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《櫻井ジャーナル》

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2012.02.26
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 イランが核兵器の開発に乗り出しているとアメリカの情報機関は考えていない。今では、アメリカ政府に忠誠を誓っている天野之弥が事務局長を務めるIAEA(国際原子力機関)を好戦派は頼りにしているかもしれない。

 イランの場合、研究はしていても製造に向かって動き出してはいないということだろうが、核兵器の原理を研究しているということなら日本も同じ。いや、大陸間弾道ミサイルだけでなく、兵器級のプルトニウムを84キログラム保有しているとも言われ、核兵器の開発能力という点ではイランよりも日本の方が、はるかに「危険」な段階に達している。

 1970年代の後半、ジミー・カーター大統領の補佐官として中央アジアや中東に軍事的に緊張させるプロジェクトを始めたズビグネフ・ブレジンスキー、この好戦的な人物も現在のイランを危険な存在とは考えていない。イランとの戦争はアメリカに破滅的な結末をもたらすとしたうえで、アメリカがイランと戦争する意志がないことをイスラエルへ明確に伝えておく必要があると語っている。

 ネオコン(アメリカの親イスラエル派)の攻撃リストでイランよりも優先順位が上だったイラクの場合も、攻撃の理由として「大量破壊兵器」が挙げられていた。すぐにでもアメリカが核攻撃を受けるかのようにジョージ・W・ブッシュ政権は宣伝、メディアはその偽情報を垂れ流していたのである。

 イラクが核兵器を製造するため、「ニジェールからイエローケーキ(ウラン精鉱)をイラクが購入する」という話も流されたのだが、この情報が嘘だということを公表したのがジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使。CIAの依頼で情報の信憑性を調べ、正しくないと本人が報告している。

 ウィルソン元大使が事実を明らかにした直後、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ロバート・ノバクはウィルソンの妻、バレリー・ウィルソン(通称、バベリー・プレイム)がCIAの非公然オフィサーだという事実を暴露している。

 ノバクはウィルソンに「報復」したのだという見方もできるのだが、バレリーの仕事を考えると別の目的があった可能性もある。バレリーはイランの大量破壊兵器に関するCIAの調査を指揮、イランが核兵器の開発を始めていないと見ていたようなのだ。

 実際、バレリーに限らず、イランの核兵器開発が迫っているとCIAは考えていない。これは、現在でも同じで、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュも同じ趣旨のレポートを発表している。

 もっとも、イラクが大量破壊兵器を保有しているというブッシュ政権の主張は根拠がないと、イラク攻撃の前から指摘されていた。アメリカ軍を統括している統合参謀本部の中にもイラク攻撃に反対する人は少なくなかった。

 当然、アメリカであろうと日本であろうと、メディアの記者はこうした情報を知っていたはずである。が、メディアはブッシュ政権のプロパガンダを広めることに熱心だった。日本のマスコミはアメリカより好戦的で、開戦の障害になりそうな人間を徹底的に攻撃していた。

 勿論、イラクは大量破壊兵器を持っていなかった。それどころか、2001年9月11日よりも前に、サダム・フセインはアメリカに対する「テロ計画」の存在も警告していたことがわかっている。

 要するに、ブッシュ政権は嘘で戦争は始めたわけだが、日本政府もその戦争に協力している。この戦争では100万人とも言われるイラク市民が殺害されたと推測されているわけで、日本の政府もマスコミも責任は重いのだが、「説明責任」すら果たしていない。そして今、イランでも同じようなことを繰り返している。





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最終更新日  2012.02.27 14:35:18



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