を補充するのだが、自分のキャラにボールが投げられたら、回避するまで手札補充できなくなる。それを狙ってばんばん投げ合うという……まあそういうゲームw しかもプレイ人数分ボールカードを使うので、3人プレイだと3つのボールが飛び交うのだw

 リアルタイムゲーはそれだけである程度面白いけどさあ……2005年に出て、BGGレーティング4.42ですよ。あとは推して知るべしw こんなゲームを見つけるのもすごいし、買うのはもっとすごい。さすがいたるさんだよw

●キル・ジ・オーバーロード
20130604キル・ジ・オーバーロード.jpg
 隣の2人と合流して、5人でこれ。格ゲーものの傑作「バトルコン」や、ドゥームでは評判のいい「ピクセル・タクティクス」のデザイナー、D. Brad Talton, Jr.が他社から出した唯一(今のところ)のゲーム。

 オーバーロードとなったプレイヤーが、他プレイヤー全員の処刑を目指していくゲーム。処刑の対象となったプレイヤーは、手札を使って処刑の矛先を他プレイヤー(オーバーロードも可)に向けたり、一発逆転のカードを使ったり、どうしようもなければ誰かを道連れにするカードを使ったりする。オーバーロードが勝たなかったら、ルールに従って各プレイヤーの役職を変更する(革命によって、生き残ったキャラのプレイヤーは成り上がり、死んだキャラのプレイヤーは没落するのだ)。ラウンド開始時にオーバーロードの所持金が30金以上でもオーバーロードが勝利する。勝利条件は2通りだが、とにかくオーバーロードにならないことには絶対に勝てない。

 1ゲーム目、右も左も分からないのでみんな適当に処刑カードを回してたら、いきなりオーバーロード以外が全員死亡してhiroceanさんの勝利w

 さすがにこれじゃあまりにしょうもないのでもう1ゲーム。今度は序盤から積極的にオーバーロードを殺しに行く。勝つ可能性があるのはオーバーロードだけだから、まあ間違ってはなかったが、感想戦では「こればかりが正着ではない」との結論になった。結構もつれた展開になったが、最後に私が使った「ゲーム中に役職をシャッフルして割り当て直す」というトンデモカードによりえらいことにw あまりにえらいことになったので誰が勝ったかは忘れたw

 オーバーロードだけが死んだ場合、他のプレイヤーは1段階ずつ役職ランクを上げることになる。つまり役職が下位のプレイヤーはあまり勝利に近づけない。上位の役職ほど収入が増え、「オーバーロードになったときに30金所持」の勝利条件を満たしやすくなるので、下位プレイヤーはある程度上位プレイヤーに死んでもらう必要があるのだ。だからといってオーバーロード狙いをおろそかにしすぎると、1ゲーム目のようなサドンデスもあり得る。ここの判断がゲームの肝なんだろう。

 アイディアは決して悪くはない。が、いかんせん「30金」という目標が遠すぎ、中盤にややだれる。「オーバーロードだけが生き残るのは論外だが、次ラウンドにあいつがオーバーロードになるのも困る」という悩ましさが終盤にならないと発生しないのだ。また、ある程度プレイすると、プレイ人数によるセオリーみたいなものができそうなのも残念なところ。もう少し煮詰めて、短時間ですぱっと終わるゲームに仕上がっていればいいゲームになっただろうに……惜しい。

●赤ずきんは眠らない
20130604赤ずきんは眠らない.JPG
 短時間でプレイできるとのことで、最後にこれ。

 うーん。まあある程度ゲームをプレイしてる人向けではない。狼が誰を狙うかの判断材料が(一見あるように見えるが)まったくないからね。狼は「誰かが勝利する(または勝利に大きく近づく)ことのないようにカードを配る」だけだし、他プレイヤーの選択は2択だが、実のところ、狼が自分のところに来るかどうかはまったく分からない。「高得点を取りに行く」「裏をかいて低得点を取りに行く」の2択って、ランダムで決めるのとほぼ一緒だからね。

 イラストは大変可愛らしいので、アナログゲームのプレイ経験がない人の導入としてはいいかもね。作り手も、たぶんそういう層を想定して作ってるだろう。






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Last updated  2013.06.19 00:01:19
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2013.06.03

【ゲーム紹介】ユーフォリア:よりよいディストピアの建設(Euphoria: Build a Better Dystopia)

カテゴリ:和訳

ボックスアート
ユーフォリアボックスアート.jpg

ゲームボード類
ユーフォリアボード類.jpg

 Jamey StegmaierとAlan Stoneが2人で設立したStonemaier Gamesから発売した、キックスターター発の2作目。1作目の「Viticulture」はブドウ農園経営ゲームで、なぜかあまり話題にならなかったが、落ち着いたアートワークと見事な造形の駒類(たぶんキックスターターのバッカー限定だが)が目を引き、プレイした人によればゲームとしてもよくできていたようだ。
 2作目になる本作はディストピアをテーマにしており、それが受けたのか、莫大な資金を集めることに成功している。

