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《櫻井ジャーナル》

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2013.06.13
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 金融緩和を進めたところで実体経済は改善しない。資金は投機市場に流れていくだけのことだからだ。不景気の常態化は、資金が実社会から金融の世界へ流れ込む仕組みができあがったことに原因がある。この仕組みを変えない限り、社会の地獄度は高まるばかりだろう。

 不景気とは、実社会で資金の循環が滞るか、流れが細っていることを意味している。つまり、不景気の原因は資金の滞留にある。その結果、「カネ余り」と「貧困化」という現象が現れるわけだ。

 貯まった資金の行き先である金融の世界は肥大化し、「カジノ経済」と呼ばれる現象が起こる。この資金ルートができあがる上で重要な役割を果たしたのが1970年代にできたロンドン(シティ)を中心とするオフショア市場/タックス・ヘイブンのネットワークだ。

 タックス・ヘイブンの代名詞として使われてきたスイス。そのほかルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、ベルギー、モナコなども財産の隠し場所として有名だが、こうした国々は昔から同じことをしてきた。問題はロンドンにある。

 ロンドンを中心にして、かつての大英帝国、つまりジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バミューダ、英領バージン諸島、タークス・アンド・カイコス諸島、ジブラルタル、バハマ、香港、シンガポール、ドバイ、アイルランドなどが結びつき、財産を隠し、課税を回避、犯罪資金のマネーロンダリングにも最適なネットワークが築かれたのである。

 19世紀に出現した強大な資本家は「泥棒男爵」と呼ばれることがある。それほど汚い手段を使い、強欲だったということだ。ジョン・D・ロックフェラー、J・P・モルガン、アンドリュー・カーネギー、ヘンリー・クレイ・フリック、エドワード・ヘンリー・ハリマン、アンドリュー・W・メロンたちだが、彼らはそれでも産業を興している。溜め込んだ資金を遊ばせるわけにはいかず、そうするしかなかったのだ。

 しかし、今は違う。オフショア市場を利用して資産を隠し、課税を回避し、投機で運用するのが今の流儀。設備投資などする必要がない。金融緩和で産業への投資が増えるような時代ではない。「量的・質的金融緩和」を進めたところで、実体経済は良くならない。日銀も経済活動を回復させる気はないのだろう。





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最終更新日  2013.06.14 03:47:52



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