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シリア政府軍がダマスカスの近くで化学兵器を使用、1300名近くが死亡したと反政府軍は発表した。シリア空軍機が空爆したと反政府軍は主張しているようだが、証拠はない。アメリカ政府は化学兵器使用の報道に深い関心を持っているらしいが、この話には奇妙な点が多く、勿論、シリア政府は全面否定している。
例えば、これまで戦争を煽っていたあのBBCの記者ですら疑問を投げかけている。常識的に考えて、現在、戦闘で優勢な政府軍が化学兵器を使用するメリットがなく、しかも化学兵器の使用について調査している国連の調査団がダマスカスへ入っているわけで、シリア政府にとって最悪のタイミング。調査団がダマスカスを訪れたのは、反政府軍の要求に基づいている。 アメリカ、イギリス、フランスはシリア政府軍が化学兵器を使ったら軍事介入すると繰り返してきた。シリアの体制を転覆させるためには正規軍を介入させる必要に迫られているわけで、「西側」や湾岸産油国、トルコなどはシリア政府に化学兵器を使わせたくて仕方がないだろう。 今年3月にアレッポの近くで化学兵器が使用されたというが、最初に調査を求めたのは政府側。すぐに反政府側は政府軍が使ったと主張、イギリスやフランスはシリア政府を結びつけようとした。が、この件でシリア政府に責任を押しつけるのは無理だった。 例えば、攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということからイスラエルのハーレツ紙も毒ガスを使ったのは反政府軍だと分析、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。 アレッポの郊外の着弾地点で採取した試料を分析したロシア政府は、サリンや砲弾は工業的に作られたものではなく「家内工業的な施設」で製造されたとしている。軍隊が使う兵器の場合、製造と使用の間に長い期間があるため、化学的に安定化させる物質を使わないと役に立たない。その安定剤が添加されていなかったことが「家内工業的」に作られたと判断した理由の一つ。分析結果は80ページの報告書にまとめられ、国連の潘基文事務総長に提出された。 これまで、リビアやシリアで戦う傭兵はサウジアラビアやカタールが雇っていたが、エジプトの情勢は、両国の間に亀裂が入ったことを示している。カタールはムスリム同胞団と密接な関係にあることは本ブログで何度も書いたこと。アル・ジャジーラという宣伝機関を保有していることも強みだ。ちなみに、今回の化学兵器話を最初に伝えたアル・アラビアはサウジアラビア系のテレビ局。 エジプトではその同胞団が弾圧されているわけで、シリア情勢にも影響があるだろう。SNCの本部がエジプトからトルコへ移動したという情報もある。 カタールと同じようにムスリム同胞団と強く結びついているトルコの場合、司法システムを使って反対勢力を攻撃、エジプトのようにはなっていない。そのトルコはシリア北部で略奪行為を繰り返しているという話があり、クルド系住民の虐殺でも責任があると言われている。クルド系住民によると、戦闘でトルコの情報機関MITのメンバー2名が死亡した、つまり住民虐殺に加わっているという。 アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどが始めた「中東新秩序」プロジェクトだが、ターゲット国を破壊しているうちに自分たちもバラバラになってきたようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.08.22 11:25:53
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