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《櫻井ジャーナル》

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2014.08.09
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 ドイツの経済紙ハンデスブラットの編集長が「西側の間違った道」と題する評論を発表し、話題になっている。ウクライナが不安定化すると「西側」は戦争熱に浮かされ、政府を率いる人びとは思考を停止して間違った道を歩み始めたと批判しているのだ。

 アメリカ議会ではウクライナへの武器供与が議論され、ズビグネフ・ブレジンスキー元大統領補佐官は市民を武装させるように提案、ドイツ首相は厳しい対応をとる準備ができていると発言していると指摘、こうした流れはドイツの利益に反しているとしている。その通りだろう。

 この編集長は次のように問いかける:始まりはロシアがクリミアを侵略したためだったのか、それとも「西側」がウクライナを不安定化したためだったのか?ロシアが西へ領土を膨張させているのか、それともNATOが東へ拡大しているのか?ふたつの大国が同じ意図に動かされて無防備な第三国へ向かい、深夜、同じドアで遭遇し、内戦の第1段階で泥沼にはまり込んでいるのか?

 アメリカにとっての現実的な目的とヨーロッパにとってのそれは全く違うとも主張、バラク・オバマやヒラリー・クリントンは次の選挙で勝てるか、次の大統領を民主党から出せるかということに関心があるだけだとし、クリントンがウラジミル・プーチンをアドルフ・ヒトラーに準えたのは、外国のことに関心のないアメリカ人の多くが知っている外国人はヒトラーくらいだからだと切り捨てている。

 アメリカの経済界が自国政府のロシア制裁に反対していることは本ブログでも指摘したこと。すでにロシアではアメリカの「狂人理論」に対抗するため、ドルを基軸通貨の地位から引きずり下ろすための働きかけを始めている。生産体制や社会システムが崩壊しているアメリカは投機(イカサマ博奕)、NSAを使った情報収集(恐喝のネタ探し)、そして基軸通貨を印刷できる特権で支配体制を支えているにすぎない。

 アメリカを戦争へと導いている原動力はカネ儲けの欲望とカルト的な信念。その信念に基づいて動いているのが親イスラエル派のネオコン、つまりウラジミール・ジャボチンスキーの末裔たちだ。

 ジャボチンスキーは第1次世界大戦でイギリス軍に参加し、1925年には戦闘的シオニスト団体の「修正主義シオニスト世界連合」を結成している。リクードの源流になった団体だ。そのジャボチンスキーが創設したハガナをイギリスの情報機関MI6や破壊工作機関のSOEは訓練、ハガナは後にイスラエル軍の中核になる。

 このシオニストとは、エルサレム神殿があったとされる「シオンの丘」へ戻ろうという考えを信奉する人びとだ。近代シオニズムの創設者とされているのは1896年に『ユダヤ人国家』という本を出したセオドール・ヘルツルだが、その前にアメリカでは、ウィリアム・ブラックストーンなるキリスト教福音派の牧師が「中東のユダヤ人国家建設」を支援する運動を始めている。ヘルツルはシオニズムよりセシル・ローズを信奉していた人物だという。

 それ以前、シオニズムはピューリタンの主張に含まれ、さかのぼるとオリバー・クロムウェルに行き着くのだという。ピューリタン革命で国王を処刑、「神の軍隊」を率いてアイルランドを侵略して大虐殺を行った人物だ。アイルランド問題の根はここにある。一方、アメリカへ渡ったピューリタンは侵略を進め、先住民を殲滅していく。イスラエルと同じような過程を経てWASP(白人、アングロ・サクソン、プロテスタント/ピューリタン)の国を作り上げたわけだ。

 現在、ネオコンはアメリカの福音派(原理主義者、聖書根本主義派)と手を組むが、これは必然だということ。この勢力はカルト的な信念で動いているため、核戦争も辞さない。自衛隊の幹部はマスコミの記者に対し、「今なら中国に勝てる」とあからさまに語っているようだが、似たことをアメリカのネオコンも考えているかもしれない。





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最終更新日  2014.08.10 14:42:44



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