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《櫻井ジャーナル》

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2012.09.30
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 アメリカ国務省はイランの反政府勢力、ムジャヒディン・ハルク(MEKまたはMKO)を「テロリスト」のリストから外した。もっとも、アメリカ支配層は自分たちにとって好ましくない武装集団を「テロリスト」と呼んでいるだけで、MEKが武装闘争を止めたわけではない。

 かつて、MEKはマルクス主義の影響を受けたイスラム勢力だったのだが、1979年にイランでイスラム革命が成功してからイラクへ逃れ、それまでのイデオロギーを放棄する。マスード・ラジャビとマリアム・ラジャビの下、禁欲や睡眠制限などが強制され、既婚者は離婚させられるようになった。多くの人からカルト集団と見なされている。1970年代までのMEKとは別組織だと考えた方が良いだろう。

 2007年からイランでは科学者が暗殺されているのだが、イスラエルがMEKを雇い、訓練し、実行させたとする話がアメリカ政府から流れてきた。イランはCIAも関与していると疑っているが、アメリカ側はイスラエルとMEKが実行したのであり、アメリカは無関係だと主張している。

 しかし、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、JSOC(統合特殊作戦コマンド)は2005年からアメリカのネバダでMEKを訓練していた。アメリカの特殊部隊も2007年にはイラク南部からイランへ侵入し、秘密工作をはじめているという。

 この時期、CIAがイランの分離独立派に資金を提供、国防総省の一部はMEKを利用したいと考えていたとも伝えられている。アメリカとMEKが無関係だとは言えそうにない。アメリカが使っているMEKをアメリカが無関係な作戦にイスラエルが利用したのか、ということが問題。イランと並行する形でシリアも秘密工作のターゲットになっていた。

 いずれにしろ、科学者を暗殺したのはMEKだった可能性が高い。このMEKを「テロリスト・リスト」から外すように働きかけていた人物にはルディー・ジュリアーニ元ニューヨーク市長やジョン・ボルトン元国連大使も含まれている。

 そして今、アメリカ政府はシリアの反政府軍、実態はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどに雇われた武装勢力に対し、新たに4500万ドルを提供すると報道されている。「非軍事」目的だというが、勿論、意味のない条件だ。

 圧倒的な財力と武力を持つ国々が介入しているにもかかわらず、シリア政府が未だに倒れていない最大の理由は、多くの国民が政府を支持しているからだとしか考えられない。

 リビアの体制を転覆させた後にアル・カイダ系武装集団はシリアへ移動して戦っているが、その戦術は残虐。人びとに支持されるはずはない。先日は、自分たちの正体を暴いていたイラン人ジャーナリストを狙撃、殺している。そうした集団を「民主化勢力」だという人間の神経を疑う。

 ホウラでの虐殺を現地を調べた東方カトリックの修道院長は次のように語っている:「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は、地上の真実と全く違っている。」





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最終更新日  2012.10.01 11:06:12



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