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《櫻井ジャーナル》

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2015.12.09
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 シリアでの戦闘でウクライナが兵器の供給源として注目されている。最近もロシア軍が使っているOFAB 250-270という250キロ爆弾2000発を市場価格の約3倍という高値でカタールが買っていることを示す文書が公表された。この国の軍用機には搭載できないタイプで、実際に自分たちが空爆で使うことはありえない。「偽旗作戦」を実施、ロシア軍やシリア政府軍に責任をなするつける予定なのだろう。すでに西側メディアはそうした宣伝を始めている。

 本ブログでは何度も書いているように、カタールはアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビアと同じように、イラク、リビア、シリアといったアメリカに服従しない国を攻撃してきた。カタールは巨大石油企業のエクソン・モービルの影響下にある国で、アル・ジャジーラという国策メディアを持っている。カタールが関係しない場合は比較的自由な報道をしていたが、関係するとプロパガンダに徹する。

 イラクを先制攻撃する際、アメリカが「大量破壊兵器」という偽情報を流したことは広く知られているが、シリアでも嘘を流し続けてきた。西側の政府やメディアはシリア政府による「民主化運動の弾圧」を盛んに宣伝、その情報源としてダニー・デイエムなる人物やロンドンを拠点とする「SOHR(シリア人権監視所)」を情報源としていた。

 デイエムはシリア系イギリス人で外国勢力の介入を求めていたが、「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月にインターネット上へ流出してしまい、嘘がばれる。

 SOHRは2006年に創設され、背後にはCIA、アメリカの反民主主義的な情報活動を内部告発したエドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、プロパガンダ機関のラジオ・リバティが存在していると指摘されている。

 内部告発を支援しているWikiLeaksが公表した文書によると、SOHRが創設された頃からアメリカ国務省の「中東共同構想」はロサンゼルスを拠点とするNPOの「民主主義会議」を通じてシリアの反政府派へ資金を提供している。2005年から10年にかけて1200万ドルに達したようだ。

 デイエムの嘘が発覚した直後、2012年5月にホムスのホウラ地区で住民が虐殺される。その時も西側の政府やメディアはシリア政府に責任があると主張していたが、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。ロシアのジャーナリストやドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も同じように伝えていた。

 そして2013年8月のサリン騒動。シリア政府が化学兵器を使ったと西側では大合唱だったが、早い段階からロシア政府が否定、国連へ証拠を添えて報告書を提出している。反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

 そのほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が伝えられ、10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。

 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 そして2013年9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。

 昨年2月にウクライナではネオコン/シオニストが主導、ネオ・ナチが実行部隊として動いたクーデターが実行され、合法的に選ばれていたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追放した。勿論、憲法の規定は無視されている。

 その際、ヤヌコビッチの地盤だった東部や南部ではクーデター政権を拒否する動きが広がり、クリミアではロシアの構成主体としてロシアに加盟するかどうかを問う住民投票が3月16日に実施された。投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成する。

 クリミアにはウクライナ軍とロシア軍が駐留していたのだが、ウクライナ軍は住民を弾圧せず、ロシア軍とも戦闘になっていない。このロシア軍を西側では「侵略軍」と宣伝していたが、実際は1997年にウクライナとロシアが結んだ協定でロシアは基地使用権を与えられ、2万5000名を駐留させられることになっていた。実際には1万6000名が駐留していたのだが、これを侵略軍だと主張したわけだ。この際、ウクライナ軍の電子機器はロシア軍の電子戦兵器で機能不全になっていたとする噂もある。

 昨年4月10日にアメリカ軍はイージス駆逐艦のドナルド・クックを黒海へ入れ、ロシアの領海近くを航行させて威嚇したが、ロシアは電子戦用の機機を搭載したスホイ24を米艦の近くを飛ばし、イージス・システムを機能不全にしたと言われている。その直後にドナルド・クックはルーマニアへ緊急寄港、それ以降はロシアの領海にアメリカの艦船は近づかなくなった。

 11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜したが、本ブログで何度も説明したように、これは待ち伏せ攻撃であり、アメリカ/NATOが承認、あるいは命令していた可能性がきわめて高い。しかも、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシア軍機の撃墜を計画したのはロシアが空爆をはじめて間もない10月10日だったとWikiLeaksは主張している。

 アメリカ/NATOがロシア軍機を撃墜する理由はいくつか考えられるが、ロシアに電子戦の機機を使わせ、データをとろうとしたのではないかとも疑われ、撃墜時にアメリカ/NATOは電子戦の専門家を派遣していたとする話も流れている。





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最終更新日  2015.12.10 02:55:11



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