 ある日突然、自分が暮らしている世界がディストピアであることに気づいたプレイヤーたち。たいていのエンタメでは、こうなった主人公はディストピアからの脱出、またはディストピアの破壊を試みるのだが、このゲームはひと味違う。なんとこのプレイヤーたち、このディストピアの体制内で成り上がることを選んだのだw そのために無知な労働者(かつての自分たちだ)や、高度な能力を持った専門家を使い、ディストピアの発展に貢献する。その過程で、今では所有が禁じられている旧文明の娯楽品(本とかぬいぐるみとか)を発見しては、密かにそれを欲しがっている権力者に貢ぎ、その見返りとして土地をゲットして所有権マーカーを置く(当然だが土地の私有も禁じられているので、公共の土地を私物化することになる。横領だw)。これを繰り返して、手持ちの所有権マーカー10枚を全部置ききったプレイヤーの勝ち。

 専門家カード2枚と秘密の目的カード1枚を持ってゲーム開始。基本的なシステムはワーカープレイスメントで、置いたら即座にアクションを実行するタイプ。ワーカーとしてダイスを使い、ダイスなので当然振る。しかし振ってから置くまでのあいだにタイムラグがあるので、「キングスブルク」「エイリアン・フロンティア」「トロワ」といった“振ってから考える系”ともまた違った独特なシステムとなっている。

 手番にできることは大きく分けて2つだけ。ワーカーであるダイスを1個置き、置いた場所に応じたアクションを実行するか、ボード上にある自分のダイスを好きなだけ回収するか。

 ダイスを置くとき、基本的には1個しか置けないのだが、手元に同じ出目のダイスが複数ある場合、それらのいくつか(またはすべて)を連続して置くことができる。ダイスは最初2個持ちだが、4個まで増やせるので、最大で4アクション連続で実行できるわけだ。このように手元にあるダイスの目が重要になるので、ダウンタイム中に手持ちぶさただからといってダイスや駒類を弄る癖のある人は要注意。出目を変えてしまうとゲームにならないからねw

 ダイスを回収したとき、プレイヤーはコストを払うかどうかを決める。コストを支払った場合、帰ってきた労働者たちに報酬を支払ったことになり、士気レベルが1上がる。士気レベルは重要な娯楽品カードの手札上限枚数に影響するため、高い方がいい。コストを支払わなかった場合は労働者にサービス残業(というか無償労働w)を強いたことになり、士気レベルが1下がる。一度に労働者駒を何個回収してもコストは変わらないので(これもひどい話だw)できればまとめて回収したいところだが、そうしづらい理由がある。

 ダイスを回収した時点で、プレイヤーはそのダイスをすべて振る。これは働いて帰ってきた労働者が、このディストピアについてどれだけ知識を得てきたかを表している。この出目と、まだ手元に残っていた他のダイスの出目を合計し、さらに現在の知識レベルに応じた修正値を加える。この値が18以上になると、「気づいてしまった……俺たちがいるこの街はディストピアだったんだ! これ以上こんなところにいられるか! 俺は逃げる!」と言って、出目が一番大きなダイスが失われてしまうw このルールがあるため、コスト効率を重視してダイスをまとめて回収すると、逆にダイスを失うリスクが増えてしまうのだ。ちまちま回収していればなかなか18以上にはならないので(労働者が集まって知識交換する機会を減らしていることを表している)、持っている資源や手数との兼ね合いを考えて、回収するダイスの数を決めることになるだろう。

ユーフォリアトラック.jpg
 ボード上にある士気トラックと知識トラック。士気トラックの数字は手札上限。知識トラックのダイス目は修正値。ゲーム中に特定のアクションを実行すると、どんどん知識レベルは上昇していくので、後半ほど修正値が大きくなって労働者も逃亡しやすくなる。

 アクションの種類は、まあ大体想像がつくもの。資源を支払ってダイスを置くと労働者が増えたり、資源がもらえたりする。ダイスを置くスペースは「全員が何個でもダイスを置けるスペース」「1個しか置けないが、すでに置かれてるダイスを追い出して置けるスペース」「1個しか置けず、自分で回収しない限り返ってこないスペース」の3種類がある。他の勢力につながる秘密トンネルを掘る(その過程で娯楽品を発掘する)アクションと、そのトンネルが完成したときに解放されるアクションスペースがあるってところはちょっと目新しいかな。

ユーフォリアアクションスペース.jpg
 アクションスペースの1つ「労働者活性化槽」。エネルギー駒3個か水駒3個を支払い、ダイスを1個置くと新たなダイスが1個手に入る。ここは押し出し可能スペースなので、あとから誰でも(自分でも)ダイスを置くことができ、そうしたらすでに置かれてたダイスは所有者の手元に戻る。無償で返ってくるのでありがたくもあるが、これによって知識値が18以上になる可能性もある。なお、エネルギーを払った場合は電気ショックで労働者を覚醒させたことになり、その衝撃で知識レベルが2下がるw 水を払った場合は新鮮な水しぶきでリフレッシュして、士気レベルが2上がる。こんな感じで、各アクションスペースにはメインの効果の他に、ディストピアらしい付加効果が追加されてる。

