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《櫻井ジャーナル》

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2014.11.12
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 ウクライナとシリアで焼夷弾(白リン弾)が使われているとHRW(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)が批判している。ウクライナではアメリカ/NATOの支援を受けたキエフ軍、シリアでは政府軍が使用したとのだという。ウクライナではクラスター爆弾をキエフ軍は住民に対して使ったともHRWは報告していた。

 白リン弾は高温で燃え、消すことが困難なため、肉を溶かして骨に達する。人体に深刻なダメージを与える対人兵器として使われ、一般的には化学兵器と見なされている。2008年12月にイスラエル軍がガザへ軍事侵攻しているが、その際にも使われた。クラスター爆弾は大量の小型爆弾を広範囲にばらまくため、不発弾が地雷化することで問題になっている対人兵器だ。

 キエフ政権と新ロシア(ドネツクとルガンスクの統合人民共和国)は停戦で合意に達したが、その直後から戦闘で壊滅的な打撃を受けたキエフ軍の立て直しに使われるだろうと指摘されていた。10月26日にキエフ体制が実施した議会選挙、11月2日に共和国が実施した選挙の後、キエフ軍はドネツクの学校を攻撃するなど、戦闘が再開される雰囲気が強まっている。

 今年2月にネオ・ナチが主導する形でクーデターが実行され、憲法の規定を無視してビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除することに成功した。それより前にアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使が電話で次期政権の人選について話し合っているのだが、その中でヌランドはEUの対応がソフトだと不満を口にしている。

 会話の中でヌランドは「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と口にしているが、その理由はEUの話し合い路線への苛立ちがあった。実は、話し合いは順調に進み、2月19日にヤヌコビッチ大統領は反政府派と停戦で合意したと発表している。

 ところが、その直後にネオ・ナチ、つまり「スボボダ」や「UNA-UNSO」といったステファン・バンデラを信奉する勢力のメンバーが破壊活動を活発化させる。石や火炎瓶を投げるだけでなく、チェーンを手に、ピストルやライフルを撃ち始め、広場で狙撃が始まって死傷者が急増、合意を実行に移すことは困難な状況になったのである。この狙撃はスボボダの創設者で、新体制移行後に国家安全保障国防会議の議長になるアンドレイ・パルビーだと言われている。

 ヌランドの思惑通り、話し合いによる解決は粉砕されて2月27日には銀行家あがりのアルセニー・ヤツェニュクを首相とする暫定政権が発足した。ヤツェニュクはパイアットと電話で連絡し合っている際、ヌランドが高く評価していた人物。

 こうした流れを見ても、アメリカ/NATOを後ろ盾とするキエフ体制が話し合いで解決するとは思えない。戦えると思えば、破壊と殺戮を続けるはずだ。アゾフ、ドンバス、ドニエプルといったネオ・ナチ系の「私兵」をキエフ軍に組み込むとも言われている。2月に新体制へ移行した直後、議会は6万人規模の国家警備軍(親衛隊)の創設を承認したが、メンバーの主体はネオ・ナチで、ナチスの「親衛隊」に似た存在。正規軍を掌握し切れていないキエフ政権はこうしたネオ・ナチ色の濃い武装勢力に頼らざるを得ないのだろう。

 こうした「私兵」のスポンサーはドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー知事。ウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持つ「オリガルヒ」で、生活の拠点はスイスのジュネーブで、東部や南部の民族浄化作戦で黒幕的な存在で、オデッサの虐殺でも主導的な役割を果たしたとされている。

 キエフ政権はロシア軍が越境したと、例によって根拠を示すことなく宣伝、アメリカ/NATOもまともな証拠を示すことなく、そうした主張をしてきた。ヌランドはネオコン/シオニストだが、アメリカの中間選挙でこの勢力が議会で影響力を強めた。脅して言うことを聞かせるしか能がないアメリカとしては、武力を全面に出すしかないのだろうが、その先にはあるのは「冷戦」でなく、「核戦争」である。ネオコン/シオニストを押さえ込めなければ、人類に未来はない。





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最終更新日  2014.11.13 16:40:57



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