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《櫻井ジャーナル》

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2014.11.24
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 チャック・ヘーゲル国防長官がバラク・オバマ大統領に辞表を提出したようだ。中間選挙で民主党が惨敗した後、好戦派の圧力に屈した形だ。オバマはコロンビア大学の時代からズビグネフ・ブレジンスキーの弟子になったと言われているが、ヘーゲルはジョー・バイデン米副大統領、レオン・パネッタ前国防長官と同じようにジェームズ・ベーカー元国務長官とリー・ハミルトン元下院外交委員長を中心とするグループに所属している。次の国防長官が誰になるかにもよるが、軍事力で世界制覇を目指すネオコン/シオニストにオバマ政権が押されている可能性は高い。

 ネオコン/シオニストに担がれていたジョージ・W・ブッシュ大統領のイラクへの先制攻撃に反対するためにベーカー/ハミルトン・グループは編成された。ベーカーはロナルド・レーガン政権で国務長官を務めていた際にもイラク政策をめぐり、ネオコン/シオニストと対立している。

 イスラム武装勢力を1970年代に編成し、そうした集団を自分たちの手駒として使うプロジェクトを始めたのはブレジンスキー。そのプロジェクトで戦闘員集めに協力したのがパキスタンの情報機関ISI、武器を提供し、軍事訓練を行ったのがアメリカのCIAや特殊部隊、資金を出したのがサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸の産油国。アメリカの秘密工作に協力していたイスラエルも関係してくる。こうして訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイル(データベース)がアル・カイダ(アラビア語で「ベース」の意味)だということはロビン・クック元英外相も指摘している。

 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2007年にニューヨーカー誌に書いた記事によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が手を組み、シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたという。

 この延長線上に「アラブの春」はあり、リビアでアル・カイダ系の武装集団はNATOの地上部隊として活動した。ムアンマル・アル・カダフィの排除に成功してから武器と少なからぬ戦闘員はシリアへ移動するが、その際に武器のデポとして使われたと言われているのがベンガジのアメリカ領事館だ。

 こうした戦闘集団をシリアでは反政府派も侵略者と認識、バシャール・アル・アサド体制を倒すというネオコン/シオニストの目論見は成功しない。NATOの空爆を実現するために「化学兵器話」を西側の政府やメディアは宣伝するが、その嘘はロシア政府や独立系のジャーナリストによって暴かれてしまう。

 3月の場合、成分を分析したロシアは「家内工業的な施設」で製造されたサリンだと主張、その結果は80ページの報告書にまとめられ、国連の潘基文事務総長に提出された。イスラエルのハーレツ紙は別の側面から西側のプロパガンダに疑問を投げかける。攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということが不自然だという指摘だ。国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。

 5月にマケインはトルコからシリアへ密入国しているが、その段取りをしたシリア緊急タスクフォースはイスラエルのロビー団体AIPAC系。その際、FSAのイドリス・サレム、アル・カイダ系アル・ヌスラの幹部であるモハマド・ヌール、後にIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)を率いるイブラヒム・アル・バドリ(別名、アブ・バクル・アル・バグダディ)と会っている。FSAもアル・カイダもISも中身は同じ。

McCain-Syrian

McCain-IS-2

 夏にも化学兵器の使用を西側は宣伝したが、すぐにロシアのビタリー・チュルキン国連大使は、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルを発射、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真を示したとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

 その後、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事がミントプレスに掲載され、12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍がサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授は化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。

 イスラエルのマイケル・オーレン駐米大使もシリアに対するイスラエルの姿勢を明確に語っている。エルサレム・ポスト紙のインタビューで、イスラエルは最初からシリアの体制転覆を望み、アル・カイダを支援してシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしてきたというのだ。

 その間、攻撃が予想されていた昨年9月3日には地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが実際に発射され、このミサイル発射をロシアの早期警戒システムがすぐに探知している。2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、ジャミングなどで落とされたとも言われている。

 昨年9月以降、オバマ政権はシリアへのアメリカ/NATOによる直接的な攻撃に消極的な姿勢を見せていたが、これに不満を抱いてきたのがネオコン/シオニストをはじめとする好戦派。そしてISが登場してくる。

 そうした好戦派が主導権を握ったアメリカがISを使ってシリア、さらにロシアを攻撃、ウクライナではネオ・ナチを使った新たな軍事作戦をはじめる可能性は小さくない。集団的自衛権はこうした「アメリカの戦争」に荷担することを意味する。





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最終更新日  2014.11.25 03:32:13



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