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《櫻井ジャーナル》

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2012.08.25
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 アレッポで撮影されたという映像が反政府軍の「戦争犯罪」を明らかにしていると話題になっている。反政府軍が拘束していた親政府派の兵士を「捕虜交換」で自由になると騙し、爆弾を搭載した小型トラックの「自動操縦装置」にしようとする様子が撮影されているのだ。計画通りにことが進めば兵士は爆破で死んでしまったはずだが、このときは爆破装置の不調で失敗したらしい。それを残念がる反政府軍兵士の姿も映っている。

 反政府軍にとって捕虜の処刑は普通のことのようで、「自爆攻撃」に利用することに問題を感じていないのだろう。ちなみに、問題の映像をニューヨーク・タイムズとBBCが公開したが、BBCは後に自身のサイトから削除したようだ。

 反政府軍は住民も虐殺している。ホウラ地区でのケースが典型例だ。ここで虐殺された住民が発見されたのだが、当初はシリア政府軍の攻撃で殺されたと宣伝、これが否定されると政府側の民兵が実行したと言われるようになる。が、これを否定する複数の報告もあった。

 そうした報告のひとつは、東方カトリックの修道院長が行っている。虐殺の実行者は反政府軍に参加しているサラフィ主義者や外国人傭兵だというのだ。キリスト教徒も反政府軍のターゲットになっている。現在、アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールなどはイスラム武装勢力や傭兵を使ってシリアに軍事介入しているが、こうした外国からの干渉をキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムは批判している。

 ドイツの有力紙、フランクフルター・アルゲマイネ紙も反政府軍がホウラで虐殺したと報道、スンニ派でも国会議員の家族は政府派だとして殺され、キリスト教徒も犠牲になったという。ドイツではほかの新聞、例えばビルト紙やディ・ベルト紙もホウラでの虐殺が反政府軍によるものだと報道している。

 反政府軍やその後ろ盾であるNATOや湾岸産油国は、シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしている。現段階で和平ということになると、この目的を達成できないわけで、だからこそ、戦争の継続を主張している。

 リビアが攻撃された際も似たことが起こっている。ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は話し合いによる解決を提案、ムアンマル・アル・カダフィは受け入れる姿勢を見せたのだが、反政府軍は拒否して戦争を続けたのだ。

 リビアとシリアでは大きく違う点がある。リビアには分離独立派が存在、それなりの影響力を持っていたのだが、シリアにそうした存在は見当たらない。しかも、ロシアと中国が「飛行禁止空域の設定」、つまり空爆に反対している。この障壁を突破するため、化学兵器(大量破壊兵器)を強調したり、「政府軍の残虐性」を宣伝しているわけだ。

 この宣伝で中心的な役割を果たしてきたのは、イギリスのメディアやカタールのアル・ジャジーラ。そうした中、イギリスのテレビ局、チャンネル4は反政府軍だけでなく政府軍も取材してきたと評価されているが、そのテレビ局のチームが危うく戦闘に巻き込まれそうになったという。取材チームに参加していたアレックス・トンプソンによると、彼らは反政府軍の罠にはまり、危うく政府軍から射殺されるところだったというのだ。

 そして今月の20日、ジャパンプレスに所属するジャーナリスト、山本美香がアレッポで殺された。当初、外務省や日本テレビは同行していた佐藤和孝の証言として、「政府軍から攻撃された」としていた。つまり政府軍だと断定しているように発表している。

 その後、政府軍だと断定しているわけでないことが明らかになる。「先頭にいた男がヘルメット姿だった」ので佐藤は政府軍だと思ったというのだ。

 ジャパンプレスのふたりが歩いていたというスレイマニヤ地区で戦闘が激化していたことはシリアの反政府派も認めている。勿論、のんびり散歩できる状況ではなく、いつ銃撃戦が始まってもおかしくなかった。そうした地区に入ると事前に説明を受けていたのだろうか?

 ここにきて報道されている話によると、山本と佐藤を含む一団が歩いているいるとき、歩道を歩いていた男が突然、日本人がいると指さしながら叫び、その知らせを受けて「政府側民兵」が狙い撃ちしてきたという。いつの間にか政府軍の兵士が民兵に替わってしまった。

 山本と佐藤を見て日本人だと断定したのは、日本人がいることを知っていたからだろうが、日本人を狙う理由が問題。日本のマスコミがシリアでの戦闘の内幕に迫る報道をしているとは思えない。反政府軍のプロパガンダ機関化しているBBCやアル・ジャジーラ、公正な立場で報道しようとしていたチャンネル4、反政府軍の残虐行為を明らかにしたドイツのメディアなどが狙われるなら、わからないでもないが、なぜ日本人なのか。報道内容とは関係ない何らかの目的があったのだろう。





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最終更新日  2012.08.25 18:25:18



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