 建設は「ユーフォリア」の重要なパート。資源を支払ってダイスを置き、すべてのアクションスペースが埋まるとその建物が完成して、アクションスペースが解放される。恐ろしいことに、各建物には何らかのペナルティが示されており、その建物の建設に貢献しなかった(ダイスを置かなかった)プレイヤーにはそのペナルティが適用されてしまう。かなり厳しいものもあるので、できるだけすべての建物の建設に貢献しておきたいところだ。

ユーフォリア建設例.jpg

 こんな感じ。上図左側の4スペースに資源を支払ってダイスを置いていき、途中で誰もそのダイスを回収することなく全部のスペースが埋まったら建設完了。誰かが回収したら、別の(あるいは同じ)誰かが再び資源を支払い、そのスペースを埋めなきゃならない。完成したら建物タイルを表向けて左にずらし(この時点でダイスは回収される)、アクションスペースが解放される。ダイスを置いたプレイヤーは建物タイル上に所有権マーカーを1枚置くことができ、ペナルティを食らわずにすむ。

ユーフォリア建物カード1.jpg
 建物の例。左の「選択的遺伝子研究所」の建設に貢献しないと、手持ちのダイスの数が2個までに制限される。右の「はかない快楽の温泉」の建設に貢献しないと、押し出し可能なアクションスペースから自分で自分のダイスを押し出すことができなくなる。建物名はどれもこんな感じで、実にディストピア的だw

 こうして所有権マーカーをいち早く10枚使い切ることを目指していくが、ゲーム中に1回だけ、ダイスの配置/回収の代わりに秘密の目的の達成を宣言することができる。必要な娯楽品カードを捨て札にして、目的カードの左右どちらかの効果を発動させ、「専門家カードを2枚引いて1枚得る」か「所有権トークン1枚をカード上に置く」ことができる。

ユーフォリア目的カード.jpg
 秘密の目的カード。左上のカードを公開して「本」(または任意の娯楽品カード2枚)を支払うと、本を読んで専門家カードを1枚得るか、逆に本を焼いて所有権トークンをこのカード上に1枚置くことができる。基本的に左側は体制に反逆することを表しており、右側は体制におもねることを表してる。右下の「バット」の選択肢がひでえw

ユーフォリア専門家カード.jpg
 専門家カード。色はその専門家がどの勢力に属してるかを示している。勢力ごとに異なる専門家が何人かいるが、その名前はみんな「アミー」か「トム」か「ジョナサン」なのが実にディストピア的w


 ディストピアをテーマにする、と思いついた時点でデザイナーの勝ちだろう。士気レベルと知識レベルの調整や、建物の効果などに「負の効果」があるため、他のテーマだったらプレイヤーはストレスを感じたかもしれない。だけどディストピアと言われたら、そりゃ自由が制限されたり労働者が逃げ出したりしても仕方ないよねw 細かいルールもいちいちディストピアの再現に貢献しており、特に資源の一種に「幸福」があるのには参った。なんだよ「幸福」ってw どう考えてもアブナイ薬じゃねーかw

 ゲームとしての骨組みもしっかりしているようだから、ただプレイするだけでも充分楽しめるだろうが、やはりディストピアもののエンタメに触れているとより面白いだろう。暗い雰囲気の古典小説を読むのもいいし、比較的ハッピーエンドで終わりがちな映画を見るのもいい。だけど一番お勧めなのは、テーブルトークRPGの「パラノイア」をプレイしてみることかな。ボックスアートから分かるように、ハムスター式人間発電所があるような世界観だから、たぶん「パラノイア」が一番近いと思うよw

BGGの和訳ルール
(すでに最新版のルールと食い違っているところがいくつかあるので、あくまで参考程度にご利用下さい。決して印刷したり、このルールでプレイしたりしないで下さい。また変更される可能性があるので、完成版ルールが公開されたら作り直します)

キックスターターのページ
(日本時間で2013年6月13日午後1時まで)






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Last updated  2013.06.11 13:40:11
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2013.05.25

【プレイ日記】秋葉原ゲーム会

カテゴリ:ボードゲーム

 定例会を秋葉イエサブで。スマホを忘れるという致命的ミスを犯してしまったため、この日はデジカメ持ちのハマチに写真を取ってもらった。web用に解像度を下げたので画質は変わらないが、やはりカメラ持ちが撮ると構図が違う気がするな……今後も頼むかw

●ギルド
20130525ギルド1.jpg
 (競りチップは散らかってるだけで、カード上に置かれてるわけではない)

