27410578 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2013.12.10
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 反シリア政府軍がサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があることをアメリカ政府は知っていたとするシーモア・ハーシュの記事を「西側」の有力メディアは黙殺している。権力を監視する気概などは持っていないようだ。最近、権力の暗部に光を当てているのは内部告発サイトのWikiLeaksやNSAの活動を内部告発したエドワード・スノーデンのような人びとである。

 安倍晋三政権が強引に成立させた特定秘密保護法案は、そうした内部告発を封印することも大きな目的。そのほか、官僚システムにとって邪魔な存在を排除する道具として使えるようになっている。つまり弾圧法。

 この法律に反対する声がマスコミの中からも出ているが、支配層にとって都合の悪い情報を実際に報道しない限り、説得力はなく、「アリバイ工作」と見られる。原子力の安全神話を広め、東電福島第一原発の事故でも政府や東電の「流したい話」を垂れ流すだけで事実を伝えなかったことを多くの人は忘れていない。

 リビアではムアンマル・アル・カダフィ体制を倒すため、「西側」や湾岸産油国がアル・カイダと手を組んでいたのだが、このことを日本のマスコミがきちんと報道したという話は寡聞にして聞かない。

 シリアでアル・カイダなどの反政府軍が残虐な行為を繰り返していることは隠しきれなくなっているが、これは戦闘が長引いたため。リビアでも同じことが行われていた。それでも日本のマスコミは腰が引けている。これも自己検閲。

 今年9月末までイスラエルの駐米大使を務めていたマイケル・オーレンは退任前にエルサレム・ポスト紙のインタビューを受け、イスラエルは最初からシリアの体制転覆を望んでいたと明言、アル・カイダを支援してシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしてきたと発言している。イスラエルもアル・カイダを敵視していない。

 イスラエルとサウジアラビアが手を組んだのは遅くとも1980年代。アフガニスタンへソ連軍を誘い込むことに成功したアメリカはスンニ派の武装勢力を編成、武器を提供、戦闘員を軍事訓練しているのだが、その際にイスラエルやサウジアラビアはパキスタンと同様、協力している。

 今回、サリンの話を書いたハーシュは2007年にニューヨーカー誌で、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの3国がシリアやイランをターゲットにした秘密工作を始めたと書いている。その後、シリアでの戦闘でイスラエルとサウジアラビアの同盟関係は明確になった。

 サウジアラビア側でイスラエルと接触しているのはバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官。10月2日にバンダル長官はイスラエルを訪問したと見られているが、先月はスイスのジュネーブでイスラエル側の人間と何度か会ったと伝えられている。中旬にはイスラエルを訪問、フランス大統領を交えてイランとアメリカとの関係改善について話し合ったともいう。

 アル・カイダを雇っているのがサウジアラビアだということも広く知られるようになってきた。そもそもオサマ・ビン・ラディンにアル・カイダを組織するような資金はなく、最初からサウジアラビアの支配層が関係していたようだ。

 そこで問題になるのが2001年9月11日の出来事。ニューヨークの世界貿易センターに立っていた超高層ビル2棟に航空機が突入、アーリントンの国防総省本部庁舎が攻撃されたわけだが、当時のジョージ・W・ブッシュ政権はすぐにアル・カイダの犯行だと断定していた。

 この公式発表には疑問点も多く、少なくともアメリカ政府は事前に航空機を使った「テロ」が計画されていることを知っていた可能性が高いのだが、アル・カイダが実行したとするならば、サウジアラビアが当然、問題になる。しかも、サウジアラビアはイスラエルとつながっている。

 9/11の直前、アメリカの支配層は追い詰められ、クーデターを起こしても不思議ではない状況になっていた。強欲な巨大資本に対する批判が高まり、2001年7月には、G8サミットが開かれたイタリアのジェノバへ抗議のために約20万人が集結、取り締まり側は暴力行為をでっち上げ、後に問題化している。投機も行き詰まり、エンロンの破綻も間近に迫っていた。

 こうした問題を吹き飛ばし、1980年代から練られていたCOGプロジェクト、有り体に言えばクーデター計画が9/11で起動した。愛国者法が成立し、ファシズム化が急速に進むことになる。国際的には、中東/北アフリカへの軍事侵略が始まった。9/11がなければ、国内ではファシズム化、国外では軍事侵略、支配層が1980年代から練り上げていた計画を実行に移すことは難しかった。

 その9/11の後ろにサウジアラビアが浮かび上がり、その背後にはイスラエル、そしてアメリカの親イスラエル派、戦争ビジネスが存在する。石油産業も利益を得た。こうした関係を裏付けるような情報が少しでも漏洩したなら、現在の支配システムは崩壊する可能性がある。情報は絶対に守ると支配層は必死なのかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.12.11 03:27:34



© Rakuten Group, Inc.