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《櫻井ジャーナル》

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2012.07.18
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 シリアの国防大臣を含む要人が自爆攻撃で殺されたと伝えられている。自爆したのはバシャール・アル・アサド大統領の側近を護衛していたひとりのようで、ダマスカスでの攻撃が大規模かどうかは別にしても、反政府軍のネットワークはそこまで入り込んでいたということだ。

 このところ、国連の安全保障理事会でシリア問題が討議される一方、シリアの住民虐殺は反政府軍によるという報告が相次いでいた。最近の例では、タラムセハでの「虐殺」とは戦闘だったとニューヨーク・タイムズ紙も報じている。

 また、「西側」の政府がシリア政府に対する批判を始める切っ掛けは、民主化を求める平和的な抗議活動を政府軍が暴力的に弾圧したということだったのだが、このシナリオは嘘だと言うことをシリア駐在のフランス大使だったエリック・シュバリエは明らかにしている。

 シュバリエによると、アル・ジャジーラなどの報道は正しくないとアラン・ジュペ外務大臣兼国防大臣(当時)に報告したのだが、この報告に外相は激怒し、残虐な弾圧が行われていると書き直せと脅したという。「暴力的な政府」でなければ、軍事介入する口実にならないということだろう。

 アル・ジャジーラはカタールのテレビ局で、カタール王室の政策に反しない限りは報道の自由が認められていると言われている。つまり、リビアやシリアのようにカタールが体制転覆工作に参加している場合は信用できないということだ。実際、リビアやシリアの問題ではプロパガンダ機関以外の何ものでもない。

 カタールはサウジアラビアと同様、シリアの反政府軍に資金や武器を提供しているのだが、それだけでなく、自国の特殊部隊をシリア領内に潜入させていると報道されている。同じように特殊部隊をシリアで活動させている可能性のある国としては、イギリス、アメリカ、フランス、ヨルダン、トルコが挙げられている。

 昨年の春からシリアの反政府軍、FSA(シリア自由軍)にNATOはトルコなどに拠点を提供、米空軍インシルリク基地ではFSAの将兵を訓練していたが、アメリカのネオコンがシリア攻撃を計画したのはそのはるか前。

 ウィキリークスが公表した外交文書によると、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は2000年代の半ばにはシリアの反体制派を支援し始めているが、その直後、2007年に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは、アメリカがサウジアラビアなどと手を組み、シリアやイランを攻撃する秘密工作を始めたと警告している。

 青写真が作成された時期ということになると、ジョージ・H・W・ブッシュが大統領を務めていた1991年。そのころ、ポール・ウォルフォウィッツを中心とするグループが中東や北アフリカを軍事制圧する作戦を練り始めたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官は語っている。

 ベトナム戦争の終盤、アメリカ政府は和平協議を優位に進めるため、大規模な攻撃を実施している。ヘンリー・キッシンジャーたちは1968年5月にパリで和平会談を秘密裏に始めるが、1969年3月にはカンボジア領に対する「秘密空爆」を行い、爆撃による直接的な死者だけでも60万人に達したという推計もある。シリアの場合、アサドを排除することが目的なので、国連での話し合いを破綻させるつもりなのかもしれない。今頃、「西側」支配層は如何にしてアサドを殺すかを考えていることだろう。





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最終更新日  2012.07.19 03:18:25



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