 詳しいルールなどはこちら↓
高天原:ギルド
 前回のプレイ記録はこちら

 友M1の希望によりこれ。ずいぶん前からやりたいと言われていたのだが、2人プレイで相当時間がかかったので「3、4人だと超重量ゲーになるだろうな……」と思い、なかなか持って来られなかったのをようやくプレイ。しかしそんな心配は杞憂だった。終了条件調整の兼ね合いで、人数少ない方が長時間化するのかもしれない。

 まあ何より世界観が魅力的。江戸時代あたりの日本がそのまま高度技術化し、さらに魔法・呪術的な発展を遂げちゃったりもしてるという。こんな設定、大好きに決まってるだろw こういうジャンルは何て言うのかね。漫画だと「サムライガン」が近い気もするし、ちょっと違う気もするし……スチームパンクに対して“サムライパンク”とかどうかな。侍出てこないけどw

 競り要素があるため、やはり多人数でやった方が面白かった。握った競りチップの枚数でアクション順が決まるが、同時に建物カードのコストも決まってしまうというルールはやはり切れ味抜群。このアイディアは他のゲームで採用されてもいいレベル。何をとち狂ったのか、1ラウンド目に4枚握ったハマチはカード2枚買うのに8金も払う羽目になってヒーヒー言ってたw

 早めに貴族を買い始め、1回目の戦争に対処できたところまではうまくやれてたと思うが、ここからの展開の加速についていけなかった。加速するのが分かってたからこその早期貴族購入だったのに、そこからなぜか再び建物ピラミッドを育て始めたのがダメだったなw 結果として、考えられる限り最高に効率がいいピラミッドができたものの、戦力を貯める暇がなく、最終戦争に敗北(2回目の戦争は発生せず)。絹を2個も乗せてたてっぺんの「織物工場」を破壊されていいとこなしw 勝ったのは友M1で、多少効率は悪かったものの横に薄くのばして支援者カードを安く置けるようにし、「空き地」でてっぺんに蓋した上で最終戦争にも勝つという隙のなさで大差をつけられた。

20130525ギルド2.jpg
 最終的な我がギルド。後半伸び悩んで失速。てっぺんには「織物工場」があったんや……2手番回ってくれば最終戦争にも勝てたんや……orz

 4人で実プレイ2時間ちょい。適度なインタラクション、拡大再生産、競りと面白い要素てんこ盛り。これぞ長時間同人カードゲームの元祖にして傑作。ゲーム中はゲームに集中できるようになってるカードデザインも素晴らしい。ルールがやや読みにくいのが難点。「ギアーズナイト」も読みにくかったので、この点だけ改善を検討して欲しいかな。

●北のヴェネツィア
20130525北のヴェネツィア1.jpg
 詳しくはこちら
 続いてこれ。「トロワ」のデザイナーが作ったにしては、あまり評判を聞かないな。

 これはあれだ、イスタリの「イスファハン」に並ぶ罠ゲーだw プレイ中の得点手段は2種類しかなく、商品を市場で売るか港で売るか。そしてその商品を作るまでの道のりがかなり遠く、ルールブックでもかなりのページを割いて説明されてる。そしたらまあ、「ああ、このゲームは商品作って売却していくゲームなんだな」って思うわな。ところがそうじゃなかったというw

 ゲーム終了時に橋の連鎖と棟梁カードによる得点が入るんだけど、これがもうでかすぎる。ルール読んだ時点で気づくべきだったけど、橋の個数(または棟梁カードの枚数)の“自乗”の得点が入るんだから、そりゃでかいわw 特に橋の方は、置ききることが終了条件でもあるので、なおさら連鎖を目指すべきだった。いち早くそれに気づいた(あるいは商品売却競争に噛めなかったため、やむなくそっちに行った)友M1が橋の建設に注力。途中で「あれ、これやばくね? ちまちま商品売ってる場合じゃなくね?」と気づいた他プレイヤーが必死に連鎖の切断を試みるも、間に合わずに5連鎖作られてゲーム終了。またも大差で勝たれてしまった。

20130525北のヴェネツィア2.jpg
 最終的な私のプレイヤーボード。注文を細かくこなしたり、途中で橋狙いにシフトしたりしたため、少し寂しい感じになった。

 ダイスを2個しか振らないので、軽い「トロワ」といった感じのゲーム。ちょっとインストにコツがいるね。ゲーム終了時の得点がでかいので、橋か棟梁のどちらかには噛まないと勝負にならないこと。とはいえ倉庫には原料駒を6個しか置けないので、橋が作れないときに原料が余らないよう、ある程度工房カードと注文カードも取っておき、タイミングが合ったときに売却を行えるようにしておくこと。全員がこのへんを分かった上でプレイすればぐっと面白くなるだろう。初見殺し度が高いという点では上級者向けかもねw ああ、あとダイス目操作系カードは当然強いので、早めに1枚は欲しいね。


