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《櫻井ジャーナル》

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2014.03.20
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 ウクライナの全国民が投票しない国民投票でクリミアの将来を決めることはできないとアメリカ政府は主張しているらしいが、日本にも同じことを言う人がいる。クリミアの独立を認めるなら沖縄の独立を認めなければならなくなると考えているのかもしれない。全当事者の合意が必要などというルールは、少なくともこれまでなかった。例えば、少なからぬ人が指摘しているように、「西側」がコソボをセルビアから切り取って独立させた際、アメリカはセルビア人の投票を認めていない。

 ロシアへの「併合」という言葉に囚われている人もいるようだが、ロシアへの「復帰」という見方も存在する。クリミアなどロシア領だった地域をソ連の一部指導者が独断でウクライナへ贈呈したのであり、全ロシア国民の投票などなかった。住民にしてみると売り飛ばされたわけで、今回、本来の国へ復帰したことになる。

 キエフの暫定政権が「西側」支配層と結びついたオリガルヒやネオ・ナチで構成され、資産略奪、人種差別、言論弾圧、さらに親衛隊まで創設しようとしている。キエフではユダヤ教のラビがユダヤ教徒に対し、できたらウクライナを出るように呼びかけていた。ロシア政府が「ロシア人保護」を口にしても不思議でない状況にあるということだ。

 ウクライナ情勢を語るとき、「西側」の政府、メディア、そして一部「左翼」は暫定政権ができた経緯を無視、「暫定政権あれ!」と言ってから議論を始める。キエフは反ロシア派が多いと言われているが、それでも選挙で民主的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ政権を「平和的」に倒すだけの力はなかった。そこでネオ・ナチが前面に出てクーデターを実行したわけだ。

 戦闘集団は棍棒、ナイフ、チェーンなどを手に、石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを撃つだけでなく、警官隊(ベルクト)の隊員を拉致、拷問、そして殺害している。目を潰された状態で発見された隊員の死体もあるようだ。

 さらに、ネオ・ナチはリビアやシリアで使われた手法もキエフで繰り返している。反ヤヌコビッチ派と警官隊、両方を狙撃したのだ。この件について、エストニアのウルマス・パエト外相がEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ報告している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」「新連合はもはや信用できない。

 クーデターの前までウクライナの治安機関SBUの長官だったアレクサンドル・ヤキメンコによると、狙撃の第1発目は、アンドレイ・パルビーなる人物のグループが制圧していたビルから発射されたという。パルビーは「ウクライナ社会ナショナル党(スボボダの前身)」というネオ・ナチの政党を創設したひとりで、「オレンジ革命」では指導者のひとり。現在は国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の書記に就任している。

 「西側」が正当性を認めたコソボで「独立運動」、あるはい「アルバニア併合」を主張していたKLA(コソボ解放軍)とは麻薬業者に毛の生えたような存在だった。そして成立したコソボ政権は誘拐や殺害を行い、違法な性的産業や人間の臓器売買にも深く関与していると言われている。やはり「西側」が正当性を認めているキエフの暫定政権は憲法の規定を無視、ネオ・ナチの暴力で誕生した。このファシスト政権に反対、ロシアへ復帰しようというクリミアを批判することに道理はない。





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最終更新日  2014.03.20 15:19:33



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