27371097 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2014.12.07
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 フランソワ・オランド仏大統領がロシアを突如訪問し、モスクワの空港ビルでウラジミル・プーチン露大統領と会談した。両国はいくつか問題を抱えている。例えばロシアから発注し、すでに受け渡し期日が来ているミストラル級強襲揚陸艦の引き渡しをアメリカの圧力でフランスは拒否、ロシアからEUへ天然ガスを輸送するパイプライン(サウス・ストリーム)の建設もアメリカの圧力でブルガリアが建設の許可を出さずに計画は中止された。

 しかし、モスクワで両首脳が話し合った内容はウクライナ情勢のようで、戦闘を終わらせなければならないということで合意したという。当初からEUはウクライナの混乱を話し合いで解決しようとしていたが、それを許さなかったのがアメリカ。

 今年2月上旬、アメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使との会話がYouTubeにアップロードされた。次のウクライナ政府の閣僚人事をどうするか話し合っているのだが、その中でヌランドは次のようなことを言っていた:

「あなたにも話したか、ワシントンに話しただけなのか覚えていないんだけれど、今朝、ジェフ・フェルトマン(国連事務次長)と話した際、新しい国連のヤツの名前を聞いたわ。ロバート・セリーよ。この話、今朝、あなたに書いたかしら?」

 オランダのロバート・セリー元駐ウクライナ大使が国連特使としてキエフへ派遣されるとフェルトマンから聞いたヌランドは喜んでいる。EUが話し合いでウクライナの混乱を収束させようとしていることに不満を抱いていたヌランドは国連を引き込めることを喜んでいる。そして「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と口にしたわけだ。

 フェルトマンは2012年に潘基文国連事務総長が引っ張ってきた人物で、2004年から08年にかけて駐レバノン米大使を、09年から国務省で近東担当次官補を務め、イラン、シリア、ヒズボラを露骨に敵視していることでも知られている。アメリカ(ネオコン/シオニスト)、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟と同じ立場と言うことだ。

 控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないとコンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューで語っているが、ネオコン/シオニストも同じ認識のようで、武力で相手を従属させようとしてきた。脅しだけで目的を達成できない場合は実際に軍事力を行使する。

 彼らは同じ手法をロシアや中国に対しても使おうとしているのだが、この2カ国には通用しない。そこで脅しをエスカレートさせているのだが、無駄なことは無駄。このまま進めば核戦争になる。日本ではどうだか知らないが、世界的に見るとこれを懸念している人は少なくないようだ。

 ネオコン/シオニストの強い影響を受けているアメリカの議会では好戦的な雰囲気が蔓延、12月4日には下院でロシアを非難する決議が411対10という大差で可決された。証拠を示さないだけでなく、明らか嘘を並べたプロパガンダにすぎない決議だが、戦争へ向かうための大きな一歩だとは言える。

 こうした動きに連動するように、ウクライナはIMFのカネを投入して軍備を強化している。同国の大統領によると、Т-64 BV戦車、Т-72 B1戦車、Т-72UA戦車、Т-72A戦車、BTR-3e装輪装甲車、BTR-4e装輪装甲車、2S1(2C1)自走榴弾砲、Mi-8ヘリコプター、Mi-2ヘリコプターを受け取ったとしている。

 経済的に破綻しているウクライナが兵器にカネを投入しているわけだが、その目的は東部や南部の制圧、民族浄化にある。2010年の大統領選挙における投票動向を見れば一目瞭然だが、アメリカ/NATOがクーデターで排除したビクトル・ヤヌコビッチを支持したのは東部や南部。西部や中央部は投機家のジョージ・ソロスを後ろ盾とするオリガルヒのユリア・ティモシェンコだった。キエフ政権のペトロ・ポロシェンコ大統領はヤヌコビッチを支持した地域を破壊しようとしている。

ukraine-2010

2010年のウクライナ大統領選における投票動向






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.12.07 17:12:26



© Rakuten Group, Inc.