●銀杏都市―ギンコポリス―
20130525銀杏都市1.jpg
 前回のプレイ記録はこちら

 ちょうどいいプレイ時間の未プレイゲームがなかったので、最後にこれ。

 前回プレイしたときと同じメンツだったので、簡単にルールをおさらいしたあと、人物カードをドラフトで。3種類のアクションのうち、序盤は「活用」アクションを多用するだろうと考え、それに応じたボーナスを持つものを2枚選択。もう1枚は「高層の建設」ボーナスを持つものに。「都市化」は相当効率がいいとき(角において複数タイルを起動できるとか、隣に3階以上の建物があるとか)にのみ実行するつもりでいたので、そのボーナスは軽視した。

 前回の経験から、番号の大きなタイルが決め手になるのは分かってたので、序盤はそのようなタイルを確保することに注力。中盤以降はメインアクションが「高層の建設」にシフトするので、それによるボーナスがつくカードも集めた。

 しかし友M1が私を上回るスピードでタイルを確保していたので、おそらくいいタイルはがめられてると推測し(実際がめられてた)、陣取りで高得点を取ることは諦め。外周でちまちま稼ぐことを狙いつつ、ゲーム終了時に得点となるカードをできるだけ確保することにした。自分の点にならなくても、他プレイヤーが高得点を得ることができなくなればそれで充分だしね。

 最後の最後、中央の青い大エリアを黄の19番で分断したが、これが最適手だったかどうかは今でも疑問。紫(ハマチ)の点が4点減ったが、橙(友M1)の点が4点増えてるし。確かこれによって「3階建て以上の建物1つごとに3成功点」カードが手に入って、私の点も3点増えてはいるのだが……もうちょっと伸ばす手があった気もするなー。

 最終的には、外周の陣取りに細かく噛んだおかげで意外にちまちまと得点でき、得点カードの恩恵とプレイ中に稼いだ得点もあって勝利。大エリアの陣取り合戦を制して勝利できれば気持ちいいけど、やはり目立つ分阻止されやすいので、他の得点手段もおろそかにできないね。

20130525銀杏都市2.jpg
 最終的な私のボーナスカード。序盤は「活用」でまんべんなく取り、中盤は「高層の建設」で、失われる資源駒を重点的に補充。見切れてるが、得点カードは5枚取った。全部を生かすことはできなかったが、他プレイヤーのブロックにはなっただろう。

 1回目は終盤までモヤモヤして、終わったころにやっとゲームが分かった気がした。対して2回目の今回は、最初から最後まで知恵を絞ってプレイできた感じ。「スルメゲー」とか「何回かやって分かってからが本番」という言葉がこれほどふさわしいゲームもないんじゃないかw 1プレイが比較的短めなので、未プレイの方は是非2回連続でプレイして欲しい。ほんと2回目は全然違うよ。






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Last updated  2013.06.10 11:06:29
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2013.05.23

【ゲーム紹介】レガシー:禁断の機械(Legacy: Forbidden Machines)

カテゴリ:和訳

ボックスアート

レガシー:禁断の機械ボックスアート.jpg

 デザイナーのBen Harkinsが自分で立ち上げた会社、Floodgate Gamesから昨年のキックスターター案件として発表した時間遡り系ゲーム「レガシー:時の歯車」。最近になって国内での取り扱いが始まったこともあり、プレイした人も多いだろう。その拡張となるのがこの「レガシー:禁断の機械」だ。

 プレイヤーは歴史の管理者となり、時を遡る能力を持つ古代機械を操って、過去の技術がきちんと存在するように努力する。ゲームは4ラウンドに渡ってプレイされるが、時間を過去へ未来へと行ったり来たりするのは思ったより大変なようで、1ラウンド中は過去に遡ることしかできない。1ラウンド4手番、1手番は3アクションからなり、各プレイヤーは「時間を好きなだけ遡る」「今いる時代に新たな技術カードを置く」「今いる時代に置かれている技術カード上に影響力駒を置く」「山札から技術カードを引く」の4種類のアクションを任意の組み合わせで実行する。ラウンド終了時には全員が未来に帰還し、各技術についてちゃんと存在してるかどうかを確認。うまいこと存在できた技術ごとに、最も影響力を与えたプレイヤーが得点を得る。このとき、その技術の前提条件となる技術に影響力を与えたプレイヤーには再度得点が入るのが面白い。これを4ラウンド繰り返し、最多得点プレイヤーの勝ち。

 以上が「レガシー:時の歯車」のおおざっぱな解説。当然、その拡張である「禁断の機械」もだいたい同じだが、変わっているところも多い。

 相変わらず歴史の管理者として多忙な日々を過ごしているプレイヤーたち。しかし、タイムマシンのエネルギー源である“ヴェスパー”と呼ばれる謎の物質が異常に増大し、歴史がかつてない速度で崩壊を始める。万策尽きたそのとき、プレイヤーたちはついに苦渋の決断を下すことにした……そのあまりの強力さゆえ、かつて歴史から抹消した“禁断の機械”の数々を復活させることにしたのだ! うーん、なんて燃える展開w

