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日本では官僚が情報を独占してきたが、その独占力をさらに強化しようとしている。そして、庶民が情報に迫ろうとする行為を厳しく罰する「特定秘密保護法案」が持ち出された。11月7日から衆議院の本会議で法案に関する審議が始まったようだ。
機密漏洩を厳罰に処す法律がないため、アメリカは日本に重要な情報をくれないと脳天気なことを言う防衛省の幹部もいるらしい。本心なら、大した「物貰い根性」である。どのような法律を作ろうと、アメリカが日本へ情報を提供するときは、それなりの思惑があるからであり、情報の提供は日本を操る手段にすぎない。 ウォール街の大物弁護士で国務長官を務め、日本の「右旋回」を演出したジョン・フォスター・ダレスはこんなことを言ったという:「アメリカに友人はいない。ただ利害があるだけだ。」 最近は怪しいが、イスラエルはアメリカと友好的な関係を維持してきた。それにもかかわらず、1985年にはアメリカ海軍の情報部に勤務していたジョナサン・ジェイ・ポラードがイスラエルのスパイとしてアメリカで逮捕され、2005年には国防総省の分析官だったローレンス・フランクリンが軍事機密情報をイスラエルのロビー団体、AIPACの幹部に伝えた容疑で逮捕されている。「友好国」でもそうしたことは行われている。ホワイトハウスを含むアメリカの通信がイスラエルへ流れる仕組みができていることは本ブログでも書いたとおり。 ドイツをはじめとする国々をアメリカの電子情報機関NSAが監視していたとする報道もあった。ランパート誌の1972年8月号に掲載された記事の中では、元NSA分析官が全ての政府をNSAが監視してると語っている。勿論、ドイツはアメリカの「友好国」だとされている。 情報機関の連携は、より深刻な問題をはらんでいる。前にも書いたことだが、情報機関が「国家内国家」として機能する恐れがあるのだ。例えば、1972年にオーストラリアの首相となり、自国の情報機関とアメリカとの関係にメスを入れようとしたゴフ・ホイットラムは75年にイギリス女王エリザベス2世の総督から解任され、ニュージーランドの場合は反核政策を掲げていたデイビッド・ラング首相の指揮下に情報機関は入っていなかった。命令は米英の情報機関、つまりNSAとGCHQからきていたのである。 日本も情報収集活動の対象だ。そんなことは日本の官僚たちも知っているはずで、彼らが「特定秘密保護法案」などを成立させたい理由は好きなように日本の庶民を食い物にしたいからに違いない。これまでも食い物にしてきたが、尻の毛まで抜いてやろうとしている。そのためなら日本をアメリカの支配層へ売り飛ばすことなど、何とも思わないようだ。 安倍晋三首相は「特定秘密の恣意的な指定が行われることのないよう、重層的な仕組みを設けており、本法案の適正な運用が確保されるものと考えています」などと言ったそうだが、東電福島第一原発に関する発言と同じように、単なる戯言。国民の「知る権利」は「十分尊重」したうえで踏みにじるつもりだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.11.09 01:07:44
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