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爆発物を装着した無人の潜水艦をスウェーデン海軍が発見、爆破したという。見つかった場所はバルト海にあるゴトランド島の北、ノード・ストリーム(ロシアのビボルグからドイツのグライフスバルトを繋ぐパイプライン)の近く。実際に何らかの破壊活動を行おうとしていたのかどうかは不明だが、こうした無人機を使ってパイプラインを破壊することが可能だということは確かだ。
昨年2月にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させたアメリカ支配層はロシアからEUへ石油/天然ガスが流れないようにしようと必死だ。黒海を横断し、ブルガリア、セルビア、ハンガリー、スロベニアを経由してイタリアへ至るサウス・ストリームを建設する計画はアメリカの圧力でブルガリアが建設の許可を出さず、御破算。トルコ経由で輸送する計画はトルコがIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)を使ってシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒す計画を放棄しないため、難しくなっている。そうした中、ノード・ストリーム-2を建設する案があるのだが、これをアメリカ支配層が嫌っていることは間違いないだろう。 EUにとってロシアから石油/天然ガスが入手できれば、安定した供給源として好ましいはずだが、アメリカ支配層からEUのリーダーは買収されていると言われ、アメリカの意向に沿った政策を進めてきた。 そうした政策がEUの存続を危うくしつつあり、それを懸念する声が高まっている。そうした意見はドイツ政府にもあり、シグマール・ガブリエル副首相はロシアへの「制裁」に否定的な発言を続けている。(例えばココやココ)この「制裁」で最も大きなダメージを受けているのはロシアでなくEUだということを考えれば当然の発言だ。アメリカの傀儡とい見なされているアンゲラ・メルケル首相だが、ガブリエルのような人物を副首相にせざるをえない状況だということ。 ドイツの産業界もアメリカに嫌気が差しているようで、フォルクスワーゲンは9月4日からロシアでエンジンの生産を始めた。そのフォルクスワーゲンが排ガス規制を不正に回避するためのソフトウエアを一部の自動車に搭載させたとアメリカの環境保護局が発表したのは、その2週間後だった。 勿論、アメリカの政府機関が不正に厳しいというわけではない。金融業界の不正が発覚した際、銀行自体は「大きすぎて潰せない」、役員も「大きすぎて処罰できない」という愚にもつかない理由で「容疑者」が野放しにされ、「焼け太り」の状態だ。 フランスでもアメリカに対する反発はある。例えば、IMFの専務理事だったドミニク・ストロス-カーンは2011年4月にブルッキングス研究所で演説、その中で失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないとし、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだと発言していた。 また、進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だと語っただけでなく、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だともしている。新自由主義批判、つまりアメリカの金融資本批判だ。 そのストロス-カーンは2011年5月、アメリカ滞在中に逮捕、起訴された。後に起訴は取り下げられたが、IMF専務理事はクリスティーヌ・ラガルドになり、そのラガルドはギリシャで借金の取り立てに辣腕を発揮した。ストロス-カーンの事件は当初から怪しげな話だと言われていたが、冤罪だった可能性が高い。 昨年10月20日、モスクワ・ブヌコボ空港で事故死したフランスの大手石油会社、トタルのクリストフ・ド・マルジェリ会長兼CEOもアメリカには批判的で、事故死する3カ月前、石油取引をドルで決済する必要はなく、ユーロの役割を高めれば良いと主張していた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.11.09 04:40:09
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