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《櫻井ジャーナル》

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2010.11.24
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 11月23日に大延坪島が朝鮮軍に砲撃され、少なくとも韓国軍の兵士2名が死亡、民間の家屋も破壊されたと報道されている。朝鮮側は韓国が最初に攻撃したと主張しているが、いずれにしろ、この海域は境界線が確定していないため、軍事的な緊張度が高い。こうした海域で韓国軍は22日から軍事演習を実施していた。約7万人が参加し、朝鮮攻撃を想定した演習だったという。つまり、朝鮮側から見れば、金正日体制から金正恩体制への移行期に韓国が仕掛けた挑発行為というようにも見える。

 韓国と朝鮮の軍事衝突という点に限れば、昨年11月にも両国は交戦、韓国軍の艦船が朝鮮の艦船を攻撃して炎上させている。韓国側に言わせると、衝突の原因は朝鮮の艦船が領海を侵犯したことにあるのだが、朝鮮側に言わせると、「国籍不明」の艦船が朝鮮の領海を侵犯したので押し返そうとしていたということになる。その前の月に朝鮮側は、韓国の艦船が1日に10回も領海を侵犯していると非難していた。なお、この海域では1999年6月、2002年6月にも両国の艦船が交戦している。

 そして3月、韓国軍の哨戒艦が問題の海域で沈没した。その直後、韓国国防相は爆発の原因を不明としていたが、政府内には朝鮮が魚雷で攻撃したという話をメディアにリークする人物もいた。その一方、事件の当日、韓国軍とアメリカ軍は近くの海域で、合同軍事演習「フォール・イーグル」を行っていたことも韓国のメディアは報じている。

 韓国政府が沈没の原因を朝鮮軍の魚雷攻撃にあると主張し始めたのは5月、選挙を直前に控えたときだった。アメリカのロサンゼルス・タイムズ紙はこの発表に疑問を投げかける記事を掲載している。例えば、(1) なぜ「朝鮮犯行説」を沈没から2カ月後、選挙の直前に発表したのか、(2) 米韓両軍が警戒態勢にある中、朝鮮の潜水艦が侵入して哨戒艦を撃沈させたうえ、姿を見られずに現場から離れることができるのか、(3) 犠牲になった兵士の死因は溺死で、死体には爆破の影響が見られないのはなぜか、(4) 爆発があったにもかかわらず近くに死んだ魚を発見できないのはなぜか、(5) 調査団の内部で座礁説を唱えていた人物を追放したのはなぜかといった具合だ。

 現場から「発見」された物体にハングルが書かれていたことを「朝鮮犯行説」の証拠だとする主張を、iPhoneにハングルを書き込んで「朝鮮製だ」というようなものだと一笑に付したバージニア大学のイ・セウングン教授の発言をロサンゼルス・タイムズ紙は紹介している。

 昨年11月の一件があるため、報復のために天安号は攻撃されたと思っても不思議ではないのだが、それでも韓国の国内では、約20%の人が「朝鮮犯行説」を信じていないと言われている。

 しかも、8月31日には、CIAの「元高官」で駐韓大使も務めたドナルド・グレッグも韓国政府の「公式見解」に疑問を投げかけた。6月に調査団を派遣したロシアからの情報として、天安号が沈没した原因は魚雷でなく、機雷が原因だった可能性が高いとグレッグは語っている。ハンギョレ新聞のインタビューでは、韓国政府がロシアの調査を妨害したとも話している。

 グレッグはジョージ・H・W・ブッシュ(いわゆるブッシュ・シニア)の側近で、「旧保守」に属すと見られている人物。1990年代から新保守(ネオコン)など軍事強硬派は東アジアを「潜在的脅威」と位置づけ、軍事的に混乱させ、破壊することを計画していた。そうした目論見を阻止してきたのがアメリカの旧保守や韓国の金大中大統領や盧武鉉大統領だ。この盧武鉉は2003年に就任しているが、その在任中、訴追/スキャンダル攻勢で職務を全うできたとは言えないが。

 アメリカには朝鮮半島における戦争計画が存在する。1998年には金正日体制を倒し、韓国が主導する形で新しい国を作るという「OPLAN 5027-98」が作成され、日本はそうした事態が生じた際、アメリカ軍が日本を攻撃拠点として使うことを認めると約束してあるという。この合意は沖縄問題にも深く関係しているはずだ。

 また、1999年になると、朝鮮の国内が混乱して金体制が崩壊した場合を想定した計画「CONPLAN 5029」も作成、さらに2003年には核攻撃も含む攻撃計画「CONPLAN 8022」も仕上げられている。

 つまり、アメリカの少なくとも一部勢力は1998年から自分たちに対する攻撃準備を始めている・・・そのように朝鮮政府には感じられるはずで、最高度の警戒態勢に入っていても不思議ではない。その攻撃計画に日本政府も関与しているとする情報も流れていることを日本人は忘れるべきでない。相手の動きばかりに気をとられていると、取り返しのつかない「災難」が降りかかってくる可能性が高い。

 要するに、「知彼知己者、百戦不殆(彼を知りて、おのれを知れば、百戦して危うからず)」(孫子 謀攻篇)ということである。





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最終更新日  2010.11.24 18:07:24



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