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10月29日に沖縄防衛局は名護市辺野古で埋め立て本体工事に着手したという。この工事については沖縄県の翁長雄志知事が埋め立て承認を取り消していたが、28日に石井啓一国土交通相がその効力を止める「執行停止」を決定、そのうえで着工した。
石井国交相は、取り消しがアメリカとの信頼関係に悪影響を及ぼすので代執行手続きを進めるとしているようだが、この発言について記者から質問されたアメリカ国務省のジョン・カービー報道官は戸惑いを見せる。日米同盟やアメリカ軍が存在している状態の最大利益に移設は含まれると信じ、これからも両国は連携していくと語ったものの、外交的な議論の詳細には立ち入らないと答え、取り消しがアメリカとの信頼関係に悪影響を及ぼすのかという質問には答えていない。 知事による埋め立て承認の取り消しを国交相が「執行停止」した前日、アメリカ海軍は中国が自国の領海だと主張する南沙群島(チュオンサ諸島、あるいはスプラトリー諸島)の海域へ偵察機を伴ったミサイル駆逐艦(イージス艦)のラッセンを送り込んで中国を挑発、今後も続けると言われている。 このタイミングでイージス艦を派遣した理由について、フィリピンで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議やマレーシアでの東アジア・サミットを睨んでのことだと推測する人もいるが、辺野古の問題が関係しているかもしれない。 ただ、アメリカ国防総省には5月の段階で軍用機や軍艦を南沙群島へ派遣すべきだとする意見があった。そうした主張の中心にいるアシュトン・カーター国防長官は今年2月、軍事力の行使に慎重なチャック・ヘーゲルの後任として就任した人物。長官に就任した翌月、アメリカとイランで合意が成立してもイランを攻撃する選択肢は消えないと語っている。2006年にはハーバード大学で朝鮮空爆を主張したことでも有名。5月にバラク・オバマ大統領が統合参謀本部議長に指名したジョセフ・ダンフォード大将も好戦派として知られている。 こうした流れの中、南沙群島で軍による示威活動を実行すべきだという意見が出てくるのは必然だが、中国との関係悪化を避けるため、そうした意見をホワイトハウスは押さえ込もうとしてきたという。そうした押さえがきかなくなったということだろう。 しかし、1992年以降、世界制覇を目指すアメリカが中国と衝突するのは不可避。経済的に中国との関係を悪化させたくないなら、そのプロジェクトを放棄する必要があるのだが、そうした動きはない。 好戦派はアル・カイダ系武装集団やネオ・ナチを使って軍事侵略、ターゲット国での破壊と殺戮を続けてきたが、そうした戦術がロシアの反撃で機能しなくなり、その間、ロシアと中国との関係が緊密化してアメリカを中心とする支配システムは揺らいでいる。好戦派の世界制覇戦略を続けるならば、アメリカは遠くない将来に崩壊して破綻国家になりかねない。それでも好戦派に引っ張られているところにアメリカの悲劇がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.10.29 23:49:27
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