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《櫻井ジャーナル》

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2012.04.04
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 ジョージ・H・W・ブッシュ、つまりブッシュ・シニアが大統領だった時代から親イスラエル派のネオコン(新保守)はアメリカの一極支配を想定、潜在的ライバル、つまり西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、西南アジアの国々を潰そうとしてきた。

 日本は見事に潰されつつあるが、アメリカによる支配を脅かす勢力は着実に育っている。その代表的な存在がBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)だろう。現在、そのBRICSと米英仏はイラン産原油をめぐって激しく対立している。ベネズエラなどもBRICSと歩調を合わせている。

 支配システムを維持する上でエネルギーは大きな要因であり、米英仏は自分たちの思い通りにならない体制をさまざまな手段で攻撃している。そうしたターゲットのひとつがイランであり、米英仏はイランの体制転覆を狙い、経済封鎖を試み、軍事的な脅しをかけている。

 経済封鎖の中心は石油取引の禁止だ。第2次世界大戦後、イランの民族主義政権が植民地支配から脱しようとした時にイギリスが行った対応を彷彿とさせる。

 かつて、イランの石油利権は「王族」を名乗るイラン支配層とイギリスをはじめとする欧米資本が独占、国民はその恩恵に浴していなかった。そうした中、1951年3月にイラン議会はAIOC(アングロ・イラニアン石油、後のBP)の国有化を決定、4月には民族主義者のムハマド・モサデグが首相に選ばれている。その際、AIOCは石油の生産と輸送を止めてイラン政府の収入を断とうとしたのだ。

 そのとき、イラン政府はイタリア石油公団(AGIP)のエンリコ・マッティ総裁に接触、交渉はうまくいくかと思われたのだが、合意には達しなかった。AIOCがマッティに対し、石油の供給を申し入れたと言われている。

 今回の経済封鎖では、インドや南アフリカといったBRICSが米英仏の強要を無視、イラン産原油を購入する姿勢を見せている。米英仏は保険会社に圧力をかけ、石油輸送を難しくしているのだが、それでもインドは方針を変更するつもりはないようだ。当初はゴールドで支払うという話があったが、最近ではバーター取引、あるいはルピー(インドの通貨単位)を使うという話も流れている

 今年の2月、イランからの石油輸入を再開させたのは南アフリカ。輸入量は1月の0から一転、2月には41万7000トン、3億6400万ドルになったという。イランからパキスタンやインドへ、あるいはイランからイラク、シリア、レバノンを結ぶパイプラインの問題もある。1950年代とは違う流れになっているようだ。

 サハラ以南のアフリカを米英仏から独立させようとしていたリビアのムアンマル・アル・カダフィを米英仏は軍事力を使って排除することに成功したが、シリアでは体制転覆を実現できず、リビアでは予想通り、内戦が続いている。軍事力で世界を制覇するというネオコン流のシナリオは破綻していると言えるだろう。





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最終更新日  2012.04.04 14:57:48



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