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《櫻井ジャーナル》

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2014.02.21
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 ウクライナの情勢に関し、アメリカのバラク・オバマ大統領は2月19日にメキシコで興味深い発言をした。反政府/ロシア派と警官隊の衝突で死傷者が出ている責任はウクライナ政府にあり、その事態を収束させるため、警官隊を引き揚げさせるべきだと主張したのだ。

 ニューヨーク大学のステファン・コーエン教授も指摘しているように、オバマの主張は「恥知らず」なもの。もし、ワシントンDCで群集が火焔瓶を投げ、議会に向かって行進、ホワイトハウスの出入り口を封鎖、ホワイトハウスの警備員に投石しているとき、オバマ大統領は警官隊を引き揚げさせるだろうか、ということだ。現在、ウクライナでは石や火炎瓶が投げられているだけでなく、トラクターやトラックが持ち出され、銃撃が始まっている。

 本格的な内戦へと発展する様相を見せているのだが、その中心には「スボボダ(全ウクライナ連合『自由』)」のようなネオ・ナチや、シリアからウクライナへ入った戦闘員がいると見られている。NATOに「秘密部隊」が存在していることは1990年に発表されたイタリア政府の報告書で明確になっているが、その部隊は「右翼団体」を手先として使っている。スボボダも歴史的にCIAやMI6と関係があり、NATOの意思が反映されている可能性は高い。

 そうした勢力の反政府/ロシア行動にアメリカ政府が指示を出している可能性が高いことはビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使との電話での話し合いがYouTubeにアップロードされ、明らかになった。

 民主的な選挙で選ばれた現在のウクライナ政府を倒すことを前提にして、新たな政権を作るときに誰を閣僚として入れるかを話し合っているのだ。これは「期待」とか「推測」ではなく、当事者の人選として行っている。「品定め」ではない。ウクライナを自分たちのものとして扱っているのだ。

 そうした体制転覆プロジェクトを遂行する上で、EUの姿勢が生ぬるいとヌランドは感じているようで、その不満を口にしている。そして「EUなんかくそくらえ(Fu*k the EU)」という表現が出てくるわけだが、これはヌランドが下品な人間だということを示しているだけで、大きな問題ではない。問題は他国の政権を作り替える、つまり一種のクーデターの相談をしていることにある。「内政干渉と受け取られかねない発言」などという生やさしいものではない。

 こうした体制転覆プロジェクトの資金について別の場所でヌランドは語っている。昨年12月13日、工作資金として50億ドルをウクライナに投入していることを明らかにしたのだ。演壇の後ろには巨大石油企業、シェブロンの看板も掲げられていた。

 現在、アメリカを拠点とする「国境なき巨大資本」は「国」というシステムを支配下に置く新秩序を築こうとしている。「グローバル化」とはそういうことだ。世界の「エリート」たちは自分たちの好きなように法を作り、操り、民主主義を蝕んでいるわけだが、その結果、NGOのOxfamによると、世界の富は半数近くが1%の人びとに独占され、低所得側の半数が所有している富は上位85名が保有する富と同じ程度でしかないという。

 こうした状況に抗議するため、2011年にはウォール街で「占拠運動」が始まったのだが、この文字通り「平和的な抗議活動」をアメリカ支配層はウクライナとは比較にならないほど暴力的な手段を使って弾圧した。その弾圧には地元警察だけでなく、FBIや国土安全保障省が参加している。勿論、そうした「西側」権力の暴力に対し、「西側」のメディアは寛容な姿勢を見せていた。

 ネオコンを中心とする「西側」の支配層がウクライナの体制を変えようとしている理由は、ウクライナやロシアを「グローバル化」し、富を奪うことにある。当然、中国やイランも狙っている。アメリカに反旗を翻していたベネズエラも現在、攻撃されている。TPPもそうした戦略の一環。つまり日本の富も狙われている。





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最終更新日  2014.02.21 22:31:29



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