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《櫻井ジャーナル》

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2016.02.05
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 シリア北部の制空権を握ることに失敗したアメリカ/NATOはトルコ軍を使い、シリア領内への砲撃を行って2月1日にロシアの軍事顧問を殺害したと報道された。こうした攻撃を含め、シリアとの国境近くにおけるトルコ軍の動きからロシア国防省はトルコがシリアへの軍事侵攻を準備していると疑っている。

 アメリカ/NATO側はロシア軍機が領空を侵犯したと宣伝。ロシア軍のSu-34戦闘爆撃機が1月29日にトルコ領空を侵犯したとトルコ政府は主張、アメリカ/NATOはそれをしているが、例によって証拠は示されていない。ロシア国防省は領空侵犯を否定した。

 シリア領内ではアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルに操られた武装集団がロシア軍の空爆でダメージを受け、敗走している。こうした戦闘集団の黒幕たちの計画が崩れ始めているわけで、自らが攻撃するしかかない状況になっているのだろう。

 すでにトルコはイラクへ軍事侵攻、拠点を建設、アメリカ軍はシリア北部で空軍基地を建設していると言われている。情報会社のストラトフォーが公表した昨年12月28日に撮影されたという衛星写真には、700メートルの滑走路を1315メートルに延長する工事をしている様子が写っている。また、アシュトン・カーター国防長官は1月22日、陸軍第101空挺師団から1800名ほどをイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語った。

 追い詰められている侵略勢力としては、NATO加盟国であるトルコにロシアと戦争する姿勢を見せさせ、ロシアに圧力を加えているつもりだろう。ロシアはNATOとの戦争を避けたいはずで、妥協するだろうと期待しているのかもしれないが、これまでもそうした脅しは通用しなかった。

 ここでアメリカの好戦派が考えていたことを振り返ってみよう。

 まず、1991年にネオコン/シオニストのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)がイラク、シリア、イランを5年以内に殲滅すると語ったという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の証言。同元最高司令官はCNNの番組で、アメリカの友好国と同盟国がISを作り上げたとも語っている。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて間もなく、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを攻撃する計画を立てていたともクラーク元最高司令官は語っている。

 アメリカ支配層に近いフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3月/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文「未来のための変革と再編」には、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張されていた。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアはシリアやイラン、そしてレバノンのヒズボラに対するにした秘密工作を始めたと書いたのはその翌年のことだ。

 1991年の発言はソ連消滅を見通してのことだったはず。ソ連を消滅させ、ロシアを新自由主義に蹂躙させたボリス・エリツィン大統領はアメリカ支配層の傀儡で、その計画に抵抗するはずはなかった。しかも、ロシアの武器/兵器は時代遅れで役に立たない代物だという思い込みもあったようだ。

 そうした前提でアメリカ支配層の世界制覇プロジェクトはスタートしたのだが、その途中、ロシアではウラジミル・プーチンが母国を再独立させることに成功、アメリカ支配層の前に立ちはだかっている。しかも、シリアではロシアの武器/兵器が優秀だということを全世界に知らしめた。通常兵器の戦闘でアメリカ/NATO軍はロシア軍に勝てないという分析もアメリカ軍の内部から出ている。プロジェクトの前提が崩れてしまったわけだが、ネオコンは軌道修正できず、第3次世界大戦へ向かってアクセルを踏み込んでいる。

 何をしでかすかわからないと相手に思わせ、自分たちの目的を達成しようという「狂犬理論」があるが、現在のアメリカ/NATO、サウジアラビア、イスラエルなどは本当の狂犬になっている。





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最終更新日  2016.02.05 06:19:47



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