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《櫻井ジャーナル》

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2013.02.01
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 1月30日の夜明け頃、4機のイスラエル軍戦闘機が超低空飛行でシリア領空に侵入、首都ダマスカスの近くにある軍事研究センターを空爆、2名が死亡したと伝えられている。シリアからレバノンを拠点とする武装勢力、ヒズボラへ対空ミサイルSA-17を含む兵器を運んでいた車列が攻撃されたとする話がアメリカ政府筋などから当初は流れていたが、事実ではなかった可能性が高まった。

 NATOや湾岸諸国が傭兵を使った軍事侵略を受けているシリアは、殺戮と破壊で惨憺たる状態になっている。そうした中、化学兵器が周辺に拡散し、ヒズボラの手に渡る恐れがあるとイスラエルは主張、そうした事態が生じることを阻止すると宣伝していた。危機感を煽り、軍事攻撃に対する風あたりを弱めようとしていたのだろう。

 その宣伝に乗り、シリア領内での空爆に踏み切ったのはヒズボラとの本格的な戦闘を回避するためだと書いているマスコミもあるが、現在の状況でシリア政府が化学兵器を使用する可能性は限りなくゼロに近く、ヒズボラに渡すとも思えない。シリア軍が化学兵器を使うことを望んでいるのは反シリア政府軍側だ。NATOやイスラエルがシリアを直接、攻撃する口実になる。

 レバノン軍からの情報によると、イスラエルのシリア空爆には4機編成の戦闘機集団が3グループ、参加している。最初のグループがレバノンの領空を侵犯したのが29日の午後4時半。4時間後に別のグループと入れ替わり、翌日の午前2時まで飛行、そこで3番目のグループが登場し、午前7時55分に離れていったという。この3番目のグループが攻撃したということになる。

 攻撃の2日前、イランはイスラエルに対し、シリア領に対する攻撃はイラン領に対する攻撃だと見なすと警告していた。イスラエルがシリアを攻撃する準備をしていることに気づいていた可能性がある。

 また、今年に入ってNATOは「化学兵器話」を口実して、トルコに地対空ミサイル・システムを配備しはじめたが、イスラエルもレバノンやシリアとの国境に近いハイファへ防空システムの「アイアン・ドーム」2ユニットを配備したと報道されている。シリアを攻撃する準備だと見る人も少なくなかった。

 レバノンからの情報によると、イスラエルの攻撃にロシア軍は速やかに反応、30日の段階でミグ31がシナイ半島を横断してイスラエルの方向へ飛行、イスラエル側からの警告を受けて西に転回して地中海に出るが、その地中海には18隻で編成されたロシア軍の艦隊が待機していた。アメリカ政府に対し、ロシア軍の「本気度」を見せつけた形だ。

 そのアメリカ側では、トルコの米空軍インシルリク基地の部隊、あるいはヨルダンに駐屯している特殊部隊などが警戒態勢に入ったと言われている。アラブ首長国連邦に配備されたF-22ステルス戦闘機も同様。

 インシルリク基地は、アメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員が反シリア政府軍を訓練してきた。その反シリア政府軍の主力はサウジアラビアやカタールに雇われた傭兵で、その中にはリビアの体制転覆でNATOや湾岸諸国と手を組んでいたアル・カイダ系武装集団も含まれていることは本ブログで何度も書いてきた。

 その反政府軍はシリア政府をなかなか倒せず、最近では凶暴な実態を隠しきれなくなっている。アル・カイダを使ったのに続き、リビアでNATOや湾岸諸国はアルジェリアやマリでも同じ手口を使っているようだ。

 マリで活動している「反体制武装勢力」に資金を提供しているのはカタールだという話も流れているわけで、アメリカ、イギリス、フランスあたりが中心になって描いた「アル・カイダを利用した軍事侵略プロジェクト」は綻びを見せている。ぐずぐずしていると、「解放後のリビア」の惨状も隠しきれなくなるだろう。

 そうした状況から脱するため、NATO軍やイスラエル軍が直接、攻撃に参加したいところだろうが、それには口実がいる。今回のイスラエル軍による攻撃にシリア側が反撃していたなら「開戦」になったかもしれないが、シリア軍は挑発に乗らなかった。政府軍を装った反シリア政府軍に化学兵器を使わせ、それを口実に使うというプランもあるようだが、これは見透かされている。アメリカでチャック・ヘイゲルが国防長官に就任したならば、ますます好戦派/ネオコン/イスラエルは動きにくくなるだろう。





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最終更新日  2013.02.02 02:49:31



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