 この「禁断の機械」、拡張と銘打ってはいるが、そんじょそこらの「基本セットに追加できるカードをちょこっと用意してみましたー」みたいなヌルいものとはわけが違う。なんとゲームの肝である技術カード(および運命カード)は全部差し替え! 混ぜて使うことはできないという、完全置換型なのだ。置き換えるのには当然理由があり、「禁断の機械」技術カードの大半は特殊能力を持っている。それが確立時能力と発動能力の2つだ。

 確立時能力は、その技術カードを手札から出してタイムライン上に置いたときに発動する。「~できる」と書かれていない限りは発動必須。確立時能力を持っているのは基礎技術に限られるようだ。

レガシー:禁断の機械カード2.jpg

 確立時能力を持つ技術カードの例。左上の「スカイフォーク」は、確立時にカードを1枚引いて1枚捨てることができる。右上の「タイムジャー」は、確立時に1タイムフレーム分だけ過去に移動することができる。移動にもアクションを消費するので、ただで移動できる能力はありがたい。左下の「大いなる炎」は、このカードを置いたタイムフレームより前に別の「大いなる炎」がすでに置かれている場合、プレイヤーは1点を失わなければならない。

 発動能力はプレイヤーの意志で手番ごとに1つだけ発動させることができ、手番中の1アクションには含まれない。ただし、発動させるには条件がいくつかある。まず、自分が現在いるタイムフレームの技術しか発動させられない。さらに、その上に誰より多くの影響力駒を置いていなければならず、その技術がその時点で存在確定していなければならない。この最後の条件のため、基本的なルールにも変更が加えられている。「時の歯車」では各技術が存在しているかどうかをラウンド終了時にのみ確認していたが、「禁断の機械」では新たな技術カードがタイムライン上に置かれるたびに存在判定を行うことになる。

レガシー:禁断の機械カード4.jpg
 発動能力を持つ技術カードの例。左の「運命移植機」を発動させると、この技術カード上にある自分の影響力駒を全部取り除いてストックに戻さなければならないが、なんとラウンドの最後に5手番目をプレイできるようになる。右の「季節接合機」を発動させると、なんと一番後ろ(一番昔)のタイムフレームのさらに後ろにタイムフレームがもう1つ追加される。さすが禁断の機械、何でもありだなw

 あとのプレイの流れは「時の歯車」とまったく同じ。内容物としては新たな技術カード以外に、一部の発動能力の効果を現すためのトークン類が追加されている。また、ラウンド中に各技術が存在できているかどうかを頻繁に確認することになるため、存在できていない技術を表すためのマーカーもある。

レガシー:禁断の機械延長タイムフレームマーカー.jpg
レガシー:禁断の機械追加手番マーカー.jpg
レガシー:禁断の機械得点修正マーカー.jpg
レガシー:禁断の機械非存在技術マーカー.jpg
 上から順に延長タイムフレームマーカー、追加手番マーカー、得点修正マーカー、非存在技術マーカー。


 以前紹介した「マグヌム・サル:ムリア」同様、内容物置き換え型の拡張。個人的には、超強力なものもあった運命カードが完全になくなったのが好印象。以前プレイしたときはあれのおかげでひどい目にあったからねw その代わりに特殊能力が追加されたが、確立時能力は出したときに1回使えるだけだし、発動能力は条件が厳しい上に1手番1回までの制限もあるので、そこまで煩雑にはなっていないんじゃないか。とはいえ、間違いなく長時間化するだろうから、「時の歯車」とどちらを好むかはプレイヤー次第となりそうだ。私は特殊能力バリバリ系ゲームが大好きなので、是非こっちもプレイしてみたい。

 ラウンド中に技術の存在をいちいち確認するのは手間がかかりそうだが、それがマーカーの使用によってどこまで軽減されるか。また、これまでの画像で気づかれたと思うが、技術カードは前提とする技術、前提とされる技術が左右にアイコンで示されているデザインになっているので、これがプレイ時間の短縮にどれだけ貢献しているかも気になるところだ。

 発売は2013年8月予定と、結構先。プレイには「時の歯車」が必要なので、興味がある人は今のうちにこちらを手に入れておくといいだろう。日本ではゲームフィールドがFloodGateGamesの正規輸入代理店となっている。初回限定でミニ拡張(追加カード)がついており、お値段も相当頑張っているので、このゲームに関しては単品で個人輸入するより国内での購入がお勧め。「禁断の機械」の取り扱いにも期待したい。

BGGの和訳ルール
(発売まで間があるため、ルールやカード効果に変更がある場合があります)

ゲームフィールドの「レガシー:時の歯車」の商品ページ






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Last updated  2013.06.10 11:06:15
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2013.05.12

【ゲーム紹介】アルコン:栄光と陰謀(Archon: Glory & Machination)

