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エジプトのクーデターはアメリカ政府の意志だった可能性が高まった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、軍が動く約1時間前、あるアラブの外相がアメリカ政府の「使者」としてモハメド・ムルシ大統領に電話、条件付きで辞任するように伝えたという。
しかし、ムルシはアメリカ政府の提案を拒否、彼の外交問題担当顧問だったエッサム・エル・ハッダドが別室からアン・パターソン米大使へその意志を伝え、大使から大統領顧問のスーザン・ライスへ知らされたようだ。 軍が動く直前まで、ムルシの側近は自分たちをアメリカ政府が支持していると思っていたようで、アメリカの許可がなければ軍は動けないと言っていた。アメリカ支配層の傀儡になれば、アメリカ政府が自分たちを守ってくれると信じていたのだろう。 しかし、状況次第では傀儡は棄てられることが再確認された。状況を変えたのは民衆の怒りである。多くの日本人は選挙の時に投票するのが関の山。しかも、深くは考えない。抗議活動もおとなしい。が、そういう国ばかりではない。ギリシャも迫力があったが、トルコもエジプトも徹底している。アメリカ政府も無視できない。 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相も心中穏やかでないだろう。エジプトと同様、国内問題だけでなく、シリアの体制転覆に加担する政府にたいする庶民の怒りが背景にはある。トルコは最初から反政府軍を積極的に支援、攻撃の拠点を提供し、戦闘員を訓練し、武器を供給する場も用意した。 アメリカ政府がクーデターの背後にいることをムルシ陣営/ムスリム同胞団もわかっただろうが、それでもあっさり引き下がる雰囲気ではない。抗議活動は暴力的になり、反ムルシ派の若者を高所から突き落としている場面と言われる映像もインターネットに流れている。 ムルシ政権下では弾圧の対象になったコプト教(キリスト教の一派)の関係者は今回の革命/クーデターを歓迎しているのだが、そのコプト教の聖職者が射殺されるという事件も起こっている。カイロでも武装した同胞団の支持者が反対派の人びとを殺しているとも伝えられている。 それだけでなく、アル・カイダの幹部、アイマン・モハメド・アル・ザワヒリは報復を宣言している。エジプトで内戦が始まる可能性があるということだが、ザワヒリはアメリカの二重スパイだとも言われている。内戦でエジプトが破壊されることを願う勢力がアメリカ支配層の内部にいるのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.07.08 03:25:27
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