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《櫻井ジャーナル》

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2016.03.26
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 アメリカ海軍の特殊部隊SEAL出身で、傭兵会社のブラックウォーター(現在の社名はアカデミ)を創設、現在はフロンティア・サービス・グループの会長を務めているエリック・プリンスがトルコを訪れたという。この人物は熱心なキリスト教原理主義、つまりカルトの信者として知られ、姉のベッツィーが結婚した相手であるディック・デボスは「アムウェイ」の創設者だ。

 アメリカの巨大資本が世界を支配する下地を作る過程で「規制緩和」や「私有化」が推進されたが、情報機関や軍も例外ではなかった。そうした流れの中、ブラックウォーターは1997年に創設され、2003年にアメリカ軍が主導する連合軍がイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を破壊して占領を始めてからイラクで活動を開始、その名前が暴力的な振る舞いと共に広く知られるようになった。アフガニスタンなどでの活動も有名だ。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がプリンスと会う理由として考えられるのは、トルコ軍が対応できない事態が生じているのか、その軍を信用できない状況になっているかだろう。

 そうした事態を推測させる出来事が昨年11月にあった。26日にジュムフリイェト紙のジャン・デュンダルとエルデム・ギュルを、また28日にはウブラフム・アイドゥン憲兵少将、ハムザ・ジェレポグル憲兵中将、ブルハネトゥン・ジュハングログル憲兵大佐を逮捕しているのだ。エルドアン政権と軍との関係は良くなさそうだ。

 エルドアン政権はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒そうしている勢力に加わり、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)を支援してきた。軍事訓練を行う場所を提供、兵站線はトルコからシリアへ延びている。シリアやイラクで盗掘した石油が運び込まれているのもトルコだ。

 物資の輸送はこうした活動を管理しているのがトルコの情報機関MIT。その輸送を行っていた車両を昨年1月にトルコ軍の憲兵隊が摘発、その事実をトルコのジュムフリイェト紙が報道、その報復としての逮捕だった。さらに、エルドアン政権はザマン紙を乗っ取って露骨な宣伝を始めたが、読者は強く反発した。

 シリアの体制転覆が予定通りに進まず、経済的にもエルドアン政権は厳しい状況に陥っている。そこで難民を使ってEUを強請り、今のところ成功しているようだが、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの戦闘員をEUへ送り込む目的は強請りだけでなく、より大きな戦略があるとも見られている。

 今年1月にヨルダンのアブドラ国王がアメリカの議員を会談したときのメモがイギリスのガーディアン紙にリークされ、その中で「テロリスト」がヨーロッパへ渡っているのはトルコ政府の政策の一部だと説明している。西側の政府やメディアは無視しているが、これはほかの事実と合致する。このほか、2011年2月にリビアで戦闘が始まった直後からイギリスは特殊部隊を派遣、またイスラエルはアル・カイダ系のアル・ヌスラを黙認しているとも語ったようだ。

 国王の話自体は驚きでないが、こうした情報が西側の有力メディアへリークされ、それを報道したことは興味深い。1992年初頭にネオコン/シオニストが国防総省のDPG草案という形で作成した世界制覇プラン、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づく工作や作戦を止めようとする勢力が支配層の中でも増えている可能性が高い。





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最終更新日  2016.03.27 01:03:51



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