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《櫻井ジャーナル》

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2016.02.08
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 シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すために送り込まれていた侵略軍、つまりイスラム教ワッハーブ派(サラフ主義者)を主力とするアル・カイダ系のアル・ヌスラやダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)の部隊が崩壊寸前になり、この戦闘集団と戦うと称してシリア政府軍を倒そうとしたアメリカ/NATO、サウジアラビア、イスラエルなどの計画は難しい状況になっている。そうした武装集団に関係なくトルコやサウジアラビアが軍事侵攻する可能性もあるが、良い結果は得られないだろう。

 2011年春にシリアで戦争が始まったが、このときから国外からの軍事侵攻だった。西側の政府やメディアが宣伝したような「圧政に立ち向かう民衆の蜂起」などではなく、傀儡体制を樹立して略奪しようという外国勢力の侵略戦争だ。その外国勢力とはアメリカ、イギリス、フランス、トルコのNATO加盟国、サウジアラビアやカタールなどのペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルだ。

 アメリカが主導する連合軍がシリア政府の要請もなく、国連の承認もえずに始めた攻撃はアル・ヌスラやダーイッシュに打撃を与えることはできず、勢力を拡大させていた。兵站線を叩かず、盗掘石油の輸送を放置、兵器/武器を含む物資をダーイッシュ側へアメリカ軍は「誤投下」していたわけで、当然の結果だ。その一方でシリアの基盤施設を破壊してきた。

 こうしたことは2014年9月22日にシリアで攻撃を始めたときから続いたこと。その時に現地で取材していたCNNのアーワ・デイモンは翌日朝の放送で、ダーイッシュの戦闘員は空爆の前に極秘情報を入手、攻撃の15から20日前に戦闘員は避難して住民の中に紛れ込んでいたと伝えている。

 本ブログでは何度も書いているように、こうした状況を一変させたのが昨年9月30日に始められたロシア軍の空爆。4カ月強で明確な結果を出したのだが、これには爆撃機の空爆だけでなく、巡航ミサイルによる攻撃や最新鋭戦車T90の投入が大きかったと言われている。

 アフガニスタン戦争以来、アメリカはイスラム教ワッハーブ派の戦闘集団に対し、携帯型のスティンガー対空ミサイルやTOW対戦車ミサイルを大量に供給してきた。シリアだけで供給されたTOWやM79グレネードランチャー(擲弾発射器)の数は9000に達するという。これまで、こうした武器は威力を発揮していたのだが、T90には通用せず、アル・ヌスラやダーイッシュの敗走につながった。イラクなどで使われているアメリカ製アブラムズ(M1A1)戦車の評判が良くないのとは対照的だ。

 シリアでロシア軍はデモンストレーションを兼ね、自分たちが保有する兵器/武器の実戦でのテストを行っている。すでに電子戦や巡航ミサイルの能力も示したが、新鋭戦闘機のスホイSu-35もテストすると言われている。すでにこの戦闘機は高い評価を得ているのだが、同じ数字のロッキード・マーチンF-35は散々だ。

 F-35のプログラム・コストは1兆5000億ドル以上になりそうなうえ、性能に問題があって「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれている。昨年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地で行われた模擬空中戦でF-16に負けたという。F-35は、儲けを大きくすることに熱中しているアメリカ支配層の実態を象徴する戦闘機。この高額欠陥戦闘機を日本も5機注文、さらに42機を購入する計画だというから驚く。

 勿論、アメリカの軍事予算が少ないわけではない。SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)によると、2014年における予算はアメリカ6100億ドル、中国2160億ドル、ロシア845億ドル、サウジアラビア808億ドル、フランス623億ドル。ちなみに、日本は第9位で458億ドル。アメリカの惨状は予算が少ないからではない。少なからぬ人は支配層の腐敗が原因だと考えている。

 F-35のような欠陥兵器を導入すればアメリカ軍はますます弱くなるが、現時点でも通常兵器の戦争ならロシア軍に勝てないという声がアメリカ軍の内部からも聞こえてくる。アメリカがロシアと戦争を始めたなら、それは全面核戦争になるということだ。





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最終更新日  2016.02.08 06:42:20



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