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September 18, 2007
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カテゴリ:ファンタジー日記
教会内の書庫。
ダラをはじめ農業研究所の若手メンバーが数名あつまっている。

ダナ(うぉ。本当はダラって言う名前だったのに・・・前回間違えた・・・)が説明を始める。記録によれば昨年、西の都の民家でみつかったものらしい。書かれたのは多分2~300年ほど前で、ワストワのイェソト地方の町や村に伝わっていた伝承や寓話を集めたもらしい。

それで、問題の部分は、グシュタールの治世の末期というから、今から700年ほど前の話で、当時はちょうどグリーギオ(はるか南方の森に住む巨人の種族。)と聖獣(ドラゴンのような生き物、人間の政治に深く関与していた。)とワド(はるか西方の砂漠に住む巨獣の一族)が和解をして世界の分断が解かれた直後で、世の中は新しい世界への不安に満ち満ちていた。

そんな時、イェソトが干ばつに襲われたんだそうだ。イェソトは大陸の西の都のほうにある町だ。飢餓の予感もてつだって、町の内部でも外でもいさかいが起こり始めた。このままではもっと大きな悪いことが起こると考えたモディ教会のある一派が北方から「灰色のマント」の一族を連れて、丘の上に上り、なにやら術式をはじめた。しばらくするとそこから噴水のように水が噴出して、干ばつを救ったと言うものだ。


ダナのすぐ横の青年が、なるほど、そっくりだな。確かに教会が北方から灰色のマントを纏う人々を連れてきて、彼らの奇跡的な技で水脈を掘り当てたってところと、ほら、ここ、この数字・・・教会からは8人、北から来たマントの一族は7人、それに教会外の有志が9人の24人・・・、これって僕らの伝承そのまんまだよ。

ダナが得意そうに続けて、それに次のページをめくって、ほら、この挿絵を見てごらん、パケ砲台そっくりだろ!

みんなが覗き込むと、たしかにそれを朽ちさせればパケ砲台になりそうな、筒が飛び出した造形物がそこにあって、筒の先から地上高く水が噴出して虹がかかっていた。

ほんと、なにこれ? 本当に200年以上前の本なの? と、ナロの正面の女性が思わず声を上げるのに、他のみんなも同調する。

パケ砲台はクアの郊外の丘の上にある、街が出来る以前からある古い砲台の遺跡だと言われてきたが、教会の学者たちがじつは砲台じゃなく、儀礼か何かに使われた建物の跡だと断定して、それ以来役に立たないただの鉄くずという意味でパケ砲台と呼ばれている。伝承の街の水源は、街にそそぐ川の源流のことで、街からずっと離れたところにある。

これじゃ、この挿絵に触発されて偽の伝承を作ったと思いたくなる。いったい誰が何のために? わずか150年前のこと、誰か一人のおもいつきでできることじゃない・・・? 居合わせた五人が顔をあわせながら、同じことを考えた。その時不意に、そこに灰色のマントの少女が現れた。



※すいません。クアの伝承の方を書くつもりでしたけど、メモなもんで、順番がかわっちゃいました。固有名詞って、統一するのむつかしっすね。





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Last updated  September 18, 2007 10:59:55 PM
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