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《櫻井ジャーナル》

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2014.02.20
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 ウクライナの反ロシア派が警官隊に対して銃撃を開始、リビアやシリアと同じように狙撃も始まっているようで、「内戦」の様相を呈してきた。死者は70名とも100名とも言われ、その中には多くの警官も含まれているようだ。黒幕が「アラブの春」と同じため、手口が同じになり、展開が似てきたのだろう。

Pamphlet

[配布されたパンフレット:左の赤枠がエジプト、右の黄枠がウクライナ]

 はがした敷石、あるいは火炎瓶を投げるだけでなく、棍棒やナイフで武装していた反政府/ロシア派はここにきてピストルやライフルを使い始めているが、そうしたグループの中心にはスボボダ(全ウクライナ連合『自由』)」のようなネオ・ナチがいる。しかも、今年1月にはシリアから約350名の戦闘員がウクライナへ入ったと言われ、内戦化する恐れが大きくなっている。

 中東/北アフリカのときと同じで、こうした中、「西側」はプロパガンダを展開している。シリアではサウジアラビアやカタールに雇われたイスラム教スンニ派の武装集団(いわゆるアル・カイダ)が潜入して戦争を始めたが、それと並行する形でCNNやBBCのような「西側」のメディアはプロパガンダを展開していた。

 例えば、2012年2月にホムスのババ・アムルでパイプラインが爆破された際、CNNガーディアン紙などは政府軍の航空機が爆撃したと伝えていたが、後に事実でないことが判明する。放送では煙の出ている映像が流されたのだが、その前、削除された部分には煙も航空機も写っていなかったのだ。政府軍機による空爆、飛行禁止空域の設定、NATO軍による空爆、というリビア方式を「西側」は考えていたのだろうが、実現しなかった。

 「西側」のメディアに登場する「活動家」や「人権団体」の情報も正しくなかった。シリアで「政府軍による弾圧」を宣伝するスター的な存在だったシリア系イギリス人のダニー・デイエムなどは典型例。

 欧米の有力メディア(例えばBBCテレグラフ紙)に「証人」として登場、外国勢力の介入を求める発言を続けていたのだが、「シリア軍の攻撃」をダニーや仲間が演出する様子を移した部分も含めた映像が流出して嘘が発覚する。ところが、それでも「西側」メディアは反省していないようだ。

 そして現在、ウクライナではリビアやシリアと同じ戦術が採用されている。例えば、2月10日に「Whisper Roar」の名義でYouTubeにアップロードされた映像「I Am a Ukrainian」では、ウクライナの蜂起は「自由」と「民主主義」のためだと若い女性が語る。1980年代、ロナルド・レーガン政権が始めた「プロジェクト・デモクラシー」を思い出させる内容で、ウクライナについて興味のない人には効果的だろう。

 この映像を製作したのはベン・モーゼズという人物。1987年に公開された映画『グッドモーニング、ベトナム』の共同プロデューサーで、2012年には『A Whisper to a Roar』というドキュメンタリーを作っている。この作品はラリー・ダイアモンドなる人物に刺激されて製作したのだというが、このダイヤモンドはCFR(外交問題評議会)のメンバーで、CIAの工作資金を扱っているNED(ナショナル民主主義基金)やUSAID(米国国際開発庁)と関係の深い仕事をしているという。

 勿論、ジョン・マケイン上院議員ビクトリア・ヌランド国務次官補の扇動、暗躍も忘れてはならないが、彼らだけで体制転覆は不可能。国務次官補だけの力でウクライナの体制を転覆させるために50億ドルもつぎ込むことはできない。背後は巨大だ。





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最終更新日  2014.02.21 12:31:57



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