イメージアート プレイエリア(プロトタイプ版) デザイナーはIsaias Vallejoで、これがデビュー作。パブリッシャーは先日紹介した「エイリアン・フロンティア」のClever Mojo Games。今回もKickstarterを使って出資を募っていた。 プレイヤーは新興都市、サンライズ・シティの建設に参加する。まずはゲームの準備中に、自分が担当する役割を決めるため、役割カードをドラフトで3枚選ぶ。各カードには「銀行員」とか「市長」とかの役割が割り当てられており、それぞれゲーム中に役立つ特殊能力を持っている。 役割カードの一部。アートワークは20~30年代のアメリカをモチーフとしている、らしい。 ゲームが始まったら、区画タイルと建物タイルを4枚引く。それを見て今後の都市開発計画を練ったあと、そのラウンド中に使う役割カードを1枚選んで同時公開する。カードには番号が振られており、これが大きいほど能力も強力になるが、この時点で最も小さい番号のカードを出したプレイヤーがスタートプレイヤーとなる。入札を除けば先手有利なので、効果に目がくらんで大きな番号のカードばかり選んでいると、狙ったアクションが実行できなくなるかもしれない。 手番順が決まったら都市計画フェイズ。先ほど引いた区画タイルを順番に1枚ずつ都市に追加していく。これはのちに建物を建設するための土台だ。区画タイルがないところに建物タイルを置くことはできない。また、各区画は町の条例によって使い道が定められている。赤い区画は住宅用区画なので赤い住宅しか建てられないし、黄色い区画は工業用地なので工場しか建てられない、といった具合だ。紫の区画は汎用区画なので何でも建てられるし、紫の建物は汎用建物なのでどこにでも建てられる。やはり先ほど引いた建物タイルと相談して、自分の建物を配置できるように区画を配置しなければならない。 区画配置の際、同じ種類の区画を隣接させて置くと上手いこと都市計画を立てたことになり、地区点が入る。また、区画タイルの中には特別な共同体タイルもある。これは隣接させて建設した同種の建物に追加点を与えるので、できるだけ自分が得をするようなところに置きたい。 区画タイルを置ききったら入札。自分が建物を建てたいところにチップを1枚ずつ置いていく。このゲームにはコストという概念がなく、入札してもお金を払ったりする必要はない。ではどうやって落札者を決めるかというと、なんと各区画に最後にチップを置いた人が無条件で落札するw 極めて先手が不利なルールだが、2手番連続して自分だけが同じ区画に入札した場合(つまり自分のチップを2枚連続して重ねた場合)、自動的に落札が確定するというルールがあるので、先手は人気のなさそうな区画を狙い、隙があればさっさと落札を確定させた方がいいのかもしれない。 最後に建設。建物タイルは区画タイル2枚分の大きさを持っており、2つの建物が描かれている。これを地べた(つまり区画タイルのすぐ上)に置く場合、色が一致した上で、2つの区画タイルのうち1枚には自分の入札チップがなければならない。この条件を満たしていれば他プレイヤーの入札チップがある区画上に置くこともできるが、その場合相手にも建物点が入ってしまう。逆にこれを狙って入札するのもありだろう。 建物は別の建物タイル上に重ねて置くこともできる。色は一致しなければならないし、入札チップによる追加点が入らないので若干効率が悪いが、他に置くところがなければ仕方ない。建物が3階以上になれば、以降は奇数階を建設するごとに階層点が入るようにもなるので、そう悪くもない。 これを3ラウンド繰り返す。得点の計算が特殊で、ゲーム中に得点合計が10点ちょうどになるたびにトークンを2個もらえる。10点を超えてしまった場合、トークンを1個しかもらえない。こうして得点>トークンへの変換を繰り返し、ゲーム終了時に最も多くのトークンを持っているプレイヤーが勝ち。 見た目が少し似てるので、もし日本で流通したら「シティ・タイクーン」と比べられることになるだろう。あちらは建物ごとに大きく能力が異なり、ドラフトでそれを取り、配置にコストがかかり、輸送フェイズがある。こちらは建物の差は配置制限(および共同体タイルから追加点を取れるかどうか)にのみ影響し、ドラフトするのは特殊能力を持った役割カードで、コストや資源といった概念はなく、建物を建てたらそこでおしまい。こちらの方がドライな印象。ノンテーマゲームに近い感じがするかな。 システム的な疑問点もある。なぜ10点ちょうどでトークン2個、超えたら1個なのか? 変にひねらず、ゲーム中に獲得した得点合計で勝敗を競ってもよかったんじゃないかなあ。そしてなにより、入札のルールが先手不利すぎるw 特に他の建物が1つも置かれていない1ラウンド目のスタートプレイヤーは、万が一入札フェイズに完封されたら、建設フェイズの1手目はいきなりパスするしかないw ソフトパスなのであとから再参加できるし、他プレイヤーの建物の上に建設すれば建物タイルの基本点は入ってくるとはいえ、フラストレーションはたまりそうだ。これがあるから単純な得点レースじゃなくて、トークン交換ルールにしたのかな。だとしたらずいぶんシステム先行だが。 不安点を列挙したが、Clever Mojo Gamesは新興パブリッシャーにしては珍しく(と思う)テストプレイに長時間を費やしているようで、どのゲームも発表から1、2年してから発売される。そのあいだにBGGなどでユーザーの声を聞き、結構頻繁にルールを改定したりするので、これで実はバランスが取れてるのかもしれない。そうでなかったら、きっとまたルールが変わるだろうw なにより、建物タイルが重ねられていって都市がどんどん高層化するのは視覚的にも楽しい。こういうシステムなら「マンハッタン」みたいなプラ駒を使って欲しかったが、コストを考えると仕方ないところか。都市開発ゲームが好きならチャレンジする価値があるんじゃないかな。 BGGの和訳ルール