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《櫻井ジャーナル》

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2012.10.08
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 尖閣諸島の領土問題は世界で注目されるようになった。9月19日付けのニューヨーク・タイムズ紙もこの問題を取り上げているのだが、中国側の見方に近い。日本の立場は悪くなっている。

 日本の外務省が日本領だとする根拠のひとつ、「北京の地図出版社発行の『世界地図集』(1958)」についても、国境は「第2日中戦争(1937年から1945年)」の前に編集された地図に基づくという奥付けについて触れていないと記事の中で批判されている。

 日本政府は1895年1月に尖閣諸島を日本の領土にすることを閣議決定したとしているのだが、その前年から日本と中国(清)は戦争状態に入っている。翌年の3月に日本が勝利し、4月に講和条約が結ばれた。しかも、この閣議決定は官報に掲載されていない。つまり、この決定を少なくとも正式には公表していない。

 また、日本がポツダム宣言を受け入れ、自動的にカイロ宣言にも拘束されている事実を日本政府は無視している。それだけでも旗色は悪い。アメリカ主導で作成されたサンフランシスコ講和条約を根拠にするのは弱すぎる。日本にとって戦後の出発点はポツダム宣言なのである。この辺の事実関係は『日本の国境問題』(孫崎享著、ちくま新書)に詳しく書かれている。

 田中角栄政権の時代に「棚上げ」になり、日本が占有する形で推移してきた尖閣諸島の領土問題に火をつけ、燃え上がらせたのは3人の政治家。つまり前原誠司、石原伸晃、そして石原慎太郎だ。

 2010年9月、尖閣諸島の付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、その際に漁船が巡視船に衝突してきたとして船長を逮捕したが、この逮捕劇の責任者は国土交通大臣だった前原誠司。

 昨年12月12日には石原伸晃が「ハドソン研究所」で講演、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすべきだと発言し、今年4月には伸晃の父親である石原慎太郎が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで講演、尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示した。石原慎太郎の発言が中国で広がった反日運動の直接的な原因だ。

 ハドソン研究所もヘリテージ財団もネオコン系の団体。石原慎太郎はCSIS(戦略国際問題研究所)の日本部長だったウィリアム・ブリアと親しいのだというが、この団体と親しいというようなことを口にする政治家の神経を疑う。

 CSISは1962年、ジョージタウン大学の付属機関として創設されたが、後にCIAとの緊密な関係が知られるようになり、1987年に大学はCSISとの関係を解消した。関係が完全に切れたのかどうかは不明だが、少なくとも対外的には関係がなくなったとされている。

 ネオコン(新保守、アメリカの親イスラエル派)の大物、マイケル・リディーンもCSISを活動の拠点としてきたが、この人物はJINSA(国家安全保障問題ユダヤ研究所)の設立者でもあり、アメリカよりもイスラエルに近いと言われている。そうした類の人間も所属してきた。

 石原は中国を敵視、幼稚園児なみの悪口を言い続けているが、1990年代初頭、つまりソ連が消滅してからネオコンは中国脅威論を叫んでいる。こうした主張の中心にいるのが国防総省のシンクタンク、ONAのアンドリュー・マーシャル。

 幼稚園なみの悪口を言うだけでなく、石原は核兵器を持ちたがっている。石原に言わせると、外交力とは核兵器なのであり、核兵器を日本が持っていれば中国は尖閣諸島に手を出さないだろうと主張、佐藤栄作内閣の時に計画された核兵器開発を続けるべきだったという趣旨のことをインディペンデンス紙に語っている。気の小さい人間がナイフを持ち歩きたがるのと似た精神構造と言えるだろう。

 この発言が掲載されたのは2011年3月8日付けの紙面。巨大地震で東電の福島第一原発が「過酷事故」を起こす3日前のことだ。そして事故から3日後、石原は地震を「天罰」だと表現した。「日本人のアイデンティティーは我欲」であり、その「我欲を1回洗い落とす必要がある」というのだが、我欲に支配されているのは公私を混同している石原自身である。思わず、自分の正体を曝してしまったのだろう。

 大量の放射性物質を太平洋に向かって放出し続けている福島第一原発。こうした原発を動かしている電力会社が兵器級のプルトニウムを隠しているとする報告書が今年4月に発表された。日本が保有する兵器級プルトニウムは70トンに及ぶというのだ。

 執筆者のジョセフ・トレントはCIAの上層部にパイプを持つ調査ジャーナリスト。情報の信憑性をチェックせず、ダイレクトに流す傾向があるので注意が必要だが、CIAの幹部が流したがっている情報を知ることはできる。

 実際、日本政府は核兵器の開発を試みていたわけで、1980年代からアメリカ支配層の下で開発を進めているとは噂されていた。筆者が個人的に知っているアメリカの元情報機関員も日本が核兵器を開発していると断言していた。石原慎太郎はこうした話を知っていたのだろうか?





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最終更新日  2012.10.09 11:19:12



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