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ネオ・ナチの武装蜂起によってウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領は実権を奪われた。今回の政変はファシストのクーデターである。クーデター派は棍棒、ナイフ、火焔瓶だけではなく、ピストルやライフルを使い、警官隊を襲撃していた。この事実に触れないメディアがあるとするなら、記者なり編集者が怠慢なのか、その事実を隠して「民主化」を演出したいからだろう。
「西側」と手を組み、ウクライナをEUへ組み込もうとしている勢力は3政党が中心。投機家のジョージ・ソロスの影響下にあったユリア・ティモシェンコが率いる「祖国」、ウクライナのパイプライン業界に君臨する富豪のビクトル・ピンチュクを後ろ盾とするビタリ・クリチコの「UDAR」、歴史的にナチや米英の情報機関とつながるオレフ・チャフニボクの「スボボダ」である。 昨年11月にヤヌコビッチ大統領がEUとの連合協定締結に向けての準備を停止すると発表してから混乱が始まると、この勢力が抗議活動をはじめ、ビクトリア・ヌランド国務次官補やジョン・マケイン上院議員のようなネオコン(アメリカの親イスラエル/シオニスト派)が支援のため、ウクライナへ乗り込んでいる。 「西側」のメディアは「平和的」と形容した抗議活動だが、火焔瓶や石が投げられるだけでなく、ブルドーザーも持ち出され、日本から見るとかなり激しいもの。1月の下旬になると、アレキサンダー・ムージチコ(別名サーシャ・ビリー)やドミトリー・ヤロシュたちが率いる武闘色の強いグループが注目され始める。警官隊は「西側」に比べ、かなり平和的に対応しようとしていた。 ビクトリア・ヌランド国務次官補によると、そうした工作のため、昨年12月中旬の段階でアメリカは50億ドルをつぎ込んでいたようだが、メディアを使ったプロパガンダや火焔瓶を投げる程度の抗議活動でヤヌコビッチ政権の発表を覆すことはできなかった。 ソチで開かれていたオリンピックの閉幕が近づいてくると、警察や治安当局の施設が襲撃されて300丁とも1500丁とも言われるピストルのほか、ライフル、マシンガン、手榴弾などが盗まれるという事態が生じ、街頭での銃撃が始まる。 銃撃を始めたのはムージチコやヤロシュなどのファシスト団体のメンバーだと見られている。ムージチコは1994年にチェチェンでロシア軍との戦闘に参加し、その残虐さで有名になった。1995年にウクライナへ戻ると犯罪の世界へ足を踏み入れている。かなり物騒な経歴の持ち主だが、ウクライナのファシストでリーダー的な役割を果たしているのはヤロシュだという。 屋上からスナイパーが頭部を狙ったという報道もあるのだが、これはリビアやシリアの時と同じパターン。予想通りのことが起こったようだ。プロの狙撃だから政府派に違いないという話になっているようだが、チェチェンやシリアから戦闘のプロが「反ヤヌコビッチ派」に参加しているわけで、ヤヌコビッチ派が狙撃したと断定することはできない。むしろ、状況証拠は「平和的」な反ヤヌコビッチ派が怪しいと言っている。 軍事的な緊張を過度に高めることをEUは避けたいはずだが、ネオコン(アメリカの親イスラエル/シオニスト派)は戦争も辞さないという態度。ビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使との会話でもEUの「ソフト路線」をヌランドは批判、「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と口にした。 ファシストとはいっても、ムージチコやヤロシュのような人ばかりではない。そこで2004年、EUへ参加したばかりのバルト諸国にNATOは軍事訓練のための施設を設置、そこでファシストを訓練するようになったという。 こうした訓練を受けたネオ・ナチがキエフなどウクライナ西部で大きな影響力を持ち始めていることをロシアは警戒、大規模な軍事演習を行っているのだが、ファシストを訓練してきたNATOのアナス・フォー・ラスムセン事務総長はロシアを牽制している。ウクライナ侵略の邪魔をするなということだ。 ウクライナの庶民にとってEUへの参加は地獄への一本道。「西側」の巨大資本やその手先の食い物になるということだ。2004年以降、旧ソ連圏から多くの国がEUへ加盟したが、そこでは庶民の貧困化が進み、不満が高まっている。 こうした国々から仕事を求めて人が西へ移動、その先で賃金を引き下げる原因になり、そうした移民への反発からファシストを支持する人が増えた。ウクライナでは移民を増やす要因を作り、西の国々では移民に反対しているのがファシスト。いわば「マッチポンプ」。 そうしたファシストの背後に見えるのは、ネオコン/シオニスト、NATO、サウジアラビア。ブレーキをかけているのはロシア。おそらく、アメリカの非ネオコンもロシアと話し合いのパイプを持っている。 ネオコン/シオニストはウクライナの次にロシアを狙っている可能性が高い。2008年8月、イスラエルやアメリカから軍事訓練を受け、武器/兵器を提供されていたグルジアが南オセチアを奇襲攻撃したが、これもロシアを念頭においた作戦だった可能性がある。このときはグルジアやイスラエルが 予想した以上にロシア軍が強く、追い返されている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.02.28 02:29:07
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