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《櫻井ジャーナル》

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2012.10.04
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 トルコとシリアの国境地域で反シリア政府軍(FSA)が活動、戦闘が続いている。今月3日にはシリア領内からトルコのアクジャカレに砲弾が2度にわたって飛来して住民5人が死亡、トルコ政府はその報復だとして数時間後にシリアを砲撃、翌日も攻撃している。トルコ軍はシリアの軍事施設を狙い、シリア兵が死亡しているようだ。

 情報が少ないため、状況はよくわからないのだが、住民が死亡したとしても、今回のトルコ側の反応に違和感を感じる人はいる。トルコの行動はイスラエルに似てきた。

 アクジャカレからシリアへ入るあたりの地域はFSAの管理下にあり、トルコからシリアへ武器が運び込まれているようだ。そうしたこともあり、シリア軍は18キロメートル離れた地点から砲撃、過去にもアクジャカレに着弾したことはあったという。レバノンやヨルダンにもシリア軍の砲弾が届いているようだが、レバノンとヨルダンの北部にもFSAの拠点がある。

 9月下旬、FSAは司令部をトルコからシリア領内へ移動させると発表している。現在、攻撃拠点を整備しているはずだ。そうした時期に砲撃事件が起こり、シリア軍は国境近くを砲撃できなくなり、FSAは活動しやすい状況。今回の砲撃はシリア領内に展開しているFSAを支援する目的で始めた可能性もある。

 そもそも、トルコは昨年春からシリアへの軍事介入に協力してきた。トルコ領内にある米空軍インシルリク基地でアメリカの情報機関員や特殊部隊員、あるいはイギリスとフランスの特殊部隊員がFSA(シリア自由軍)を訓練、トルコ政府はシリアを攻撃する拠点も提供してきた。つまり、トルコはシリアの主権を侵してきたわけだ。

 資金や武器の援助では、サウジアラビアやカタールが窓口になっているようだが、自国の特殊部隊を潜入させたり、通信の傍受など電子的な監視活動も行われていると伝えられている。

 以前にも書いたことだが、イスラエルではイギリスとカタールの特殊部隊がシリアへ潜入していると報道され、民間情報会社ストラトフォーの電子メールには、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコの特殊部隊が入っているという推測が書かれている。

 電子的な情報活動はドイツとイギリス。ビルト紙の日曜版、ビルト・アム・ゾンタークはドイツの情報機関がシリア軍の動きを追いかけていると報道、サンデー・タイムズ紙はイギリスの情報機関がシリア軍の動向を監視していると伝えている。ドイツはシリア沖に浮かべた船から監視、海岸線から内陸に向かって600キロメートルのあたりまでをカバーしているという。イギリスはキプロスに中東/北アフリカを監視するための基地があり、今回もそこが動いているようだ。

 トルコはイスラム国でありながら、NATOに加盟している。もし、トルコの挑発にシリアが乗って戦争になったなら、NATO軍が参戦することになる可能性が高い。反シリア政府軍、要するにアル・カイダ系武装集団を含む傭兵だが、彼らが望んでいること。アメリカの現政権は微妙だが、イギリス、フランス、サウジアラビア、カタールといった国々もシリアへ軍事侵攻するチャンスを待っている。アメリカにしても、新保守(ネオコン、親イスラエル派)はイランと同様、シリアを攻撃したがっている。

 トルコ議会はシリア領内でトルコ軍が軍事作戦を展開することを承認した。すでに軍事介入しているのだが、トルコ軍が軍事侵攻することを認めたと言える。NATO軍の直接介入に道が開けたわけだが、その道は非常に危険な方向へ向かっている。





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最終更新日  2012.10.05 01:12:03



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