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《櫻井ジャーナル》

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2016.11.07
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 経団連の榊原定征会長(東レ相談役最高顧問)や福田康夫元首相を含む経済分野の代表団が中国を訪問した。榊原は経団連の会長に内定した際、中国との関係強化を口にしていたが、それを実践している。

 中国とのビジネスによってかろうじて維持していた日本経済は、菅直人が首相に就任して3カ月後の2010年9月に大きく揺らいだ。海上保安庁が「日中漁業協定」を無視して中国の漁船を取り締まり、中国との関係を壊してしまったのである。

 漁業協定に従うならば、日本と中国は自国の漁船を取締り、相手国の漁船の問題は外交ルートで注意喚起することになっていたが、それが無視された。海上保安庁が独断で実行したとは考え難い。もし勝手に漁業協定を破ったならば、責任者は厳しく処罰されていたはずだ。

 海上保安庁は国土交通省の外局なので、国土交通大臣だった前原誠司が協定破りを承認していたと見るべきだろう。それによって生じた日中関係の悪化を修復するのは外務省の役割だが、事件の直後に前原が外務大臣に就任する。つまり、中国と日本との関係を破壊するのは菅直人政権の政策。つまり確信犯だ。

 2011年3月11日に東北の太平洋側で発生した巨大地震が関係悪化を緩和しそうになったのだが、これを石原慎太郎と石原伸晃の親子が壊している。2011年12月に石原伸晃がハドソン研究所で講演、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言、今年4月には石原知事が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示したのだ。

 こうした言動の背後にはネオコンの大物、I・ルイス・リビーがいたと言われている。その当時、リビーはハドソン研究所の上級副所長。安倍晋三もハドソン研究所と関係が深いが、そのつながりを築いたのもリビーだ。菅直人、前原誠司、安倍晋三、石原慎太郎、石原伸晃、いずれもリビーに操られていると見て良いだろう。自民党と民主党(民進党)と言い換えることもできる。

 そうしたネオコンの戦略に日本の巨大企業も耐えられなくなっている可能性が高い。日本が関係を悪化させた中国はロシアとの同盟を強化している。これはアメリカの支配層にとっても想定外だったようだ。

 「本当は日本とつきあいたいのだ」という妄想に浸っている状況ではない。ネオコンの戦略で中東/北アフリカには戦乱が拡がり、その戦乱を仕掛けた一国であるサウジアラビアは財政赤字。今後、中東がエネルギー源を安定供給できるとは言えない状況。原発を動かしても解決にはならない。ロシアとの関係を改善するしかない。

 今年9月2日から3日にかけて、ロシアのウラジオストクで「東方経済フォーラム」が開催され、日本からは安倍晋三首相が出席した。「北方領土」などは関係ない。歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島をロシアが日本に「返還」する可能性は限りなくゼロに近い。

 「東方経済フォーラム」の開催に合わせ、ブルームバーグはロシアのウラジミル・プーチン大統領にインタビュー、そのなかで、日本との経済関係を大きく進展させるために千島列島のひとつと交換するような取り引きはあるかと聞かれ、プーチンは領土の取り引きはしないと答えた。(ブルーバーグがアップロードした映像のタイトルは適切なものでなく、中身を見ていただきたい。)

 続けて、プーチンは平和条約が重要な課題だとしている。かつて、ロシアを訪問した岸田文雄外相に対してセルゲイ・ラブロフ露外相は平和条約締結の前提として、日本政府が歴史的な事実を認めることを求めている。

 そうした歴史的な事実には日本の降伏も含まれている。言うまでもなく、日本が連合国に降伏したのは1945年9月2日。この日、政府全権の重光葵と軍全権の梅津美治郎が東京湾内に停泊していたアメリカの戦艦、ミズーリで降伏文書に調印したのだ。降伏したということはポツダム宣言を受け入れたことを意味する。

 戦後日本の出発点であるポツダム宣言は、「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と定めている。

 「カイロ宣言」の条項を履行し、日本の主権は本州、北海道、九州、四国と連合国が決める周辺の小さな島々に限定するとしているのだ。確定しているのは本州、北海道、九州、四国だけであり、沖縄も含まれていない。日本政府がソ連との国交を正常化使用とした際、激怒したアメリカ政府は沖縄を奪うと脅したようだ。

 カイロ宣言には、「千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト竝ニ満洲、台湾及膨湖島ノ如キ日本国ガ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」と書かれている。こうした宣言を厳密に履行したなら、領土問題は存在しなくなる。

 日本側もロシアの姿勢を熟知しているはず。安倍晋三政権がロシアや中国に接近しているのは、それだけ日本企業が厳しい状況にあるからだろう。領土問題など考えているとは到底、思えない。(それほど愚かではないだろう。)

 現在、日本はネオコンなど好戦派の戦略に基づいてロシアや中国と(核)戦争を始める準備をすると同時に、ロシアや中国と接触するという矛盾したことを行っている。ネオコンの戦略が破綻しているということだ。それだけに、核戦争の可能性は高まっているとも言える。





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最終更新日  2016.11.07 06:23:07



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