カテゴリ:和訳

ボックスアート

アルコンボックスアート.jpg

ゲームボード(クリックで拡大)

アルコンゲームボード.jpg

 デザイナーは「Briefcase」を作ったコンビ、Nikolas SakaloglouとSotirios Tsantilas。パブリッシャーも同じArtipia Games。人手が足りなくて対応できないのか、単に海外展開に消極的なのかは分からないが、「ドラムロール」以降の作品は日本では見かけないようだ。これも入ってくるかどうかは不明。

 舞台はカーディス(Cardis)という、たぶん架空の町。中世風の世界観で、プレイヤーはこの町を発展させ、外敵から守るよう国王に命じられたアルコンとなる。“アルコン”とは古代ギリシアの最高官職だが、別に古代ギリシアは関係ないようだw

 ゲームは3シーズンに渡ってプレイされる。冬は敵も攻めて来にくいだろうから、たぶん春・夏・秋なんだろう(季節による差はないけど)。各シーズンは3ラウンドからなり、プレイヤーはラウンドごとに最大5個のワーカーをボード上に置いてアクションを実行する。シーズンが終わると外敵が攻めてくる。防御を固めて守りきれた場合は問題ないが、負けた場合は資源や得点を失うことになる。そのあと得点計算。これを3シーズン繰り返して、最多得点プレイヤーの勝ち。

 基本となるシステムはワーカープレイスメントで、手番ごとにワーカー1個を置き、即座にアクションするタイプ。ユニークなのは、ワーカーを置くときに手札も1枚か2枚(ワーカーを置くスペースによって決まる)プレイしなければならず、このときプレイしたカードによって特殊効果が付与されることもある、というところ。ルールブック中では「カードドリブン・ワーカープレイスメント・メカニズム」と呼ばれている……詳しく知らんけど、カードドリブンってこんなんだったかなw

アルコン廷臣カード.jpg

 最初から8枚持ってる廷臣カード。プレイヤーごとに裏面の色が異なる上、イラストでも判別できるようになってる。廷臣カードは単なるワーカー配置時のコストで、プレイしても特殊効果はない。

 ゲームの準備中、国王の援助カードに示されてる資源駒を「市場」に置く。このカードは最初から3枚公開されており、シーズンごとの得点条件と、各シーズン開始時に「市場」に補充する資源駒が示されてる。それとは別に州カードというものもあり、これはシーズンごとではなくラウンドごとに1枚公開され、示されている資源駒が「倉庫」に置かれる。たぶん王国内の他の州から送ってきた物資を表してるんだろう。各プレイヤーが廷臣カード8枚を手札として持ち、さらに任意に選んだマギスター(権力者とか特権階級とかの総称)カード2枚を加えたらゲーム開始。

 まずは手札のカード10枚を、5枚ずつの2つの山に分ける。片方はそのラウンドの手札となり、もう一方は次ラウンドの手札となる。これを2ラウンドに1回行うので、ほんの少しだけ先を見越した計画を立てる必要があるだろう。

 手札を5枚持ったら、順番にワーカーを1個ずつ置いて1アクションを実行していく。資源がもらえる「倉庫」、お金がもらえる「宝物庫」、町の防衛に不可欠な新兵トークンがもらえる「兵舎」などは他のゲームでもおなじみ。これらの場所にワーカーを置くときに「商人」カードをプレイした場合、もらえるものが1つ増える。

 資源の売買を行う「市場」、コストを支払って建物を建設し、その能力を使えるようになる「建築士ギルド」も説明はいらないだろう。

 「ギルドホール」では、コストを支払うと手札のカード1枚をマギスターカード1枚と交換することができる。同じマギスターカードを集めるほど多くのコストが必要になるが、このカードの獲得によって得られる得点も大きくなる。各プレイヤーが持っているカードの種類と枚数はボード上で示され、その枚数には上限がある。また、当然だが全部で10枚までしか持てないので、どのカードをどれだけ購入するかはよく考えないといけないだろう。

アルコンマギスタートラック.jpg
 こんな感じのトラックがあり、マーカーを各トラックに置く。購入するときには次のマスの右上に示されているコストを支払い、マーカーをそのマスに進めてカードを交換し、右下に示されている得点を得る。特に強力な「徴税官」(一番上)は2枚までしか持てず、他の3種類は4枚まで持てる。

 「王立警備隊」では、コストを支払って新兵トークンを精鋭兵士カードに交換し、市壁に置く。これが3ラウンドに1回発生する戦闘時に町を守る兵力になる。得点計算にも絡んでくるため、たとえ防衛しきれそうになくても何枚かは置いた方がよさそうだ。

 「学士院」と「プラネタリウム」では、コストを支払って芸術カードや科学カードを購入することができる。これは町の文化的・科学的発展に貢献したことを意味しており、ラウンド終了時の得点計算に影響する。

 最後に「宮殿」。ここではプレイ人数分の恩恵カードが表向けられ、毎ラウンド1枚ずつ入れ替わっていく。そのすべてにワーカーを置くスペースがあり、独特なアクションが提供される。最大で4ラウンドしか使えないこれらのアクションを活用するのが勝利の鍵かもしれない……効果が公開されてないので何とも言えないが。

アルコン恩恵カード.jpg
 中央上の、裏面が青いカードが恩恵カードの山。その周りの黒縁カード4枚が表向けられた恩恵カード。たぶんワーカーを置くと資源を他の資源に交換できたり、資源か新兵トークンを支払うと得点が得られたりする。ラウンドごとに矢印方向に移動し、最後のカードは捨て札となり、最初の空きスペースには新たなカードが置かれる。
 上の方で見切れてるのが国王の援助カード。上半分にはシーズン終了時の得点条件が、下半分にはシーズン開始時に「市場」に置く資源が示されてる。

 これらの場所にワーカーを置いてアクションを実行するとき、廷臣カードではなくマギスターカードをプレイした場合、特殊効果が付与される。前述の「商人」(特定の場所で追加の利益を得られる)の他、「徴税官」をプレイしたら徴税トークンを置き、あとからその場所にワーカーを置いたプレイヤーから小銭をむしることができる。「聖職者」をプレイした場合、ワーカーを置くスペースがすべて埋まってる場所にワーカーを置けるようになる。「書記」をプレイした場合、続けてもう1手番をプレイできる(カードとワーカーは必要)。見るからに「徴税官」と「商人」が強力だが、「聖職者」と「書記」もここぞというときに絶大な効果を発揮しそうだ。

アルコンマギスターカード.jpg

 マギスターカード。左上から「徴税官」「聖職者」「書記」「商人」。しかし廷臣もそうだが、この人たち全身に歯車が埋まってるんですけどw ルールブック中には特に記されてないが、何か特殊な世界観なんだろうか。

 全員がワーカーを置けなくなるか、パスしたらラウンド終了。残った手札枚数を比較し、多い方から順に(同数の場合は価値合計の高い方から順に)先手になる。カードをたくさん残す=あまりワーカーを置いていないということなので、しゃがんだプレイヤーが先手になりやすいということだ。先に枚数で判定するので、10枚のカードを分けるとき、片方にマギスターカードを寄せてめいっぱいアクション(+特殊効果)を実行し、もう一方に廷臣カードを寄せて早々にパスするという戦術も取れるかもしれない。

 3ラウンド終わったら1シーズン終了で、敵が攻めてくる。敵カードをめくって戦力を確認し、まずは市壁上にある全プレイヤーの精鋭戦士カード枚数と比較する。それが敵戦力以上なら問題なし。敵戦力未満だった場合、今度は敵戦力と各プレイヤーの精鋭戦士カード枚数を個別に比較し、差分だけ新兵トークン、資源駒、勝利点の順で失う。被害を減らすためにはできるだけ多くの精鋭戦士を市壁上に置きたいところだが、自分1人で町を守りきってしまうと他プレイヤーが少し楽になってしまうので、どれだけ置くかは考えどころだ。

 そのあと得点計算。持ってる科学・芸術カードと、市壁上の精鋭戦士カードの枚数をそれぞれ比較し、順位を決めて、国王の援助カードに示されているだけの得点を得る。得られる得点には偏りがあり、シーズンごとに変わるので、できるだけ多くの得点が得られるジャンルに注力したいところだが、町の防衛を完全におろそかにするわけにはいかないところが悩ましい。

 これを3シーズン繰り返してゲーム終了。なんと科学・芸術カードと市壁上の精鋭戦士カードはシーズンごとに全部返還・除去されるので、資源や建物以外は1からやり直しw 最後に建物による追加得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。


 基本はワーカープレイスメントなので、それが好きなら外さないだろう。しかし得点要素となる3種類のカードがシーズンごとに全部リセットされるので、同じことを3回繰り返す羽目になるんじゃないか、という危惧もある。まあ持ってる資源、お金、マギスターカード、建物は残るんだから、そこに拡大再生産要素はあるんだろうけど。あとは未公開の恩恵カードと建物能力の内容次第って感じかな。

 と言っても、正直このパブリッシャーのゲームが欲しい人にとっては、ゲームとして成り立ってさえいればそんなに問題にはならないだろうw 最大の売りは超絶美麗なアートワークだからね。細部まで書き込まれた緻密な絵柄に、派手すぎでも地味すぎでもない絶妙な色使い。もうこの見た目だけで買う価値あり。もちろん、その上でゲームとして優れていれば万々歳なので、首を長くして情報公開を待とう。

BGGの和訳ルール
(暫定版ルールを元にしているので、製品版とは大きく異なると思われます。参考程度に)。

キックスターターのページ
(日本時間で2013年6月7日午前1時42分まで)






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Last updated  2013.05.24 09:38:06
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